ランウェイで笑って プロのファッション業界を突き進む2人の、夢の逆境を乗り越える王道人情劇。
前回の記事はこちら↓ ↓ ↓
皆さん、こんばんは。
はじめましての方は、はじめまして。ゼクショーです。
現役大学生です。先週受けてたテストが終わり、大学にも行くことがなくて、テスト期間中に観れなくて溜まっていた冬アニメを色々と観ておりました。
オミクロン株の拡大は急激に進み、ついに今週、東京でついに五桁台の感染者数を記録しましたが、うちの地元でも過去最高の感染者数を越えまして、学生クラスターが増え出してます。うちの大学でもここ1週間で10人くらい感染者が出ました。今日も1人くらい出てます。
最近の記事の前置きで、本当にこういう話しかしてませんが。引き続き、皆さんしっかりと消毒とマスクをして、自己防衛の意識を強く持ってください。
さて、本題に移りましょう。
今回はガチで面白い作品を持ってきてます。
2020年冬アニメ、「ランウェイで笑って」です。
原作は去年まで「週刊少年マガジン」にて連載されていた、少年漫画になります。
制作はEzo'la。制作会社ディオメディアと同じ系列上の制作会社だそうで。そちらは同じマガジン系列だと「アホガール」などを手掛けていますね。
2000年代は「はじめの一歩」などのアニメ化があったと何作品かあったと思うのですが2010年代にはいると、人気作品があまり出にくくなった影響からか、マガジン作品のアニメ化自体が減っています。その中でも数百万部を売り上げたという実績を引っ下げて2020年代で最初にアニメ化したマガジン作品が、この作品になります。
僕自体、この作品は非常に好きな作品で、普段はこんなことしないのですが、アニメ化する前の高校時代から、原作を読んでいました。いそがしくて、まだ最終回までは読めてませんが、アニメ化された範囲までは一応読んでいるつもりです。
ストロングポイントはしっかりとある作品ですし、その突き詰め方というのもアニメで十二分に見られたと思います。
原作でのストロングポイントがこのアニメでどう発揮されたのか、いちファンである僕がこれから語っていこうと思います。
0. あらすじ
身長158cmの藤戸千雪の夢は、パリコレモデル。
モデルとして致命的な低身長を理由に、周囲は「諦めろ」と言うが、それでも折れない。
そんなとき、家族を養うためにファッションデザイナーの夢を諦めようとする都村育人に出会う。
――これは一途に夢を追って走り続ける、2人の物語。
※アニメ版「ランウェイで笑って」公式サイト - 「INTRODUCTION」部分より引用※
1. シナリオ面
冒頭でガチで面白いと豪語していたブロガーの台詞ではないと思いますが、ぶっちゃけ賛否が分かれる作品だと思います。
あらすじでも示してある、都村育人と藤戸千雪。この二人のどちらを主軸として見るかで、観方が大きく変わってくるからです。特にヒロインの千雪さんのキャラクター性が苦手だという意見も少なからず見受けられます。
僕は原作の話を抜きにして、このアニメだと千雪さんがあくまでも主人公らしい魅せ方をしていると思いますので、そういう考えのうえで話を進めていきたいと思います。勿論、育人くん目線で良かったところもお話しします。
このアニメ、原作でもそうなんですが、良い所が本当にいっぱいあって一概に語りきれないので、まずはそん中で特に良かったと思ったところをピックアップして語っていきたい。
~良かった所~
①主要キャラに容赦なく厳しいプロフェッショナリズムの闇を突き付ける魅せ方
大前提として言っておきますが。
そもそもこのアニメというのは、話の題材としてはファッションを取り扱ってはいるのだけれども、そのファッションの専門的な部分を視聴者に多く見せてくれるというよりかは、どちらかというとファッションのプロ業界の厳しい現実、最高のものを仕上げていくうえで生ぬるいものではない多くの課題を、そのドきつさをキャラクターを通して視聴者に突き刺しつつ、それを乗り越えて上へと成り上がっていくそんなストーリーになっているんですよね。
