ゼクショーのアニメブログ

主に深夜アニメ30分枠のレビューをしていきます。毎週金曜日20:30更新!!※2023年4月以降から第2金曜日の20:30に更新予定※

クズの本懐 総評

前回の記事はこちら↓↓↓

 

 

 

 

xexiow06375.hatenablog.jp

 

 

 

 

 皆さん、こんばんは。現役就活生のゼクショーと言います。

 

 

 

 

 就活の為に更新スケジュールを月1に変更してから、初めての更新ですね。新作アニメ観れる余裕は何とか作ってますが、それなりに忙しい。ちなみに、3社ほど書類選考を通過して次は一次面接前の筆記試験に臨む所です。

 

 

 

 

 社会人の方は就職あるいは転職やら学生さんは進級やらと、色々な方が新生活を迎えられる4月。こんな時期にはラブコメを見て、青春の空気に浸りたくなりますよね。

 

 

 

 

 まぁ僕はシリアスドロドロな作品が好きな変人なので、真っ当な青春作品ではないけども先日ABEMAで観返してきました。

 

 

 

 

 2017年1月放送の『クズの本懐』を語らせて頂きます。

 

 

 

 

 

タイトルロゴとキービジュアル ※「ABEMA」配信ページより引用※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~作品概要~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『月刊ビッグガンガン』にて連載され、TVドラマ化もされた恋愛漫画が原作。『ようこそ実力至上主義の教室へ』等を手掛けたLercheがアニメーション制作を担当。

 

 

 

 

 主人公は、理想のカップルを演じる美男美女の二人。彼らのガチ恋相手は他にいて、そのガチ恋相手も距離を詰めていてと.......2人は複雑な人間関係に苦しみ合いながら、それぞれの恋路に向き合っていくストーリーになっています。

 

 

 

 

 あのですね...........アニメ化された漫画をむやみやたらに収集しない僕が、原作も紙と電子書籍版をわざわざ買い揃えてしまう位好きで好きで仕方がないんですよ。金の無駄遣いしてるとか一切思わない位、たまらんのよ。

 

 

 

 

 クオリティも勿論高いですが、とにかくキャラのシナリオ的な動きが魅力的な作品だと思いますのでそれに重きを置いてこの後語っていこうかなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本題

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ポケモンに例えるなら、ベトベターの身体っぽい白濁液を男女が舐め合う様なドロドロギスギス感が味わえます。『School Days』と『恋と噓』をミックスさせたような感じといいますか。

 

 

 

 

 主人公の男女、粟屋麦安楽岡花火。2人きりになれば、互いに本性をさらけ出す。(特に花火ちゃんは)普通の人間関係にもある種冷め切ってる所があって、好きでもない相手から告られた時に「人に向けられる行為ほど気持ち悪いものってないでしょう?」と堂々と言ってしまうレベル。本音や愚痴を言い合うその掛け合いも中々刺々しくて、僕的には気持ち良かった。

 

 

 

 

 そんな2人がガチ恋している相手というのが、絶対に異性として見て振り向いてくれない様な相手なんですよね。

 

 

 

 

 普段は真面目で真摯に接する癖に異性に鈍感すぎる凡人と、清楚な見た目の癖に乱れた性的なモラルで男を蹴落とす事を楽しむクソ女。この関係性の深さもすごい歪で良いんですけど、それでも10代の彼等と比べて明らかに大人の立場にある。自分が自分でいられる為に満たされない欲を満たす。そこに忠実で快感を覚えるエゴの強さが10代の彼らより際立つんですよね。どちらも花火たちの高校の先生だから、相手をよく見れる優しさが詰まってる人に見えて実際はどうしようもない位に我が儘なクズ。

 

 

 

 

 良い意味では達観的で、悪い意味では捻くれてる2人。そんな2人がいざ憧れの人の面と向かう時、それぞれ違う形で価値観の違いを対比でしっかり魅せて、幾度も好意をはぐらかされて踏みにじられる現実のドぎつさが強調される。やがて「相手の目に映る自分」のイメージや、「自分の価値」すらも否定するように心に靄がかかる。その不安を言葉や身体でしか傷をなめ合えない行動に、2人の不器用さが色濃くにじみ出る。他人から向けられる好意を無下にしてきた非情さが、カウンターパンチで襲いかかる皮肉。

