ローゼンメイデン(2004年版) 感想
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皆さん、こんばんは。
はじめましての方は、はじめまして。現役大学生のゼクショーです。
かれこれ色々とアニメを観続けて、5年くらいが経ちます。
僕自身は気分屋な性格なもんで、一日に10本以上もアニメ観てる人程、消化率は良くないと思ってる。モチベーションが乗らなくて1本も観ないことも普通にあります。
観ている作品数はまだまだ少ないと自負しているし、増やしたい願望はある。まあその中でも、好きで好きで仕方がなくて、語りたい作品も沢山ある。でもタイミングってのがありますから、中々書けんものがあった。
僕が今までこのブログで触れてきたものだって、半分くらいは好きな作品ではないし。
それでも今回は、僕のオタクとしての象徴でもある作品についてご紹介させて頂きます。
今週にその原作が連載から20年が経過したとのことなので、このタイミングが丁度良いかなと。
2004年に放送された、「ローゼンメイデン」になります。
~作品概要~
原作は「月刊コミックバーズ」、後に移籍して「週刊ヤングジャンプ」で連載されたコミックになります。
人語を解し、独立心を持った7体のアンティークドールの少女たちが、その各々の願いを叶えるために争い合い、その戦いに引きこもりの主人公のジュンが巻き込まれていくという物語になっています。
原作は物語的に大きく3つに区分けされており、今回のアニメ版はその第1章の範囲に該当します。途中で独自の展開で進んでいきますが、体裁は保っているのでご心配はいりません。
その続編となる完全アニオリの「トロイメント」や、それとは別に原作準拠で第2章の範囲でスタートした2013年版「ローゼンメイデン」が存在しています。僕的にこの2作品は、別に観て頂かなくても結構です。
未だにカルト的人気が根付いている、フィギュアや人形、コスプレといったロリータファッションの文化。
その火付け役とも言われるこの作品が、いかに素晴らしいのかを語っていこうと思います。観ていない方も少なくないと思いますので、ネタバレはせずに軽~くいきます。またそのうえで、続編を見なくても良い理由についても、余談として少しお話したいと思います。
~本題~
①ドール達が華を添える、神秘的な雰囲気
アリスゲームという、ドール同士の殺し合いが本筋の作品。不本意ながらもそれに巻き込まれた、精神的に未熟な癖に妙にプライドの高いジュンが、彼の彼女たちの出会いを通して成長していく描写の過程も、王道ではあるけども非常に熱いものがあって面白い............確かに面白いんだけども、真に着目すべきところはそこじゃないと断言しよう。
僕はそれらのパート以上に惹かれていたものがあって、そのドール達がまるで生きているかのように思考し、行動しているアニメーションとシナリオがとにかく最高なんですよね。
彼女たちは人間のように食欲や、睡眠欲等の本能的な欲求や、何かとぶつかって痛がったりする等の五感が存在している。そのうえわがままな性格な子が多いです。
その気になれば親しいドール同士が集まって、ジュンの家にて彼の要望を飲み込まずにお茶会を開こうとしたりだとか、不器用な彼をからかったりする場面はワチャワチャ感があって、見ていて楽しいです。
反対に、アリスゲームが進んでいく中で、彼女たちがジュンや我々に見せてくれる心の闇の部分だとか、直せないほどに壊れ切ったジャンク人形を見て哀れに思う場面とかも用意されていて、人間である我々の心をも締め付けてくるものがある。
勿論、人間の生活については世間知らずな所はあるが、貴族のような気品さと、無理に強がっている反骨精神の中に垣間見える弱さの部分はしっかりと描写されている。
この展開っていうのが、人工的に作られたドール感が全くなくて、現実的に考えても理解できない、ロジカルに起こったものではない感じだからこそ、物凄く神秘的で面白く感じるんですよ。
ドールたちの登場の仕方も、ドールの持ち主となる人たちが何らかの方法で「まきますか?まきませんか?」の質問を受ける場面があって、それにイェスと答えれば、突然ドールが入ったショーケースが現れる。このままでは人形同然で動かないから、専用のゼンマイを取りつけてそれを巻くことによって精霊のようなものが宿り、動き出す。
この現象が異世界ではなく現実世界で起こっているからこそ、平凡な子供が御伽話の世界に突然迷い込んだかのようなメルヘンっぷり全開の設定が映えているのかも。
これが異世界だと何でもし放題だし、アニメ的に飛躍した展開起こることなんか分かり切ってるからつまらないわけです。
このドールたちがどうやって作られたのか、なんでこういう出来なのか。そのメカニズムは一切分かんないんだけど、すっごい臨場感があって、自然とその世界観に入っていけるんです。控えめにいって最高ですよ~~~!!!
