ゼクショーのアニメブログ

主に深夜アニメ30分枠のレビューをしていきます。毎週金曜日20:30更新!!※2023年4月以降から第2金曜日の20:30に更新予定※

<ゼクショーの雑記帳④> 時光代理人 - LINK CLICK - 第1話 中国アンチにも体感して欲しい、極上のバタフライ効果と社会的感性。

前回の記事はこちら ↓ ↓ ↓

 


 

 皆さん、こんばんは。ゼクショーです。

 

 

 はじめましての方は、はじめまして。

 

 

 学生をやっておりますが、現在は春休み。感染者数のリバウンドが抑えきれず、バイトに行こうにもめどが立ちません。

 

 

 

 アウトドア系の趣味も特にないですし、課題もないし、黙って家に籠ってアニメを観ているという訳です。(厳密には雪かきをするために外に出ない訳ではないけれども。)あと洋画知識があんまりなかったので、有名どこを適当にチョイスして観始めました。

 

 

 

 映画はアニメ、ドラマと違ってジャンルを固定させないっていう強みがあり、劇場スクリーンでしか味わえない緊迫感とかもあると思うんですが、ノンストップで膨大なシナリオを頭に入れなくてはいけないので、ストーリーが複雑な場合になればなるほど集中力がいる。

 世界史の専門用語も一度には覚えられない派ですから、短期集中を繰り返して、時間をかけて物を覚えるタイプの人間である僕にはなかなかきついこともあり、あまり観てきませんでした。

 

 

 

 まあ観てきたものについては、この記事の一番下にリンクを載せてある、僕のTwitterアカウントで後ほど呟こうかなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それでは、本題にいきましょう。

 

 

 今回は「時光代理人 - LINK CLICK -」の第1話、「エマ」を語らせて頂きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 制作会社は「瀾映画」。この作品を手掛けている監督でもある、李豪凌氏自らが脚本も手掛けています。この名前を聞いて頂いてもお分かりの通り、このアニメ自体が中国で設立された制作会社で、ほとんど中国の資本で、そして中国人の感性が反映された作品になります。

 

 

 

 中国アニメということで話題に上がるのは、日本の作品にもあるような既視感のある要素をオリジナリティをあまり入れずに取り入れたような所謂「パクリ」アニメなんてものがとにかく多い。具体名は挙げないけれども。

 

 

 何か国語も学び、話そうとしている人が日本よりも多いという話が出ているように、中国人の皆さんは、複雑な作業をそつなくこなす人が多いイメージ。日本のアニメ制作会社にも原画マンとして雇われているケースも増えてますし、作画クオリティの進化は目を見張るものがあります。

 

 

 

 ただ、それでもだよ。

 

 僕もここ3、4年くらいの中国原作のアニメは一通り目は通してきたつもりですが、どれもなんかこう、日本の作品では表れないようなリアリティだとか、感性を感じさせるアニメというのが未だかつて見たことないんですよね。言っちゃ悪いけど、そのせいもあるのか、我々アニメ好きからは「中国資本で作られたアニメは、ろくなもんがない」というレッテルすら貼られる流れが起きてます。

 

 

 

 中国アニメの先駆者たちがそうでしたから、後年の中国アニメに対する関心というのは一般的には極端に低くなっている。

 この作品はPVから作画クオリティが高くて、ある程度の期待値はあった。「鬼滅の刃」などを商業的成功作品に導いた功績のある、配給会社「アニプレックス」の名前を引っ提げて、今年満を持して(?)、日本上陸を果たしたわけだから。

 

 

 この作品は何かやってくれるのではないかと期待しました。この負の系譜を変えてくれるのではないかと思っていた。

 

 

 

 この第1話に関しては、日本においてはその負のイメージがつきがちな流れを変えてくれたと言って良いんじゃないですか?

