ぼっち・ざ・ろっく! 孤高で貧弱で非凡な才能をかき鳴らせ__________________。
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・現役ぼっちが思う、後藤ひとりの素晴らしさについて↓↓↓
皆さん、こんばんは。
はじめましての方は、はじめまして。
現役大学生のゼクショーです。
クリスマスが終わり、2週間しかない冬休みに入りました。年が明けて間もなく定期テストだし、課題も溜まってて新作アニメしか追えてない状況です。
今季アニメも今週で半数以上が終わります。年末特番も続々とオンエアされる時期になってきたと。そんな中で、およそ3か月以上にわたってTwitterのトレンドを総なめしてきた、あの作品をレビューしていきたいと思います。
『ぼっち・ざ・ろっく!』になります。
~作品概要~
2018年から『まんがタイムきららMAX』にて連載中。所謂"きらら枠"と呼ばれる漫画原作のアニメ。今年は他にも『RPG不動産』がありましたね。制作は『明日ちゃんのセーラー服』や『ホリミヤ』などを手掛けてきたCloverWorks。
友達0人のロック好きの主人公、後藤ひとり。ひょんとしたことから楽屋で4人組バンドの結束バンドに加入する。ドラムの虹夏、ベースのリョウ、ボーカルの喜多。3人との出会いを通してどんどん前向きになっていく__________そんな内容です。
結論から言うと、クオリティの暴力っすねこれは。何回もリピりたくなる位話が面白いって感じじゃないね。ガチガチに熟成されたスープに極上のチャーシューぶっこまれたラーメン無理やり食わされた感じ。麺が多少不味くても、素材の強さでクソ美味しいと言わざるを得ないあの感じ。
まぁどこが良いのか悪いのか、正直に語っていくとしましょうか。
①後藤ひとりによる"陰キャあるある"ネタの件
以前雑記帳で取り上げた時も言ったけど、本当に後藤ひとりってキャラクターは等身大の陰キャを体現してくれてて素晴らしいんすよね。
これまでのアニメは、コミュ症を自称してるけど意外に結構話せる陰キャ気取りのキャラが多かった。彼女は本物の人見知りガチコミュ症のキャラなんですよね。
面と向かって人と話す事が苦手で、常に人の視線を必要以上に伺おうとするところ......まさしく友達をろくに作ってこなかった僕に重なる部分が多くって、刺さんない訳がないんですよ。単純に笑える事も多いんだけど、僕もコミュ障を極めてるから感情移入が止まらな。
何されるかも分からないのに、初めて会う人に対して全く恐れずに話しかけられる心意気。ただ明るいだけじゃなくて気さくな雰囲気もあって、人望もついてくる。本当にそれがある人が"陽キャ"だと思ってます。
人望もなくて、自分のアピールポイントを人に伝える事に関して奥手になってしまって、些細な事でも自分の行動が悪い意味で勘違いされてしまうとそれを気にして塞ぎこみがちになる。
(突出した才能がないと感じれば尚更、)常に自分の将来が不安でしかない。自分の好きな事を発信しようとか、自分の長所を生かせる仕事に就こうとか全然分からねぇよと。現実の不条理さに打ちのめされて、学校やバイトをサボる明確な理由を作ろうとする所とか凄い共感できる。本編内では、体調不良になるって描写でしたね。結局それが上手くいかなくて、よりにもよって出勤日の朝に体調崩す所も経験済みだからグサりと来る。
他にもまぁ、突然トークを振られたら台本作らんと上手く喋れへんって所も成る程と思うし、陰キャが数少ない友達を家に招き入れる所でその友達の方だけ明らかに普段と接する対応違う虚しさも痛いほど分かるし、人と接する機会少ないからリア充の恋愛ソングが比較的苦手なのもよ~~~~~く分かるんです。外せない用事で行くべき目的地に着いたのに周辺うろうろしちゃう所なんか、ホンマにリアル。
大事な場面に限って何故か変に汗出てきて敬語もおかしくなって、話したかった内容が飛んでしまう。自分がふと席を外した途端にトーク盛り上がってて、戻ってくれば入りづらい空気になってる。あんな気取った曲を自分が感情込めて歌う事を考えると、恥ずかしくてイタくて仕方がない。"行きたい"、"行きたくない"の2つの感情が激しく交差して葛藤する。しょうもない事で予定すら変える。