こういう系統のサクセスストーリーっていうのは、冒頭の部分でどれだけ主要キャラクターの立場だったり、台詞だったりで、どれだけドきついものなのかを魅せることが重要になってくる。
ランウェイで笑っては、この取っ掛かりを作る過程と、その先を魅せる過程がなかなかドきついものがあって面白いんですよね。
設定からすでに面白くて。
まずは、千雪さん目線の話から。
あらすじでも述べた通り、彼女はファッションモデルとしての
パリコレモデルの基準とされる身長まで、10cm以上も足りない千雪さん。元々所属していたファッションモデル事務所の社長をしている実の父親から、その件で才能がないと言われるも、パリコレモデルの夢を諦めきれず、別の事務所の面接にて、パリコレモデルが着るファッションを身にまとって登場する。高いヒールを履いて。
その面接官からも同じことを言われる。
「ファッションは、あなたを魅せる為にあるわけじゃない。服を魅せるもの。その恵まれない身長でどうとでもなるものではない、諦めて」
服が似合うだけではいけない。その身長とスタイルはファッションの圧倒的存在感を魅せるための一番の肝であり、魅力的に見せる以前のお話であると。千雪さんは身長を誤魔化すために、無理して高いヒールを履いていた。だけど、それすらも醜いものなのだと言われてしまった。この現実を突きつける面接官の台詞も非常に良くて、面白い。
身長は一度止まってしまえば、それ以降伸びることはない。タンパク質やカルシウムをただひたすらに取っているだけで伸びるものではないし、どっかの横スクロールアクションゲームみたいに体を巨大化させるキノコとって、身長を伸ばすなんていうファンタジーなことは起こったりしない。努力ではどうとでもならない。これがファッション業界という題材によって、きちんと切ない魅せ方になっていて良かった。
続いては、育人くんの視点での話をしましょう。
育人くんは、家庭があまりお金を持っていない所謂貧乏人です。
服を作ることが好きで、その熱量は人一倍凄まじいものがある。ただ奥手な性格で進路希望の紙でも具体的な職種を書かずに、「就職」と書くほど自分に自信がないという魅せ方があるのは、現代的なキャラクターという感じで良かった。
そんな中でパリコレトップモデルを目指している千雪さんに出会う。そんなもんで本当に良いのかと。本当に好きなら好きなことを生かせる職種につけば良いんじゃないか、なんてことを言われる。
そのあと服を作れる才能を生かして、モデルのオーディションに向かう千雪さんのために服を作るも彼女にとってそぐわないものだったのか「君、どうせファッションデザイナーの夢を諦めるんでしょ?アマチュアが作った服なんか、私着ないから」だと一蹴される。
なんてクソわがままな女なんだと。千雪さんのキャラクター性については後ほど詳しく触れますけども。
温厚だった育人くんはそれにぶち切れて「だったらそこで待ってろ。あんたを納得させる、最高に良いものを作ってやれば良いんだろ」みたいなことを言う。それほど服に対する熱量を持ったキャラクターだと伝わる。
その千雪さんの一言に奮起した育人くんは、一転してファッション業界の服作りの現場でアルバイトをすることを決意。千雪さんの父の事務所に立ち寄って、その知り合いがいる事務所を紹介されます。身長という努力ではどうにもならないネックを背負っている千雪さんと比べると、立場としては(言い方は悪いですが)まだ安泰なところにいる育人くん。それでも彼の前には、想像以上に壮絶なプロの現場が立ちはだかります。
新進気鋭のファッションデザイナー、柳田一の職場。
柳田はスパルタの如きプロフェッショナリズムの塊で、研修員およびスタッフに対して厳しく当たる。作業場の中に入ると、研修員2人がぶっ倒れている。2、3時間くらいのわずかな睡眠時間を与えられていたようで、そんななか、もう時間だぞとたたき起こされる。
