ゼクショーのアニメブログ

主に深夜アニメ30分枠のレビューをしていきます。毎週金曜日20:30更新!!※2023年4月以降から第2金曜日の20:30に更新予定※

うたわれるもの 二人の白皇 "魂"の総評

※この記事は第1作目の『うたわれるもの』、及びその続編の『うたわれるもの 偽りの仮面』を視聴している事を前提として書いています。未視聴の方はブラウザバックする事を推奨いたします※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・前回の記事はこちら↓↓↓

 

 

 

 

xexiow06375.hatenablog.jp

 

 

 

 

・放送開始前から滾りまくってる思いを綴りました↓↓↓

 

 

 

 

xexiow06375.hatenablog.jp

 

 

 

 

 皆さん、こんばんは。

 

 

 

 

 はじめましての方は、はじめまして。現役大学生のゼクショーです。

 

 

 

 

 今年もいよいよ明日で終わり。年内ラストのレビュー記事となる今回は、僕が今期で一番好きな作品で締めくくろうと思います。

 

 

 

 

 『うたわれるもの 二人の白皇』になります。

 

 

 

 

タイトルロゴとキービジュアル ※「dアニメストア」配信ページより引用※



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~作品概要~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2002年からPCエロゲメーカーアクアプラスより展開中の、『うたわれるもの』三部作のトリを飾る同名のゲームが原作。制作はOLM時代に無印版『うたわれるもの』を制作した制作陣が後に独立して、『Re:ゼロから始める異世界生活』や『Steins;Gate』のアニメ化を手掛け着々と評判や実績を上げてきたWHITE FOXが担当。

 

 

 

 

 前作『偽りの仮面』の最後の戦いでオシュトルが討ち死にし、仮面の力を受け継いだハク。「ハクは死んだ」。一生の友である彼に成り代わる形で生きる事を決意する。散り散りになった仲間たちと共に、ヤマトの乱世を終わらせる為に奮闘していくストーリーになっています。

 

 

 

 

 ソシャゲの市場拡大やゲームジャンルの多岐化などにより、次々と縮小していると言われる昨今のエロゲ業界。10年以上前では一定数放送されてた新作エロゲ枠も、今では1年に1、2作品放送されるかどうかの頻度でしか見れない。

 

 

 

 

 主演声優が亡くなって間もなくコロナが流行って、クオン役の種崎さんの闘病生活やアルルゥ役の沢城さんの産休もあって。色々な出来事を経て原作発売から5年。

 

 

 

 

 今年で20年の歴史を持つこの超大作を、そんな状況下でも放送してみせた。その気概や覚悟が、熱量が、このアニメを構成する全ての要素からひしひしと伝わってくる。

 見ていてただ楽しかったとかそんな次元じゃない。僕が感じてきたここ12か月分の生きがいは、全てこの作品の為にあったんじゃないかって思う位には絶頂しました。

 

 

 

 Z世代のオタク共の中にはいるでしょう。エロゲなんて今のトレンドじゃねぇ。エロゲなんて何見て良いのか分かんねぇ、そもそも興味がねぇだとか。

 じゃあこれ見ろよと。昨今のアニメの映像進化に負けず劣らずのアニメーション技術があるし、熱い魅力にあふれたこの作品を存分に語りつくしてやろうじゃないか。

 

 

 

 

 よくTwitterのお勧めエロゲアニメ〇〇選の一覧でよく名前を挙げられる、『CLANNAD』と『AIR』。面白さの差は人それぞれだから別として、歴史の大きさでいくならそれらに匹敵するレベルだと思ってますよ。前置き長くなったけど、こっからは気持ち入れて語らせてもらいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①オシュトルと今は亡き主演の奇跡の親和性

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第1話からこの作品の本気度は違う。新しく売り出す事に必死な他の作品との積み重ねの量が。

 よく知名度に乏しいのに高評価がついてる作品って「もっと売れるべきだ」とか、「オタクが守らなくちゃいけないんだ」とか一部の視聴者が騒ぐもんだけど..........。この作品は間違いなくオタクが守るべき作品の1つじゃないですか?