 

 

 「戦争はやってはいけないものだ」ということを学校で教育されているのにも関わらず、他国だからというつまらん理由で人の言葉に耳を傾けず、「日本のために」という名目で掲げている偽善の愛国心をもって、自分の価値観で頑なに中国の思想を排除しようとしている中国アンチの皆さんへ。

 

 

 いちいちあなたたちを批判してるのも時間の無駄だと思うんで、ここではあまり文句は言いません。ただ僕はあの一言を、忘れませんよ。

 

 

 あるときのTwitterの話。「中国資本のアニメはおもんない」ってツイートを見た時に、「時光代理人をもってしてもですか、時光代理人は中国アンチだからこそ刺さるものがあるんじゃないですか」ってある程度理由を示したうえで聞いたら、「中国資本だから、観るからにつまらなそうだし観てない」って返信されたことをね。

 

 

 怒りを感じたというよりかは、悲しい気持ちが強かった。このあと理由ちゃんと話すけど、見てすらいないのに他の中国産アニメと同列に扱っているのは、損でしかない。一貫してその考えを貫こうとしていた方だったからこれ以上の対話は出来ないと判断した。それならその先入観を抱いたまま、一生観なかったことを後悔するがいいとまで思った。

 

 

 これからこの作品を観ようと思っている方も、頼むからその偏見を捨ててくれ。中国は確かに悪い部分も多かったし、今の客観的な中国社会を俯瞰して見たときにろくなもんじゃない。近隣諸国であるこの国に住んでいる我々も、よく分かっているはずだ。それを知っているのなら、いや、それを知っているからこそ、この作品に向き合うべきところはあるん

 

 

 

 

..........じゃあないのか?

 

 

 

 

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 はい。前置きが長くなってしまいましたが、もしこの記事にアクセスしている方がいたら、今回のレビューを読んだうえで、ぜひ観て頂きたい。中国好きの方でも、勿論大歓迎。

 ネタバレを結構含んでいますが、全編ネタバレするというよりかは、良い所をかいつまんで語っていこうと思います。武器が多すぎた一話だったので、どの項から見ても魅力は大いに伝わると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~あらすじ~

 

 

 繁華街の一角に佇む「時光写真館」。そのさびれたドアの奥には、特殊な能力を持った2人の男がいた--。

 写真館を経営するのはトキ(程小時)とヒカル(陸光)。トキの幼馴染・リン(喬苓)を通じて顧客から舞い込む依頼を遂行すべく、「撮影者の意識にリンクし、写真の世界に入ることができる能力」を持つトキと、「その写真の撮影後12時間後の出来事を把握できる能力」を持つヒカルはコンビを組み、過去を引きずるクライアントからの以来を解決していく。『絶対に過去の改変をしてはならない』ルールのもと依頼を遂行していた二人だが、正義感の強いトキはつい過去に干渉してしまい、その行動は少しずつ未来を変えていく--。

 

 

※「Amazon Prime Video」配信ページより、引用※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~本題~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

⓪この作品のそもそものジャンルは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あらすじを見たならなんとなく察された方もいるかと思いますが、この作品はジャンルとしてはSF・タイムリープものになります。まあ所謂「バタフライ効果」がテーマとなっている。

 

 

 一匹の蝶がその羽を駆使して風をかいた、そのひと振りで羽ばたいた効果と、羽ばたかなかった効果で現在の状況がどう変化して、どう未来が変わるのか。もっとシンプルに言うなら、些細なことでも過去が変わってしまえば、未来が変わってしまうということですね。

 

 

 この手の作品は日本の娯楽において沢山ありますし、その効果について考える考察勢もネットにうじゃうじゃいる。

 平安時代に出た歌集がそうであるように、昔からずっと繊細なものに美しさ、魅力を感じる傾向にある日本人にとっては、大好きなジャンルと言えるでしょう。僕は難解な作品が苦手な傾向にありますので、正直この手のジャンルの作品はあまり好きでありませんが、このクオリティのものを出されたら語らない訳にはいかないだろうなと。

 

 

 他のアニメ作品で行くなら、「Steins:Gate」とかもそれに該当しますね。何者かに殺された牧瀬紅莉栖という一人の少女を救うために、そして事件の真相を突き止めるために、メールを送信すると過去が改変される特殊な携帯電話を駆使して、主人公の岡部倫太郎が奔走するというお話でした。

 

 

 

 今回の「時光代理人 - LINK CLICK -」も、このバタフライ効果を駆使した素晴らしい作りをしていました。こっからは、それが上手い具合に作用して、面白かったところを語っていこうかなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①作用したバタフライ効果の秀逸さ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず、今回の第1話のあらすじから振り返ります。

 

 

 

 今回トキたちが受けた依頼は、大手ゲーム会社の財務データを入手すること。トキヒカルの助言を仰ぎながら、CFOの助手、エマに憑依してその機会を伺っていくというものです。

 

 

 

