ゼクショーのアニメブログ

主に深夜アニメ30分枠のレビューをしていきます。毎週金曜日20:30更新!!※2023年4月以降から第2金曜日の20:30に更新予定※

処刑少女の生きる道 彼女は彼女を救い続ける運命を、彼女は彼女を殺し続ける宿命を生きる。

前回の記事はこちら↓↓↓

 

xexiow06375.hatenablog.jp

 

 

 

 

 皆さん、こんばんは。ゼクショーです。

 

 

 

 

 気温が上がってきた今日この頃、夏の始まりを告げるように、現在放送中の2022年春アニメの新作が続々と最終回を迎えています。来季のアニメPVも色々とYouTubeに上がってますし。

 

 

 

 

 サイドバーに載せたTwitter垢でも感想書いたりしてるんだけど、この最終回フィーバーの時期になると、尚更色々上げたくなりますね。

 特にこのクールというのは個人的には可も不可もない作品が少なく、良くも悪くも癖が強くて振れ幅が大きい印象でした。そんな曲者揃いの中で面白いものもしっかりあるのでどれにしようか迷ったのですが、今期で一番最初に最終回を観ていて思い入れも少しあるということで、この作品をレビューしたいと思います。

 

 

 

 

 「処刑少女の生きる道」になります。紛らわしいですが、「生きる道」と書いて「バージンロード」と読みます

 

 

 

 

タイトルロゴとキービジュアル ※「dアニメストア」より、引用※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~作品概要~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 原作はGA文庫から刊行されてるライトノベル。同レーベルが主催する小説コンテストで「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」以来となる、大賞を受賞した作品になります。

 

 

 

 

 制作はそのダンまちのアニメ版と同じく、J.C.STAFFが手掛けています。00年代には「とらドラ!」や「灼眼のシャナ」を手掛けていたりと、ラノベ作品との関わりは深い制作会社です。

 

 

 

 

 この作品のあらすじを簡単に話しますと。

 

 

 

 

 日本から、災害をもたらす恐ろしい能力を持って異世界へやってくる者たちは<<迷い人>>と呼ばれ、<<処刑人>>と呼ばれる者によって殺される運命にある世界。処刑人のメノウはいつものようにある任務を遂行しようとするが、アカリという迷い人の特殊な能力によりそれを阻止される。メノウは彼女を殺すべく様々な策を講じることになる______________といった内容です。

 

 

 

 

 ぶっちゃけ良い点と悪い点がはっきりしてて、人に薦めようと思うほど面白かったとは全く思わなかった。むしろ悪い点のほうが多いかな。

 ただ制作陣がこの作品を人気出そう、盛り上げようという熱量はしっかりあるんで、そこも含めて語っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~本題~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①現実との齟齬を感じない世界観の粗さ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 迷い人は日本という異世界から迷い込んでくる。彼らにとって作中の世界がイレギュラーなものに見せるために、魔法や魔物が普通にあふれ出てくるゴリゴリのファンタジー世界観にする所までは良い。でもその肉付けの部分で、台詞や設定に明らかに日本しか成しえないものが流れ込んでるので、異世界感をあまり感じないんですよね。

 

 

 

 

 例えば、「B級映画」ってワードが出てたね。

 これは日本特有のもんだと思うし、西洋ファンタジー風な世界に出てくる娯楽にしては現実的じゃなすぎる。それなら化物と人間の少女が心を通わせるみたいな童話が描かれた絵本とか登場させたほうが、メルヘン感を持たせられるし世界観的に合うんじゃねって思いますしね。

 

 

 

 

 あと個人的に特に気に入らなかったのは、第1話で登場した異世界人の男が発した日本語を、メノウがあっさり明確に言語として認識してること。

 

 

 

 

 この作品に限ったことではないが、死んで転生したり突然召喚されることで現実世界から転移した日本人が、登場人物に話すところでちゃっかり日本語が通じてしまうことがよくある。生まれながらにしてチート能力を持っている設定もそうだが、主人公が成長するような夢の欠片もない都合の良すぎる設定があると冷めてしまうんですよね。

 自分が合理的だと思って起こした行動が通じずに不都合な現実に打ちのめされ、人間的な弱さを乗り越える展開のほうがドラマ性を持たせられるし、なおかつ変化性を持たせられるキャラであれば、視聴者も応援したくなるもんだと思っているので。

 

 

 

 

 日本人が何らかの形で異世界に迷い込むって設定があるなら、現実との齟齬を意図的に生じさせたうえで、異世界の先で見える不思議な景色の部分をもう少し作りこんで欲しかった。粗すぎる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②メノウ、アカリのキャラ設定の弱さ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 処刑人のメノウと、彼女の処刑対象となる異世界人のアカリ。主軸となる2人のキャラ性にも所々粗があると感じました。