②ドール達の驚異的な可愛さ
もう1つ僕が好きなポイントを話すのであれば、ドール達の萌えっぷりがえげつねえってこと。
なにかしらのグッズ買って、その姿を手元に置いて拝みたくなるくらい可愛いもんね。地味にフィギュア欲しいけど金欠気味なんで、僕は漫画しか買っておりませんが。
ドールのうちの1体で、先ほど出てきたキービジュアルの中に描かれている、金髪で赤いロリータ服を着た真紅。この作品のメインヒロイン枠である彼女を例に挙げましょう。
ジュンが彼女のゼンマイを巻いて立ち上がった瞬間から、開口一番彼を奴隷扱いしてくる。ジュンが彼女をからかったり不機嫌な態度をとったりすると、見せしめとして彼の体を蹴り上げたり、からかったりする。規律を重んじていてまるで大人びた貴族のように振る舞うんだけど、彼の要求は自分の利益じゃなければ基本的には呑まない高飛車な性格です。人間と比べて圧倒的に小さい人形の姿をしてるのにも関わらず、ね。
そんな彼女だが、作中で放送されている架空の子供向け番組を見て、我を忘れる程テンション上がったり、ごく稀に世間知らずな一面を晒してドジを踏んだりする一面がある。これがね~~~~、クソ可愛いくて愛せるんですよね。
ラブコメでも、高飛車な風紀委員長的なキャラクターが意図せずにラッキースケベをかましたり、意図せず主人公におちょくられてクッソ照れたりしちゃうときって、クッソ可愛いって思うもんじゃないですか。それと一緒なんです。
他にも、可愛いキャラクターばかりですよ。
日本全国のロリコン共は、雛苺の無邪気にはしゃぐ幼児のような守ってあげたくなる可愛さを嗜むのも良し。
ボーイッシュ風なキャラが好きな人は、蒼星石のクールな優しさに心打たれるのも良し。
しかし、それでも............それでも僕はっ!「~ですぅ」が口癖の、翠星石を推していきたいのですぅ!
腹黒な女はうざいし気持ち悪いし、あんなのがいると生きた心地がしない。そんなチビ人間どもは、おとといきやがれです!(唐突ななりきり)
僕も腹黒すぎる女は嫌いですぅが、翠星石はその腹黒な振る舞いを、不器用なりにしているというのがちゃんと弱さを出していて最高に愛せる。
ドールの中だと、儚げさの中に可憐な少女っぽさが残っている見た目も好きなのだが、所々人間不信で、臆病なところがあるのが良い。暗い所に行ったり奇妙な音がなったりすると普通に怖がったりするし。心を許した相手ほどとにかく口減らなくなるし、悪戯されると子供っぽい反抗をしたりするのも最高です。
その性格も相まって、真紅とはまた違った意味でジュンや我々視聴者をかき回してくれますから、観ていない方はぜひそこのところもお楽しみください。
ドール達がかき回してくれる、日常会話をとくとご覧あれってね。
~余談~
あと最後に。
冒頭の作品概要の話題の方で、他の2作品は別に観なくて良いというお話をさせて頂いてたと思います。
理由は簡単に言えば、この作品の強さがあまり出てこないっていうのがあるからですね。原作勢を含めたファンがこぞって楽しむ同窓会のような意味合いが強い。
「トロイメント」は強みだった日常会話の良さをかき消すように、戦いの部分の方を優先している。
2013年版は原作準拠であるのにも関わらず、前振りとなる第1章の部分をかなりすっ飛ばしているので作品全体の内容が整理しにくいうえに、キャラクターに感情移入がしづらいんですね。あの作品に出てくる真紅は、あまり可愛さが出てないし。
「トロイメント」は最悪1期が好きになったら一度は目を通してみる程度で観て頂くのは良いかもしれんけど、2013年版の方は、まあ原作を1巻から読みつつ、楽しんでいただくしかないのかなと思いますね。