 ヒカルは、任務開始の前に、トキに能力使用時のルールを、二つ確認する。

 

 

 

 

 「過去を絶対に変えるな」。過去を変えてしまうと、因果律が働いて想定外の方向に未来が修正されてしまう。

 

 

 

 「未来を問うな」。写真に収められた過去の出来事に、それを生きていた人物に感情移入しすぎて、未来を知りたくなる時もあるだろう。だがそれをしてしまうと、過去を変えたくなってしまうんだよと。

 

 

 

 ヒカルはその能力から(12時間以内の)未来を知っているが、トキは写真の世界に入り込むことができるだけでその未来を知らないので、写真の世界に入ってはじめて状況を把握することになる。この二人の能力によって、こういう状況が作り出されるわけです。これを生かした、バタフライ効果というのが素晴らしかった。

 

 

 

 今回は秘書のエマの意識に憑依するわけだが、そのときエマの感情とリンクして、彼女の記憶や感情として残っている強い部分が、「エマになりきっている」トキの脳裏にも残っていることを示唆する演出があります。これにより、トキエマの境遇に強く感情移入できてしまう。

 

 

 

 CFOとの会話。都会に出るには不利な田舎娘出身である境遇から、ドライな対応をされることになる。「なにかサービスしなよ」と、セクハラまでされそうになる。任務を進めていく中で起きる幸運のハプニングにすがり(このハプニングすらヒカルは把握しているわけだが)、そしてヒカルの助言にも従いながら、少々乱雑な対応をしている。だが、その描写の後に描かれる家族とLINEのようなもので会話するという場面では、仲の良い親子のごとく優しい会話をしている。

 

 

 

 トキが憑依する対象となる写真の人物に感情移入が出来るという設定と展開にしては、あまりにも出来過ぎていると思われる方もいるかもしれないが、この設定と展開の効果によって、この写真の世界で起こっている因果律には全く矛盾が生じてないし、美しいんですよね。この対比表現も素晴らしかったんだけど、ここら辺はま~だ、バタフライ効果の取っ掛かりでしかない。こっからが本番じゃい。

 

 

 

 場面は移り変わり、CFOとのひと悶着が終わります。結果的にはデータを入手し、CFOを逮捕の状況に追い込むことに成功する。仕事が終わり、疲れ果てて自分の家に帰るという場面で、トキはLINE的なSNSを開き、親と会話する。

 このときの演出については後程話すとして、「弁当が食べたい」という趣旨のメッセージを送る。そしたら田舎にいる親がわざわざ弁当を置いているという描写がある。

 

 

 

 こんなつらい状況、親にはなかなか言えないもんやなと。

 それでも、この「エマになりきっている」トキがエマの両親に感情移入してしまったがゆえに、良かれと思って送った「弁当が食べたいよ」の些細なメッセージが、バタフライ効果のトリガーになるんですよね。この魅せ方がなかなかドぎつかった。

 

 

 

 企業秘密ともいえる不当な財務データを盗んで、会社内を混乱に陥らせて、破産に追い込むような行為をしてしまっているのだから、やっていることは思い切り犯罪だ。この行為をしている途中の地点でフラグは立っていたが、弁当を届けに来てくれた両親を探しに向かっているときに、それは回収される。結果的にエマはゲーム会社の企業犯罪に大いに絡んだとして、人さらいに遭い、スケープゴートとして殺されてしまう。その死に様というのも、川の中に死体が放り込まれているというもので、悲惨さは十分出せていたと思います。

 

 

 

 

 では、この時トキはどうなっているかというと、データを回収したあと現実世界に戻ってきているので、本人は無事です。任務自体は成功に終わったので、トキ目線で見るとこれはハッピーエンドに思えます。

 だけど本当は違くて、その後にヒカル目線に移り変わった時に、その印象ががらりと変わる。バッドエンドすぎて後味が悪いので、この展開を快く思わない人もネットで見受けられるが、この手のジャンルのアニメのオチの付け方としては、そのバタフライ効果のおぞましさが際立っているものになっていて、僕の心には結構響きました。

 

 

 

 

 ヒカルトキに助言を言っているシーンが出るたびに、ヒカルが彼に対して「お前、写真の中で余計なことはしてないだろうな」みたいな台詞を言っている描写が結構あったんですよね。