 

 

 

 

 まずはメノウ。処刑人の立場ですから、世界に害をもたらす異世界人の奴らどもを殺し尽くすことが本懐であり、そのために生きています。

 アカリとは、表面上は心の内にある異世界人への憎悪を隠すようにして接している。上手く心を掌握して彼女を油断させる状況を作り出し、それに誘い込むようにして殺せるように。この設定の取っ掛かり自体はまだ良いのだが、問題はその後。

 

 

 

 

 メノウを上司とするモモと連絡を取り合り、アカリの知らぬ裏で作戦会議をしている場面が所々入るんだけど、そこでアカリのことをファーストネームで呼んでいるのは違和感でしかない。

 これから殺す相手に名前をかけるほどの思い出を作ってないのに、情けを掛け過ぎるように見えるこの展開は非合理的過ぎる。あんた、生きる為に異世界人を淡々と殺し続けてるんとちゃう?元々のキャラ設定自体に矛盾が生まれてる。

 「あいつ」呼びなら百歩譲って納得するけど、そういうところあっさいな~~って思いました。

 

 

 

 

 あとは、作中でアカリ以外に戦う相手いるんですけど、そいつらが発したサイコパスな台詞にいちいち煽りのリアクションを入れてから殺すことで、キャラ的に暗殺者的な怖さやカッコ良さが薄れたのも残念でしたね。

 これって「お前は世界にとって害でしかない敵だから殺すのが正しいんだ」っていう自己肯定を強く押し出して殺してるような魅せ方で、それだと客観的に見て精神的な弱さが浮き出てきてるように思えちゃうというか。あそこももう少し丁寧にやって欲しかったかなと。

 

 

 

 

 続いて、アカリ

 彼女は変に自己主張強め。能力に関する事を言うと重大なネタバレになるんでここでは言わないが、記事タイトルの意味を知りたければ実際に見て頂くしかない、えっぐい能力であるとは言っときます。

 妙に明るく、自己主張が強めな性格だが、色があって印象に残るかと言えばそうでもない。名言になれそうな強い台詞を吐く濃いキャラクターではなかった印象。

 本筋の展開の中だと初めて出会った時からメノウを不思議と信頼しているその理由が明かされるところとかは面白かったんだけど、それ以外のところで明らかに馬鹿馬鹿しい展開がありまして。

 

 

 

 

 確か9話くらいだったっけ?メノウのとある任務でパーティーに連れていかれるっていう展開があって、そこでのアカリの行動がイカレ過ぎてた。

 

 

 

 

 華やかなパーティー会場で一人メノウのことで騒ぎ出したり、「私は麗しい淑女です!」とか言いながら一人一人挨拶回りに行ってて、いやウザすぎるやろとwwさすがにぶっ飛び過ぎてて思わず吹き出してしまいました。

 

 

 

 

 容姿的にでっけえ胸やケツがあることを差し引いても、こういうぶっ飛んだ行動以外には強い印象を残せなかったキャラクターだったかな~~というのが率直な感想ってことです。まあ対するメノウも色があるキャラの部類ではなかったけども。

 もう少し賢くあって欲しかったな~と思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③ほぼ手描きのアクションシーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 手描きのアニメーションに関しては、制作陣がこの作品を売ろう、視聴者を盛り上げようという意地を感じました。敵の一部と、作中でのバトルの舞台のうちの1つである蒸気機関車の動き以外は基本的に手描きだったのではないかと思ってます。

 

 

 

 

 敵の能力によって建物の瓦礫が崩れるアニメーションは迫力あったし、メノウの処刑人としての感情を極限までに殺した顔になるところとかもカッコ良かった。あと髪や耳が上がるのをぬるっと動かすのではなくて、ふわりとした感じで動かしてるところはCGアニメでは表現できないような美的センスがありましたね。

 中でもこの作品のラスボスの登場シーンとかは意外とグロいし怖かったので、個人的にはお気に入りでしたね。グロいアニメ好きなんで。

 

 

 

 

 メノウ以外にもモモが戦う場面とかも用意されているのですが、戦闘中に元気玉みたいなのを打って建物ぶっ壊したりすんのは、すっげえぶっ飛んででやりたい放題だったし、全体的に良かったのではないでしょうか。

 

 

 

 

 アクション以外にも静止画を多用する訳でもなく、作画崩壊も最後までなくて安定してたし、観るアニメーションとしては結構楽しませてもらいました。

 キャラクターや世界観といった細かな作り込みの粗さをカバーして、作品を大きく昇華させることができたクオリティ......とまでは思わなかったけど、まあ全然嫌いじゃないっすよ。OP映像なんて普通に好きだしね。

 

 

 

 


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