この職場を見せるところの始まりから、すでにドきついんだけども、この作品はまだそんなところでは止まらない。
生地を縫う基本の作業をやる育人くん。「生地の裏地を表から見えないように縫ってみろよ」みたいなことを言われ、頼まれる。それがある程度出来上がるとその作っていた服が破り捨てられる。与えられたノルマをクリアできなかったというわけで「裏地に服が見えてちゃいけないだろ、帰りやがれド素人が」という風にボロクソに言われる育人くん。
この場面中に、我々の情に訴えかけてくるような感動的な台詞だとか、演出とかは一切ない。
だからこそこのプロ世界のドきつさがただ純粋に、ただ鋭く、心に突き刺さるんですよね。
クリエイターっていうのは、サラリーマンとかと違って会社という大きなものに守られるのではなく、自分の身一つで、すなわち個の力で命を懸けて戦っていくものなのだと。それを守っていくことこそが当然だよと。
千雪さんとくらべると、努力次第では一流にのし上がることができる分野の仕事ではあるが、そんな生ぬるいもんじゃない。
この視点からも、その究極的な意味での「仕事の流儀」ともいえる描写が垣間見えたことは、プロフェッショナルアニメとしての魅せ方としては十分すぎるものだと思いました。
その経験があったからこそ、育人くんが改めてプロの世界で生きていく選択に至るまでの過程も非常に良かったと思いますし、別の事務所のモデルやファッションデザイナーの同志との掛け合いのシーンも非常に熱いものがあったと思います。千雪さん視点の話も含めてね。
1クールでは収まりきれないような壮大なものになっているので、原作途中の、ある1つの大きな山場ともいえるファッションショーの模様を描いて終わりますが、プロフェッショナル&サクセスストーリーとしてのテーマ性はブレずに貫いていたものでしたし、アニメとしてのオチはつけられていたと思います。
まあとはいえ、クリエイター部分の描写って、ぶっちゃけそんなに出てきません。モデルを引き立てる為の裏方の仕事っていうのもあるかもしれませんが、僕はメインはあくまでモデルだと思っているし、このアニメで着目すべき観点っていうのも、主要キャラクターのモデルとしてのプロ意識とそれを生かした魅せ方をどれだけ熱いものに出来るか、これにかかっていると思っていますので。
次のところからは、そのお話をしたいと思います。
②藤戸千雪のキャラクター性
このアニメのシナリオにおいて、一番華があるキャラクターは誰かと言われれば、千雪さんであると僕は即答します。
先ほどは自分のオーディションのために育人くんが服を作ってくれたという話をしたときに、なんてクソわがままな女などど少々悪口を言ってしまいましたが、この「ランウェイで笑って」が読者、視聴者の間で賛否を起こしているのは、彼女の人間としてのふるまい、その存在の大きさゆえのものだと睨んでいます。
ちなみに僕は千雪さん、非常に良いキャラクターだと思ってます。原作でもそうですが、このアニメの中でも一番好きですよ。
わがままなのは同意しましょう。同時に肝が据わっているとでも言おうか。身長=才能とも言われるファッションモデルの世界で、お前の身長はネックだと、10cm以上も足りないんだぞと何度言われようとも、反骨精神で何が何でもパリコレモデルになりたいんだよと、ここまで大胆に行動を起こしてきた。
彼女の負けず嫌いな、恐れ知らずなその姿勢が、話を追うごとにカッコよく見えてくるんですよね。
柳田の事務所でとある服を、モデルに着せるために彼女を呼ぼうという場面で、そのモデルが遅刻するということで、代わりに千雪さんが呼び出される。
普通の爽やか系アニメであれば、「来てくれてありがとう」といった趣旨の台詞を言って感動で落とし込んでくるものであるが、このアニメはプロフェッショナルアニメ。「あのジジイ、タッパも足りねえネタ枠よこしてんじゃねえよ!」と千雪さんの父、そして何より千雪さんに対してリスペクトの欠片もない一言を発する。
い~~~や、少年漫画で、しかも高校生くらいの女の子に向かって、そこまで言います?