 彼は写真の中で動いているトキの状況を把握しているので、エマの殺害シーンというのは実質的には他殺であると理解していると考えるのが妥当だし、その二人の視点を眺めている我々視聴者もそれを認識している。トキはあのメッセージの下りを、良いことしてやったぜ~~って思い込んでいるから「余計なことはしてねえよ」と言い残して、任務を終えたトキが帰っていく。恐ろしいのはその後で、ヒカルは見覚えしかない、あるテレビのニュースを目にする。

 エマが殺害されたシーンだ。この報道陣は一連の事件の裏側を把握していないのだから、川に落とされて死んでいるエマの事を自殺であるという意図で報道している映像が流れる。

 

 

 

 ここで、ヒカルの能力をもう一度おさらいしましょか。

 トキは「対象となる写真に収められた過去の世界に入り込む」能力を持っていて、その中の世界を変えないように行動していたわけだが、それに対してヒカルは「対象となる写真に収められた世界の状況と、そこから12時間先の未来が見える」という能力を持っていた。過去改変によって起こる因果律の変化によって、想定外の方向へ未来が変わってしまう可能性を冷静に分析し、所謂「演者」に当たるトキを補佐する役割を担っている。

 

 

 

 この二人の設定を一切の違和感もなく、矛盾もなく、うまい具合に持っていた展開でこの結末をトキは知らずに、ヒカルだけが知っているというオチで落とし込んでいるところが非常に美しいし、えげつないくらい不条理だし、恐怖すら覚えてくるんですよね。この川でエマの死体が写っているっていうのが、明らかに自殺にしか見えない、っていうところもまたミソではあるんだけど。

 

 

 ここまでレビューさせて頂いた通り、ただ純粋にSFものとして見たときに、今までに日本国内に出回ってきた中国産アニメの系譜を変えるような非常に素晴らしいシナリオの一話だったんですが、SF描写とは別に描かれた、中国社会のリアリティ描写というのも素晴らしいものを感じましたので、ここからはそれについて語っていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②いち中国人の、自国の社会状況に対する客観的感性

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 中国っていうのは、世界的に見ても問題が山積みな国だし、日本だけでなく他の国にも多大な迷惑をかけてきたこともあって、アンチが腐る程いるというのもうなずけるし、前置きの部分で少々偉そうに語っていた僕も正直あまり良い印象を持っていないのは事実だが、視点を変えて考えてみると少し気になるところがある。

 

 

 

 

 ぶっちゃけ、中国国内の人って今の中国のことをどんな風に感じているのかと。

 

 

 

 

 

 一昨年にリリースされ、日本でもインターネット中の話題を搔っ攫った基本無料RPGゲーム「原神」などを手掛けた「MiHoYo」などが該当する中国ゲーム企業。

 

 

 

 彼らにとって大きな痛手になっているのが、中国当局が定めた若年層におけるオンラインゲームプレイ時間の減少、ビデオゲームの新規ライセンス発行の停止。

 

 

 

 前者にいたっては今年定められた「ゲーム中毒防止法」によって週3時間以上のゲームプレイ時間禁止から、金土日の20~21時のみのゲーム利用とするよりシビアなものとなったり、後者にいたっては、香港メディアSCMPによると、ゲームライセンスを担当しているNPPAは2021年7月以降から今年の1月にいたるまで新規タイトルの承認リストを発表せず、約1万4000社が登記を抹消され、何千ものゲーム関連企業が倒産する事態になっているそうな。

 

 

 

 「ゲーム依存問題」が以前から各メディアで取り上げられるも、今日に至るまで明確な法的措置をとっていない日本と比べると表現規制がずっと厳しいし、政府が持っている権力、国に与える影響力というのは、ものすごく大きいものがあるということが分かる。当然ながら、同じく娯楽、芸術作品に該当するアニメも例外ではないでしょう。

 

 

 

 

 そんな中でこの作品は、「政府からマークされないのか」と心配になるほど、この表現規制問題を痛烈なまでに皮肉っている。これを日本人の脚本家ではなく、中国現地で生を受けた脚本家がやっているということに価値があるんですよね。

 

 

 

 

 CFOエマがひと悶着あったシーンで、CFOが「エマになりきっている」トキに対して、「お前はわざわざ田舎から雇っているわけだから、もうちっとちゃんとせいよ」みたいなことを言う台詞があったんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 この意味っていうのは、中国の格差社会のことなんじゃないかなと。

 

 

 