 

 

 

 

 『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし役を始め、形式を問わず数々のアニメに出演してきた藤原さん。気さく過ぎるとも自由人過ぎるともとれない独特のアフレコで、数々のアニメファンを虜にしてきた。その代役は利根健太朗さん。相当なプレッシャーがあっただろうに、本当に難しい決断をなされてそれに見事に応えてくれた。あの独特の声色が醸し出す雰囲気に、見事なまでに寄せている彼の度量に感服する他ない。

 

 

 

 

 本編でも回想などで出てくるオシュトルハクウコンをやってる時のいかついアフレコと、本来の義理堅くクールなアフレコ。そして時折出てくるハクの飄々としたアフレコ。全てに喋りの抑揚と細かな息遣いに違いが生まれていて、もう黙って聴いてると二人二役やってるようにしか思えないんですよね。素晴らし過ぎる。

 

 

 

 

 書庫で溜まってた書物片づけるシーンで出てくる些細なアフレコも、藤原さん蘇ったんじゃないかってレベルで聴き入ってしまった。

 

 

 

 

 こんな粋な演出もある。仲間たちがオシュトルの死を聞かされ、それを惜しむキャラの会話を取り入れた後に最後に流すEDが「エド」と。『偽りの仮面』原作版のOPですね。

 

 

 

 

 原作の『二人の白皇』出た当時は藤原さんはご存命で、オシュトルに成り代わるようにアフレコされてる。

 これって、アニメ本編とは逆になる構図を強調してるんですよね。意地でもこのスタンスで行くという強い意思を嚙みしめながら、改めて藤原さんの死を惜しむ計らいが取られてるように感じてしまった。

 感情論かもしれないし、憶測のこじつけかもしれないけど......作品の制作背景を知れば知る程、本当に涙が止まんなかった。次の日まで全く寝れなかった。

 

 

 

 

 そして2クール目。明確にハクがオシュトルだと気づいたのが、ここまであんま掘り下げられなかった母親なのが良い。「彼の最期は立派でしたか」って一言で、また泣かされてしまった。オシュトルを指してる言葉だって分かってるけど、ここでもあの熱すぎる計らいを感じられるなんて.......。マジ最高でした。

 

 

 

 

 勿論、この他にも本当に本当に素晴らしい所ありますよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②変わらない大切さと、完璧過ぎるファンサ要素

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この手の長く続いてる作品って、時間が経てば経つ程そこまでついてきてるファン前提の作りになって面白さのキレが落ちがちなんすよ。

 今期でも、ゲームのネタバレ見ることを前提に作ったような『マブラヴ オルタネイティヴ』、尸魂界篇で評判得て引き伸ばしルートに入った『BLEACH』.....そういう意味で不甲斐ないと感じる続編をいくつか拝見しましたね。

 

 

 

 

 しかしながらこの作品にはそれがない。アニメ化から15年以上経った今でも、そのキレの鋭さを研ぎ続けてるというか。この作品を観る為に旧作を50話以上追ってきたファンの気持ちに、100%応える根性が凄まじい。

 

 

 

 

 本当に1人1人のキャラを丁寧に丁寧に掘り下げて、後半の熱い展開に自然と入らせてくれるというか。『偽りの仮面』は1クール目はほんわか日常回ばっかやってたけど、戦いの部分が描かれるとやっぱりこの作品って"らしく"なるんですよね。

 

 

 

 

 1期っていうのは、後半のSFルートが奇抜過ぎて面白かったんじゃなくて、戦時中の情景を絡めながらのキャラの掘り下げや緻密な展開の積み重ねに魅力が詰まってると思ってて。

 オボロクロウベナウィ.......という風に仲間が増えてくテンポ感もそうだし、戦う時の掛け合いでアガレた所があるから。ちなみに、カルラ姉さんの自由人っぷりが好きでしたけどね。

 

 

 

 

 『偽りの仮面』だと種族の内情が比較的曖昧だったノスリアトゥイを、家族事情を含めて掘り下げる所はそのテンポ感が健在だなと思ったし。特にこの2人の株が個人的には大きく上がりましたね。

 

 

 

 

 ノスリ回とかはオシュトルに彼女がおんぶされるシチュエーションも描いて頂いて、エロゲ物らしいシチュエーションを感じましたよ。前回にも増してアトゥイは戦闘サイコパス化してるけど、ええおっ〇い揺らしながら槍ぶん回す場面が増えたと思えば、むしろご飯何倍も進むに越したことはない。