それくらい一切の猶予がないという絶望感溢れる状況なのを表す台詞回しも最高なのだけど、「仕方がないから着せてやるよ。おいチビ、お前、覚悟はできてんだろうなこの野郎。腹括ってこの1着を着ろよ」といった趣旨の台詞で頼む。千雪さんは「はい、やります」と黙って相槌を打ち頭を下げるも、育人が通る横で柳田に聞こえないように発した次の一言がカッコ良い。
「腹なんてとっくに括ってるっつーーーの!!」
冒頭の設定の話を思い出して欲しい。
千雪さんは育人くんと出会ったあの時から、すでにタフだった。低身長=才能ないの烙印を押され続けてくるも、最後まであきらめずに必死に努力してモデルとしてあるべきプライド、あるべきスタイルを仕上げてきていたことが分かるし、それがまたストイック過ぎることも相まって熱いものとして、我々視聴者の心に伝わってくる。実際そのあと採寸を図っている場面でも、腰回りや腹のバランスが良いと褒められる。
いざ、肝心のファッションショー用の服に着替えるというところ。「ブラは着たまんまなんですみません」と、いきなり元々着ていた服を脱ぎ始める。知人である育人くんを前にして、赤面することも一切なく。
「誰も恥ずかしいとは思ってない。モデルっていうのはいちいち着替える時間が惜しいから、本来ならブラもつけずに着替えるものなのよ」と、羞恥心を持つ余裕すら惜しいし、情けないものなんだというところも千雪さんのプロ意識が表れていて、最高なんですよね。
初めてのファッションショーの直前に、緊張しすぎておどおどし始めた育人くんに対して、「あんたが私のために服を作って、ここまで連れてきてくれたんでしょ。しっかりしなさいよ」みたいな台詞を言って喝を入れるところも、彼女の本気度が伺えると同時に、育人くんの未熟さを強調するような魅せ方も良かった。
このあと、長谷川心という身長180cmを越えた、パリコレモデルは安泰だろうと言われた逸材と絡むことになる。
ファッションモデル観の思想の違いなどによって、ファッションショーにて彼女と対立することになります。このアニメの山場となる部分ですし、ネタバレになってしまうんであんまり言いませんが、勝負を通して彼女を認める千雪さんの接し方も、強がってはいるんだけども相手の才能もちゃんと認め合う義理堅い優しさがある台詞があって、カッコ良かったですね。
③秀逸なタイトル回収(ネタバレ注意)
あとは、そうですね。3話のタイトル回収回ですね。僕は原作でもアニメでも一番好きな回でして、かなり決めにいっていた回だと思った。
パリコレモデルがランウェイを歩く映像、テレビやニュースなどで普段ご覧になられてる方はご存じなのかもしれませんが、CamCamなどの雑誌モデルと違って、パリコレモデルっていうのは「服」が主役なのだからランウェイを歩いているときは、笑ってはいけない。そして、その服のパフォーマンスを見たいがために集まった観衆たちの目の前で、その服を着たモデルが転んでしまうなんてことは、彼らへのリスペクトに欠けるのだからやってはいけない。
そんくらいシビアな条件下で、どれだけ個性を魅せられるかの勝負になってくる。
作中のファッションモデルがランウェイを歩くときに使われる服のテーマ性というのも、色々な工夫が盛り込まれていて一連のショーとして見ても面白いものもあるんだけども。
プロの技でいろいろと誤魔化しているが、採寸がスケジュール的に間に合わないことから本来縫うべきなのに縫えていない箇所があるというリスクを背負いながら、千雪さんは初めてのランウェイを歩くことになる。
シビアな二つの条件下で歩かなくてはいけないことも、そのうえ自分が他のモデルに比べて圧倒的に劣っているネックな部分があるから、相当プレッシャーがかかる大仕事なのはわかっている。それでも彼女は「転んでしまう」。