 21世紀に入ってから中国政府は、「9大都市圏構想」というものを発表して少しずつ課題解決に向けての改革を推し進めているようだが、元々の戸籍制度が非常にシビアで、農村からの出稼ぎ労働者は、基本的には戸籍なしで働くことになった。

 戸籍獲得も不可能というわけではないが、かなりの困難を極める。これにより、社会福祉の制限もついてくる。賃金の差も非情なまでに、非常に大きい。

 

 

 

 この台詞っていうのがこういう状況を皮肉っていて、非常にリアリティがあって良かった。

 

 

 

 また、こういった戸籍、労働的な問題だけでなく、食糧問題についてもこの作品は目を向けていて。

 

 

 

 親とのメッセージを送り合う下りについてちょっと話しましたが、この時の弁当の描写というのも素晴らしかったですね。

 

 

 

 日本は食を食べるための姿勢だとかも非常に徹底されている。食べ物をおいしくいただくために、清潔感を持たせるべきと考えている人間が非常に多い国です。レストランとかで出される食事なんかにも、ゴミやカビなんてもんはあまりついていないものだ。こういうことがないわけではないが、それをとことん嫌っている。

 

 

 

 

 

 ではこの作品の第1話で描かれた、弁当の描写というのはどうだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 弁当の春巻きを箸で掴んだ瞬間。中から虫が出てくる。2~4秒くらいしか流れないカットなんだけど、この演出っていうのが、中国が食に対してなんてだらしないんだっていうことを痛烈なまでに、示しているんですよね。

 

 

 

 

 

 中国の食に対する配慮がだらしないという問題は、これまでにも多くのメディアで取り上げられているので皆さんはなんとなくそのイメージはついていると思われるのだが、僕にとって最近起きた出来事の中で思い起こされるのは、2014年ごろに世界中のメディアで取り上げられた、中国産の食肉加工問題。日本中に激震を走らせたのは、これによって酷いように加工された食肉が、ファミチキの材料にまで利用されたということですね。

 

 

 

 問題になった中国の食品会社は、消費期限切れの食肉を切り取っただけでなく、床に落ちた肉をそのまま機械に入れたり、色が変わったあとの肉をミンチに加工して出荷したこともあっただとか。なんてお粗末で、食に対するリスペクトの欠片もない行為なんだと。これによって、加工されたとも知らぬ肉を食わされて、なんの罪もない人たちが病気を起こして死ぬケースが起こりうるのだから、到底許されるものではない。

 

 

 

 まあその取引をしていた食品工場とは縁を切り、新たにタイでの食品工場にて肉の生産が行うことによって、この問題はひとまず解決しましたが、こういった問題を何件も起こされては世界的に見ても信頼ができないものだと思う。

 

 

 

 

 こういった負の部分を表現規制に物おじせずさらけ出せる、「弱さ」をさらけ出しているアニメこそリアリティが感じられて、面白いんだな~って感じますよ。日本人はこういう繊細さは大好きなもんだと思うし、中国アニメに求めていた「リアリティ」というものを、たった1話で添削してくれた、社会的な観点からみてもこの1話というのは「傑作」と呼ぶしかないなと、僕は思いましたね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~参考にさせて頂いた記事~

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

jp.techcrunch.com

 

 

 

 

 

job.career-tasu.jp

 

 

 

 

 

conveni-like.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~第1話配信ページ~

 

 

 

 

 いつ消されるのかも分からないので、観たいという方はお早めに。

 

 

 

 

abema.tv

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~最後に~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回は作品の内容自体を総合的にまとめてレビューするという形ではないので、雑記形式ではあるものの、現在放送している「時光代理人 - LINK CLICK -」の第1話についてじっくりと語らせて頂きました。

 

 

 

 僕自体、この回を何回も観返しているので、思い入れは非常に強いです。あんまり言いすぎるとこの作品が安っぽく思われるの嫌なんでこういうことはあまり言わないんですが、中国嫌いの人にも、中国好きの方にも、多くの方にこの「神回」を観て頂きたいと思います。

 今回ご紹介した演出だとか、シナリオ以外にも素晴らしかった所は沢山ありますので、そこのところも発見して頂くのも楽しいのではないかと思います。

 

 

 

 

 次回の更新も、今回と同じ金曜日の20時半になります。

 

 

 

 

 このブログでまだ語っていない作品についても、下記のTwitterにて書いていますので、興味のある方はぜひご覧ください。

 

 

 

 

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