ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP 総評
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皆さん、こんばんは。はじめましての方ははじめまして。
現役大学生のゼクショーです。
GWが明けた辺りから、私は自己PRの試験があったり新たに選考スケジュールが発表になった企業にES出したりと大忙しな日々を送っています。あと、週2でやってる卒業研究も並行して進めてます。
そんな中でも暇あれば、アニメアニメ。時間の関係でかなり縛られてはいますが、ぼちぼちと新作アニメは視聴中でございます。忙しいからこそアニメが恋しくなるこの身体は、きっとこの先もオタクをやめられなくなるんだろうな~~~~なんて思いながら。........まぁ余談はこれくらいにして、今回は流行語大賞にもノミネートされた、あの作品の新作OVAを語らせて頂きます。
『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』ですね。
~作品概要~
2018年のオリジナルTVアニメシリーズ『ウマ娘 プリティーダービー』シリーズの内の番外編にあたる本作。全4話とかなり短め。実際に行われた競馬の史実を元に再解釈、実際の馬を擬人化したウマ娘たちが様々な賞レースに挑む物語。今回はナリタトップロード、アドマイヤベガ、テイエムオペラオーの三馬がクラシック三冠レースに挑む模様が描かれます。
1期2期と放送済み。更に今年中には第3期の放送も決定しています。制作は、ソシャゲアプリのヒットメーカーの筆頭であるCygames(アプリ版の開発も担当)自らがプロデュースしたCygames Picturesが担当。公式YouTubeチャンネル『ぱかチューブ!』等でご覧になる事が出来ます。
クオリティは驚くほどに高かった。これを当たり前のように無料で見れる有難みはえげつないと思う。.............しかし肝心の内容は、1期2期で見せられたスポ根っぷりを考えると、全4話では物足りなさを感じざるを得なかったですね。僕なりに考えた"ウマ娘"らしさを交えながら、語っていこうと思います。
本題
萌え寄りの美少女にウマ耳に尻尾つけて、二足歩行で人智を越えたスピードで出走させる。そもそもの設定が実に馬鹿馬鹿しい。1期開始前は、また変なアニメが始まったんだろうなって多くの視聴者が思った事でしょう。しかし、その先入観が全てひっくり返る。
才能を認められた名馬達の出走。彼女達は目的は違えど、これぞとばかりに汗を掻きながら大一番の勝利を狙う。一瞬の加速から一瞬の逃げ切り。実にシンプルな戦いだ。そこに行きつくまでの一人一人それぞれのドラマ性に一貫性があり、競馬のけの字も興味なかった視聴者を観客の一部となってレースの緊迫感や熱量に飲み込む。
俯瞰視点で見ると、二足歩行で走るウマ娘が本当に出走馬が走ってる様に錯覚させる演出もお見事。ウイニングランならぬウイニングライブ。1着をとったウマ娘が出走後に踊り出すぶっ飛んだ展開も、ここまでされたらご愛嬌。
そして気づけば熱きレースを繰り広げてきた出走馬の事を自然と調べていて、更にその魅力の深みを知りたくなっている自分がいる。作中のウマ娘を指す台詞の意味や、物語が気になって仕方がなくなる。これは競馬ファンなオタクが楽しむんじゃなくて、競馬をミリも知らないオタクに調べさせる位名馬にベタ惚れさせれば勝ったも同然だと。これこそが"ウマ娘"らしさなのではと2期まで観て思ってました。
キングヘイローやサイレンススズカ姉さんの所で泣かせつつも、どちらかといえばスぺちゃんの天然ギャグが光ってた1期。大けがを負ったトウカイテイオー奇跡の復活まで、丁寧な尺撮りで熱く描いてくれたシリアス寄りな2期。どちらも非常に素晴らしかったと思いますが、今回はどう出るかと。
本編にもちょいと顔出ししつつも大きなスポットを当てられなかったニ馬と、新主人公ナリタトップロード。それぞれ1話ずつメインスポットを変えて掘り下げて、4話目で運命の最終コーナー回ったぞと。
あまりにもうん、尺が足りねぇ。テンポが速すぎる。
皐月賞、日本ダービー、菊花賞が早過ぎるタイミングで来るのがそもそも違和感というか。ポケモンに例えるなら、イベントを進めて条件を満たしてやっと1体出てくるはずの伝説のポケモンが、間を待たずに全くレベルの違う3体が一気に出てきて主人公と連戦する事になる様な違和感と似ている。
ポケモンも只食っちゃ寝して育つ訳ではなくて、来たるべき強敵に備え、幾度の勝利と敗北を繰り返して経験値を得ている。
3人とも勝って負けてを繰り返す過程を描きたいんだったら、そこに至るまでの小レースをもっと挟んで欲しかったなと。それもしつつ、多くの挫折を経験しながらトレーナーとストイックに練習に打ち込むウマ娘の背景を最低でも3話分描いて欲しかったなと。1回きりの大レースに勝負をかけるのなら、その経験があって始めて懸命な走りに意味が生まれて、それを契機に手繰り寄せた勝利にも説得力があって然るべきでしょうよ。
第2期第10話のツインターボの第4コーナーが、如何に至高だったのか。それはツインターボが負け続けた背景を、彼女の心情をしっかり掘り下げつつ描いてきたからに他ならない訳で。
あと気になったのはちょくちょく入ってた学園パートの有無ですね。1期や2期では、合間合間の日常パートとして各年代のウマ娘がギャグを引き起こしてきた。ほぼ一貫してね。そこにスぺちゃんのボケが良い起爆剤になってと。その量は1期の方が比較的多かったように思えたけど、2期も最低限そこの部分のメリハリはついてたと思います。
1期の名場面に持ってかれてる事を意図してるのか分かりませんが、2期までよりもシリアスな緊迫感が際立つレース描写で泣きを強調したいのなら、中途半端に学園パートを入れる必要はないと思いました。ワイの推しのハルウララをもっと出せや~~~っていう個人的感情を抜きにしたとしてもね。恒例のウイニングライブがほぼなかった事も個人的には残念でしたかね。
ウマ娘が並走する相手に追い越される時に、毎回毎回ドクンッ!!!!って音がなる演出ももうちっと引き出し増やしても良かったのではと。キャラごとに追い越される演出の技法を変えて見たりとかするともっと面白くなったと思うのですよ。レースし終わった後のナリタトップロードの息のあがり方の妙なエロスだったり、並走するウマ娘の装飾の音響で緊迫感を表現したりする演出とか最高なんだからこそね。
他にも色々突っ込み所ありますが、キリないのでここら辺で切り上げますか。監督さん含めてメインスタッフが大きく変わったせいなのか、話の構成も今まで敷いてきたレールとの落差に落ち込む違和感が勝ったかな。アプリは全くやってないけど、アニメ版ウマ娘は嫌いじゃないしむしろずっと気になってますよ。次回はそこまで時を待たずして、キタサンブラックの活躍が見れるという事なので楽しみに待っていようと思います。