育人くんの計らいで転んだ時に裾が降りてくるなどの、服としての工夫にもプロ魂を感じられて良かったんだけれども、そのあと彼女はなんと、「笑う」んですよね。
他の一流のパリコレモデルからすれば、舐めとるんかって思うだろう。これがタブーなことだと知っていて、その千雪さんが観衆の前で見せた光景を目にしていた記者の反応と、僕ら視聴者の反応はほぼ一緒だと思うんすけど、「ランウェイで..........笑った!?」なんですよね。
そんな「ありえないこと」に対して、観衆全員から拍手が起きる。このオチが最高だった。
理想が相手には理解されず「ありえない」ことに挑み、それを否定されてきた千雪さんと育人くん。これからもきっと彼女らはそういうことに挑むたびに否定され続けるだろうが、意思あるところに道は開かれる。
見ず知らずの赤の他人に、友達に、そして家族にさえバカにされるような、そして否定されるような大きな夢を持っている子供たちも少なくないだろう。罵声だなんてお構いなしで良い。時には回り道をしたって良いさ。その夢を一度持ったうえで、最後まで諦めないで貫いて努力することが大切なんだと。
若い時からお前には才能がないと言われ、それで夢を諦めるくらいなら、私(たち)はランウェイで笑ってやるんだと、このタイトル回収が非常に美しかった。
~悪かった所~
かなりハイテンポで展開を進めてしまっていましたね。面白いところだけホップステップジャンプしていって、大筋は分かるし、この作品がどういうところが魅力的に感じるのかは伝わるんだけども、話のぶつ切り感がどうしても出てしまうし、視聴者にキャラクターに感情移入させる時間をあまり与えられなかったようにも思えて、人情アニメとしてそこは明確な短所だなと思いました。
原作からすでにシナリオの量が多い作品ですし、1話に詰め込む展開が多くなっているので、中だるみはあまり感じないっていうことはありますが。
泣けるだろうなって思った展開も、その振りとなり得る部分を省いてしまっているので、あまり泣けなかったっていうのが正直なところです。
千雪さんが初めてランウェイを歩くことになる3話については先ほどお話ししましたが、オチも含めて「ドでかいことしてやったぜ」と言わんばかりの最高に熱い展開なのは伝わるんですけど、どうしてもあのアニメの作りだと、都合の良いように狙って用意した感じがしない訳でもないんですよね。
あの展開っていうのも、ファッションショー本番までの準備機会という描写があってこその感動だと思っているので、せっかく1、2話でプロフェッショナルアニメとしてのドきつさを視聴者に見せたのであれば、そこんとこの部分をもう少し掘り下げられなかったかな~~~っていうところはあります。
柳田から育人くんへの罵声を浴びせる部分も、もう少し掘り下げられたと思いますし。口もクソ悪し人としては最低だけど、プロのクリエイター像として見た時には、凄く良いキャラクターだと思いますしね。
な~~んか、悪い試みはやってないんだけど、勿体ないな~とは思います。
2. 演出面
作画はちょっと怪しかったですね。
キャラデザのややシャープ気味な絵のタッチは上質な雰囲気を醸し出してるし、作風に合ってて悪くはないんだけど、そのキャラクターが着ている服の色彩のグラデーション部分は単調な組み合わせになっていてダサく見えてしまってますし、「ファッション」を題材にしている以上、そこんとこの芸術点がもう少し欲しかったです。
原作を読んでいればそこんとこは尚更違和感を感じるとこで、僕は絵柄が違い過ぎるとまで思っていますが、アニメにはアニメの絵があるし、そこまで大きく減点するところではないのかなと思ってますね。
最終回での千雪さんの変顔シーンとかは、ギャグ部分とはいえど体のデフォルメ部分が少し不自然なように感じました。引いたときに目と口がサイズのバランスがほぼ均等になっていたりとかね。