 長が言うてた『形だけではなく、志をもって長になれ』って一言は、この作品を象る言葉だなって思ってて特に印象に残ってますね。

 

 

 

 

 そして後半クールではルルティエの精神的な成長も熱く描いて頂いて。逞しかったっす。

 

 

 

 

 あと、オシュトル(ハク)に喝を入れるようなカヅチの立ち回り方も良かったっすね。単なる敵キャラとして描いてヘイトを集めるんじゃなくて、最後の最後までカッコ良かったなぁ.........ライコウ様の野望の背景の描写も良かったし、シチーリアとの絡みはうるっとくるものがありましたね。まぁファンの間でサブヒロイン扱いされてるマロロの下りは引き伸ばし過ぎや思うたけど、オチ含めてこの作品らしい優しさが詰まってたと思いますよ。

 

 

 

 

 1話から後半の展開に至るまで、ネコネをずっと病ませる所も非常に良いしね。可愛いだけじゃなく、本当に賢くて良い子。皆にオシュトルハクだと悟られないように、必死になってその場で最適な行動をとる。私が兄さまを死なせてしまった、私がハククオンが真っ当に生きられる時間を奪ってしまったんだ.......色々と深い負い目を負って、溜め込んでしまう体質だと。そこを上手に振りに使ってクオンとの感動の再会に繋げたのは見事でしたね。あと何回泣かされれば良いのだろうか。

 

 

 

 

 僕はアニメをより深く楽しみたいから、あんま個人的な感情に振り回されたくないんだけども......もう我慢できなかったっすね。

 

 

 

 

 クオンハクとの恋愛描写も発展してて良かったかな。時折出てくるクオンがハクを尻尾で掴んで叱る所とか可愛かったかな~~~、と。どことなく懐かしい絡みだと思いながらも、元々この作品のルーツがエロゲである意味を感じられました。

 

 

 

 

 1期のキャラクターも本当に絶妙な所で出してくれるでしょう?

 クオンエルルゥの謎の親子感はエモいし。小山力也さんもマジでありがとうって気持ちしかないですし、カミュ釘宮理恵さんのアフレコもバチクソ可愛かったし。観光大使なんて大層な事やってても、与えられた仕事放棄してバックレる所も相変わらずだったしね。

 

 

 

 

 カルラトーカ姉さんも、これまた絶妙なタイミングで出てきてくれたしね。どの方も主演級を張れるレベルの実力者が脇を固めてて、改めて声優陣の層の厚さを感じますよ。

 

 

 

 

 ここまでほぼ全曲歌われてるSuaraさんの曲も、相変わらずはずれがない。「不安定な神様」からの「人なんだ」。散り散りになった希望の光を集めながら、神という指標に頼らに自分の脚で踏み出していく感じ.......テーマに合いすぎている。26回分一切飛ばさなかった。PC版OPの「星灯」を流さずに、わざわざ作り直してきてあの完成度はえげつないですよ。7話の歌詞になぞらえてED流す魅せ方も、曲のクオリティも含めてそん色なかったし。

 

 

 

 

 挿入歌流すタイミングも完璧。『SHAMAN KING』で葉君がシャーマンファイトの出場権を得る回で「Over Soul」を流した時みたいな、ああいうファンサを熟知してる。「キミガタメ」流して感動確定演出やったり、ミカヅチ戦で2期の曲を流す所もそうだし、最終回にはムックルアルルゥ乗せて駆け出した所で、1期の伝説のOPが流れる瞬間とか絶頂ものでしたよ。

 

 

 

 

 改めて制作関係者の方々、全28話本当にお疲れ様でした。エロゲ大手はkeyみたいなところがオタクの中の風潮ではあるけど、僕は今アクアプラスのゲームの方が抜群にやりたい気分になってますね。「ヘヴンバーンズレッド」より「うたわれるもの ロスト・フラグ」に金貢ぎたい。『ティアーズ・トゥ・ティアラ』も、『WHITE ALBUM』も死ぬほど観たい。これからもどうぞよろしくお願いします。

 

 

 

 

 いつもよりも長文になってしまったけど、ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。来年もブログ更新頑張っていこうと思うので、宜しくお願いします。