ゼクショーのアニメブログ

主に深夜アニメ30分枠のレビューをしていきます。毎週金曜日20:30更新!!※2023年4月以降から第2金曜日の20:30に更新予定※

BLACK LAGOON お偉いさんもチンピラ共もアーメンハレルヤピーナッツバターだ。

前回の記事はこちら↓↓↓

 

xexiow06375.hatenablog.jp

 

 

 

 

 皆さん、こんばんは。ゼクショーです。

 

 

 

 

 今週はうちが住んでいる県は各地で洪水が起こるレベルの大雨が降り出して大変でしたが、幸い僕のいる家はその範囲外だったので今こうして無事に更新できたことが嬉しいです。

 ただまだ油断は出来ないので、場合によってはこのブログを管理しているパソコンが起動できなくなるかもしれません。バイトや学校や家族のこともありますが、なるべく更新できるように頑張ります。今この記事を読んで頂いている皆様もどうか気を付けて過ごして頂ければなと思います。

 

 

 

 

 さて今回は"夏にこそ観たいアニメ"と題した作品紹介の第3弾。クッソイカれやがるアクションアニメをご紹介します。

 

 

 

 

 

 2006年放送、『BLACK LAGOON』です。

 

 

 

 

タイトルロゴとキービジュアル ※「dアニメストア」配信ページより、引用※



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~作品概要~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 原作は、「月刊サンデージェネックス」にて連載中の漫画。監督はアニメ映画界の巨匠とも呼ばれる宮崎駿監督の『魔女の宅急便』に演出補佐として参加し、後に日本アカデミー賞を受賞する『この世界の片隅に』で監督を務めることになる片渕須直氏。制作はマッドハウス

 

 

 

 

 会社の仕事で東南アジアへの派遣中に海賊のラグーン商会に遭遇してお荷物として雇われ、不本意ながらタイにある犯罪都市ロアナプラに悪党として生きることになった岡島禄郎ことロック。街ゆく人は非合法で野蛮な奴だらけの不条理な現実を突きつけられた彼が、個性的でイカレた奴らと関わり合いながら精一杯生き延びていくというストーリーです。

 

 

 

 

 1期、2期、OVAとあります。

 2期の範囲だと未だにファンの間で語り継がれる双子編だとか、OVAになるとロベルタ編だとか語りたいことが沢山あるのですが、今回は主に第1期の範囲の内容を語らせて頂きます。 

 

 

 

 

 本編中の野蛮な出来事が、主として真夏のリゾート地で起こるという点が夏要素に直結すると思ったのでご紹介させて頂きました。あと単純に面白い要素だらけ.......というか面白い要素しか切り抜けないぐらい最高な作品なので、未視聴の方は今すぐにでも観て頂きたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①皮肉交じりでパンチの効いた脚本力

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず序盤の良い所は、ロックがロアナプラに乗り込んでその治安の悪さを間に受ける本筋と、彼を見限ったかつての上司の日常シーンの切り抜きの一見余分に思える対比表現。お偉い政府さまや会社さんやマフィア共々、仕事人である以前に最終的には自分の利益で生きることを選ぶことしかできねえ1人の"人間"なんだよって魅せ方がオシャンティーでこの作品らしくて面白いんだけども。

 多数の犯罪歴を重ねてきた同僚のレヴィと、元々日本人が故の倫理観を持って過ごしてきたロックの価値観の違いによる対立とかもそうなんすけど、ストロングポイントはそこじゃない。

 

 

 

 まあなんといってもこの作品に1番痺れるポイントはね、呼吸するようにポンポンと出てくる独特のアウトローでパンチの効いた皮肉的な脚本の数々なんですよね。最近の深夜アニメでは全く出せない、震える程カッコ良いマウントの取り方というかね。もう最高。

 

 

 

 

 例えば第5話。ドイツナチスの残党みてえな軍隊と、ラグーン商会がミッションで真っ正面からぶつかる回ですね。

 その軍隊が船上で軍歌のマーチを踊ってるところを遠い所から眺めていたベニーと、それを聞いていたダッチの台詞。

 

 

 

 

 「役立たずが手前の無能を棚上げして愉快に生きようと思ったら、あっという間にマーチ好きの馬鹿が一匹出来上がる。どこに行っても変わらない法則だ

 

 

 

 

 生まれてくる国や選ぶ仕事によって生きていく社会が違っても、どこにいたって変わらないことがある。不器用な人が自分の出来ないことの現実から目を背けて、娯楽だ何だで遊んだりして楽しく充実した人生を送ろうと思ったら、自分の心を犠牲にしながら受け入れなくてはならない不条理な現実を目にした時にいとも簡単に自分の意思を失ってしまう。