ただまあ、良い演出もありましたよ。
千雪さんがランウェイを歩くというときに、服に詰め込んだテーマ性と、その個性の強さを生かす土台となるモデルとしてのオーラを強く出すために、ハイヒールを履いて大物のモデル感を出す魅せ方や、去り際の遠近感の構図で低身長であることをひそかに強調する魅せ方が作中でありまして、そこんとこはカッコ良かったと思います。
千雪さんの声優さんである、花守ゆみりさんのアフレコも非常に素晴らしかったですね。
「ゆるキャン△」では、我が推しキャラである、各務原なでしこにスーパー萌えボイスを添えていた方です。「かぐや様は告らせたい」の早坂愛役としてもご存じの方はいらっしゃるのではないでしょうか。
サバサバとしているけども、どこまでも負けず嫌いな性格である彼女のキャラクター性をよく理解されているようで、なんだろうな、ドライにもなりきらずに、高校生くらいの年齢になってわずかに残っている少女の無垢っぽさに振り切りすぎないような絶妙な声を終始キープしていましたし、悔し涙を流すところのアフレコは圧巻の一言だったなと思います。
3. 音楽面
まずは、坂口有望さんが歌うOP曲、「LION」。
楽曲自体が素晴らしい。冒頭の歌詞から非常に良かったと思いますね。
「わたしを笑い飛ばした陰を 風が笑い飛ばす日を待とう 夢見たあの場所まで」
身長がないから才能がないと散々言われ続けてきたこの鬱憤を、パリコレモデルにおいてネックになるこのシビアな立場を追い風に変えて晴らそうと、千雪さんのストイックさをこの冒頭の歌詞から表現している。
いきなり曲が千雪さん目線から始まるから、育人くんはどうしたよとなる方もいらっしゃると思いますが、「『何になりたいの?』 その度『嫌になる』と言った君も踏み出したんだね」という歌詞で、ファッションデザイナーの夢を諦めかけていた育人くんの描写も、きちんとされています。けれども、あくまでメインは千雪さんがファッションモデルをただひたすらに目指すストーリーの雰囲気や、心情を歌ったものになっていましたね。
アップテンポな曲調でしたし、もしこの曲が好きだよという方は、ぜひ通勤通学のBGMに設定してみてはいかがでしょうか。
EDは、韓国出身の人気歌手ジェジュンさんが歌う、「Ray of Light」。
歌声が気持ち悪いだとかそんなことは全く思っていませんが、歌詞的にもなんか僕的にはあまり印象に残るものではなかったので、コメントは控えます。申し訳ありません。
まあ一応、下の方にCDの購入ページを載せときます。
~最後に~
いかがでしたでしょうか。
好きな作品ということもありますので、いつもよりも文量が多くなってしまいました。ひたすら千雪さんの低身長の下りをずっと書いていてしつけえなって思ってしまわれた方もいるかもしれません。
可能な限りネタバレしすぎない範囲で魂を込めて書かせて頂いたつもりなので、参考になったよという声だったりだとか、満足のいくレビューになっていたのであれば、それはそれで幸いです。
僕的には続編出て欲しいな~って思わせるよりかは、面白い所だけをかいつまんだようなものなのだから原作を読まれた方が一番良いだろう、そう思わせるアニメだったんじゃないかなと。まあ、アニメだけ見て頂いて楽しむというのも、十分アリかな~とは思います。
次回の更新についてですが、これまでと同様、金曜日の20時半に新着記事を投稿予定です。過去アニメのレビューにするか、雑記形式にするかは今のところ決めかねてます。
あとこれは余談ですが、下記のアカウントでTwitterをやっております。このブログで語っていない作品についても語ったりしてますので、興味があれば覗いてみて下さい。