普通の人からすれば馬鹿馬鹿しいと思うかもしれない。でも、僕らってそこまでしないとうまく行動出来ない位不器用で気持ち悪い生き物なんですよ。そういう同じ思考を持って行動するキャラに出会えた事がマジで嬉しかった。
アニメーションも凄く良いっすよ。余韻がないから何回も見たいとはならんけど、ボロクソな一人部屋であっても彼女を過剰なまでに動かそうとする姿勢は、遊び心しか感じないっすよ。
妄想シーンのバリエーションも豊富で楽しいです。陽キャの喜多ちゃんに「後藤さんもインスタやってみようよ」って勧誘されたら、激しく体が歪む演出が挟まれてて面白かったし。恐らくきらら枠では史上初の試みであろう、実写演出も頻繁に挟んでて結構シュールで素直に笑えましたし。
ひとりちゃんには傑出した才能があったからこそ、それが徐々に認められていくって描写も凄く良いと思うし。一見根暗みたいな雰囲気の奴が一つ才能を研ぎ澄ましてそれが認められると。いやいやカッコ良いなと。真に大人になるって事はある種そういうことでもあるんかなって思いますしね。
中盤以降は段々その面白みが落ちていくのは感じました。勿論、随所には残ってんだけどね。ド陰キャであるひとりちゃんがどんどん人に恵まれていくって話だから、逃れられぬ運命ではあったと思う。全体的に悪くはなかったっすよ。
②主人公以外のキャラ描写について
ぶっちゃけ後藤ひとり以外いらない......ってのは暴論過ぎますが、彼女の陰キャあるあるが一番刺さったって意味では、他のキャラにあんま感情移入できなかったのが正直なところ。
きらら枠にしては珍しくキャラの萌えを作品の長所に繋げてる訳じゃないし、良くも悪くも後藤ひとりの奮闘を楽しむアニメって感じでしたね。
特に虹夏ちゃん以外の2人のバンドメンバーには、正直嫌悪感しかないです。
まず、喜多ちゃんね。社交的な友達が多く、SNSで映え映えの写真を撮る事が大好きなよくいる陽キャですわ。陽キャは陰キャの敵だから嫌だとか、そんな凝り固まった考えを持ってるからじゃない。
彼女のパリピ発言や行動に溢れ出るナチュラルサイコパス味が止まらないからですよ。主に我々陰キャの味方である、後藤ひとりちゃんに対するね。
顕著なのは作中後半の文化祭のシーン。
ひとりちゃんのクラスは何故かメイド喫茶をやる事になったと。バンドの面子が遊びに来る訳だけど、ひとりちゃんは挙動不審になりながらお客さんである彼女達の注文を聞く。オムライスにケチャップをかけるという場面で、ひとりちゃんに渾身の萌え萌えキュンを強要する喜多ちゃん。特に気に入らないのは、そうやって強要させたあげく自分でお手本見せて客にギャフンと言わせてる所ね。
いやぁ、性格わっっるっ。
人との距離の縮めんのがイマイチ苦手なひとりちゃんに振っといてこれは、かえって自分は使えねぇって絶望させてるだけじゃねぇか。単なる嫌がらせだろ。
なぁ、喜多よ。あんたさぁ........ひとりちゃんがもっと腹黒やったらTwitterの裏垢で陰口叩かれる側やで。それ自覚せずに良かれと思ってやってんのがムカつく。好みの問題やから申し訳ないけど、僕は無理でした。
続いて山田リョウ先輩。恐らくひとりちゃん達の年上っすね。
無口青髪ショート系女子は嫌いじゃないっすよ。綾波レイ大好きなんで。そんでも彼女の事は嫌いです。ガチクズなんで。
まぁ一言で言うと、金にがめつすぎますよね。実家が比較的裕福で小遣いが多いのに、楽器の費用につぎ込むから金欠。バンド費用を維持するのに精いっぱいな他3人がお金持ってることを良い事に、ひとりちゃんに食費を払わせたり、他の人にも平然と楽器を買わせようとして誘導したりする。そして、当の本人は金を返そうとしない。
ひとりちゃんが良いおっ〇いをお持ちである事を良い事に、服を脱がせて弾き語らせて再生数伸ばそうとしたりさ。もう"リョウさん"とかいう大層な敬称使わずに、"銭ゲバ"って呼んでもええレベルですよ。
悪いけど彼女達は、純粋無垢な女の子たちがゆるふわしまくるきらら系アニメに出すべきキャラではないと思いました。
そう考えるとなお一層、虹夏ちゃんがまともで可愛く思えるようになった。まぁこんな不安要素はあるけど、作品自体の印象はそんな悪くなかったっすよ。2期やらんで良いと思う位には最終回まで上手に駆け抜けてたんじゃないすか。