 

 

 

 

 空気を読めと言われようとプライドが傷つけられようと、それでも相手が欲しい。欲しくて欲しくて仕方がない。形は違えど結局向き合う事を諦め切れない純粋な意地っ張りが何ともクソガキらしくて、最高に可愛くてカッコ良くて溜まらん訳ですよ。汚い大人たちよりも、ある意味一番真っすぐに感じられるから。

 

 

 

 

 そんな2人に何故自然に感情移入できたかというと、女性作家さんの強さをしっかり感じたからなんですよね。まぁ僕は元々キャラの心の曇りをシャープに描いてくる原作者さんの絵が大好きで、それを存分に活かした制作陣も素晴らしいけども結局一番凄いのは原作そのもので。

 

 

 

 

 特に女性の価値観の描かれ方がミソ。よく男性作者が描く王道ラブコメは、メインでお付き合いする女の子に、男しか思わない気色悪い望みに応えてくれるような台詞を言わせがちな所がある。その勢いのまま結ばれる流れは綺麗事が過ぎると感じてしまう僕は、不都合さを感じてイマイチ刺さりにくい。

 

 

 

 

 しかしながらこの作品に出てくる女の子は、花火ちゃん含めて男性の価値観に全く合わせないんですよ。女の子は本来こうあるべきだって事を繊細に示してくれるので、リアリティがあって最高なんですよね。見返す度に思うけど、キャラの行動も1人1人が腹黒いし打算的に動くしね。惜しげもなく醜い部分をさらけ出してる会話劇が攻めてるし、文学的でもあって好きなんですよ。

 

 

 

 

 そんな憧れの人とは対になるように、花火ちゃんや麦くんの事が好きな友達もサブキャラとして良い味が出ている。2人の心をもっと抉ってくるし。とにかく観て欲しいので深いネタバレはしませんが、特に戸松遥さん演じるえっちゃんの病み方がマジ良いっすよねぇ........

 

 

 

 

 昨年ネットで話題を呼んだオリジナルアニメ『リコリス・リコイル』の主演を務めた安済知佳さんが、花火ちゃんを演じられています。面倒なトリセツ付けられそうな彼女の感情の機微を見事に演じ分けられていたと思います。主演になる事自体も貴重ですし出演数が少ないだけに、もっと評価されるべきだと思いましたよ。

 

 

 

 

 あとは歌ってみた動画で大活躍の96猫さんが歌うOPの『嘘の火花』、酸欠少女さユりさんが歌うEDの『平行線』も見事に作品にマッチしてて素晴らしいです。今回この記事書いてる時も作業用に流してました。

 

 

 

 

 ごく普通の恋路を辿れないクズたちが、曲がりなりにもクズを為してクズの本懐を遂げられるのか。その結末を敢えてここでは話しません。序盤は比較的ぶっ飛んでて奇抜な作品だと思われるかもしれないが、中盤終盤にかけて地道に盛り上げ所を作ってそれに応えるような落とし所で締めていく。ハッピーエンドかバットエンドに関わらずシナリオの運び方が綺麗なので、終わってみてしっかり気持ちが晴れる様な作品だと思います。

 

 

 

 

 キャラも曲者揃いですし、少し過激なセッ〇ス描写もあるので人を確実に選ぶタイプの作品かもしれない。

 それぞれの希望や夢、互いに不都合な部分を知って初めて本当の信頼が生まれる。その心情変化こそ一番生々しくて美しいと僕は思っているので、ぶっ刺さりまくりました。エロ描写に比較的寛容で、ご都合主義的な恋愛が苦手な方は見て得するのではないでしょうか。

 

 

 

 

 4月14日20時30分現在、ABEMAにて全話無料一挙配信されているのでこれを機にぜひ観て頂きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

視聴はコチラから▽▽▽

 

 

 

 

https://abema.tv/video/title/19-164

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 来月は5月12日の20:30にまた更新しようと思います。それではまた来月お会いしましょう。