 今回の場合は、偽善的で右翼的な考えに同調圧力を受けてしまえばその地点で自分の幸せになる道は遠のいていくというものでしたが。こうした現代社会に蔓延る世の中の汚さというか、そういったものの風刺だったりキャラが別のキャラに対する煽り口調のセンスが冴えわたってる。

 

 

 

 

 あとはそうだな。2期までいくと、サングラスをつけて銃器を服の中に装備してるという粗暴でイカレたシスターのエダがよく登場します。僕はダッチが一番好きなんですけど、彼女も結構好きです。1期だと出番はそんなにないですが、彼女もまた口を開けば名言が次々と飛び出してくるキャラで。

 

 

 

 

 教会が閉まっている中で(実際はとある極秘任務の真っ只中)ドアを叩いてくる来客に対して発した言葉が「神は留守だよ、休暇取ってベガスに行ってる」。

 

 

 

 

 営業時間外だよっていう台詞をブラックジョークを交えて発した、その言葉選びが最高にカッコ良すぎる。神聖で清楚の塊であるシスター様が、キリスト教における聖なる神が欲望まみれのラスベガスに行ってるっていうジョークを飛ばすかよっていうギャップも含めて面白い。

 

 

 

 

 またこのようなアウトロー感溢れる台詞を発する声優陣の方々のアフレコも、大変渋みがあって野蛮な雰囲気作りに一役買っているというか。視覚だけではなく、聴覚でも視聴者の心を掴んで離さない魅力がしっかりとあると思いますので、そこも含めてお楽しみいただければなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②傑出した高クオリティ演出の数々

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放送から16年以上経っていると言えど、今のアニメに交じってアクションアニメ枠として投入しても全然負けない完成度だと思っています。それどころか、今まで出てきたアクションアニメの中でトップクラス.....いやそんな枠組みにも収まらず、一番面白いと言えるぐらいはあるんじゃないかな。勿論、冗談抜きでね。

 

 

 

 

 オープニングに出てくる銃の緻密な作画も勿論、10話かその辺りでレヴィが2丁拳銃ぶっ放すシーンでも一切手を抜いてませんし、装填してた銃弾が床の上で散らばる動きもカッコ良いんですよね。その激熱なシーンの中に絶妙なタイミングで入れてくる敵対者同士のマウントの取り合いもハイレベルだから、もう戦闘中にキャラを喋らせたら右に出るものはいねえってぐらい緊迫感がある訳です。

 

 

 

 

 船が水上を動いてる時の水しぶきのダイナミックな動きとか、沈没船のミッションの時に蓋がとれる時の動きとかもとても00年代とは思えないくらいの手描きの熱量があります。

 細かい描写まで手描きでやる事を諦めて、メカニックな動きはCGで誤魔化しちゃいましょう~ってアニメが最近多いことが尚更悲しくなってくるレベルですわ。

 

 

 

 

 あと節々に出てくる台詞とかもそうなんだけど、演出面でもたまに出てくる目に見える面白さが全てではないっていうカットの切り方も、個人的には芸術点高いと感じるポイントでもあって。

 

 

 

 

 ダッチが入金するところのシーンも何の目的でやってるのか分からない所もそうだし、7話の日常回のラストでわざわざ煙草まで使ってほろ苦い恋愛みてえなオチにするってさ、絶対このあとこいつらヤるやんって感じさせるお洒落さもある。そんでもその全てを感動の押し売りで明かしたりはしない。ご想像にお任せくださいの余韻を良い意味で持たせてくれるっていうのかな?........凄くお洒落なんよ。

 

 

 

 

 僕は油っぽいもの好きでよく食ってるうえに吸いたくないから吸わんけど、この作品を観て煙草をコレクトしたくなるって動きが出てくるのはよく分かる。煙草は害だって植え付けられてきた人間なので共感はしないけど。

 

 

 

 

 いやホンマにね、ジブリ畑にも携わって後に日本アカデミー賞の大賞も受賞する監督さんのパフォーマンスは伊達じゃねえなって感じましたよ。

 こんな偉大な作品をスマホいじりながら観たりとか、最近多い倍速で観るような奴らが近くにいるんだったらいっそのことロアナプラにぶち込んたろかって思うぐらいには面白いと言いたい。

 原作読むのは任せますが、ぜひ1期だけに満足せずに、2期やOVAも含めて毛嫌いせずに観て頂きたいですね。