ゼクショーのアニメブログ

主に深夜アニメ30分枠のレビューをしていきます。毎週金曜日20:30更新!!※2023年4月以降から第2金曜日の20:30に更新予定※

電波女と青春男 この小さな惑星で自称"宇宙人"の美少女と過ごす、少し奇妙な青春。

前回の記事はこちら↓↓↓

 

xexiow06375.hatenablog.jp

 

 

 

 

 皆さん、こんばんは。はじめましての方は、はじめまして。

 

 

 

 

 現役大学生のゼクショーです。

 

 

 

 

 うちの地域は梅雨明けの時期にまだ入りません。7月も中盤に入ってきてるんで、来週か再来週くらいにはそろそろ本格的な夏の到来を感じられるのかな~とは思ってますが。

 

 

 

 

 あと、来年は就職活動に入るので、今回の夏季休暇は以前よりもアニメ観る時間をとりたいところ。去年は暑さ等々色んな理由があって、アニメ観るモチベが中々上がらずあんま観れなかった。今年は、先週受かった夜勤のバイトと両立させてアニメ観る時間色々とっていこうと思います。まあ、その前にテストあるからそこに全集中するんすけどね。

 

 

 

 

 さて、余談はここまでとして。

 今回からしばらく「夏にこそ観たいアニメ」というテーマで、作品をご紹介していこうと思います。その第1弾として、「電波女と青春男」をレビューさせて頂きます。

 

 

 

 

タイトルロゴとキービジュアル ※「dアニメストア」より、引用※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~作品概要~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2011年放送。

 原作は「電撃文庫」から出版されている、完結済みのライトノベル作品。 原作者は『安達としまむら』の入間人間先生で、アニメ制作は『化物語』や『魔法少女まどか★マギカ』でおなじみの「シャフト」が担当。

 

 

 

 

 この作品のあらすじを簡単にお話ししますと。

 

 

 

 

 主人公の丹羽真は両親の家庭の都合で、一人暮らしをしている叔母の家にホームステイすることになる。一人暮らしと聞かされていただったが、その家に入ると自称宇宙人を自称するいとこの藤和エリオがいた。2人が出会ったその時、奇怪な行動をとる彼女とのおかしな青春が始まる____________といった内容になります。


 

 

 

 夏らしい作品をご紹介する一発目ということで、インパクトのある作品にしようかなと思いました。

 あと今期の新作としてオンエア中の「RWBY 氷雪帝国」、「連合空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ」もシャフトの関連作と言うことで、このタイミングでご紹介したくなったというのもあります。いずれもクオリティが高かったので。

 

 

 

 

 それでは、この作品の不思議な魅力について早速語らせて頂きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~本題~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①藤和エリオを含む独特で奇妙な雰囲気

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先ほど載せたキービジュアルに描かれた青髪の美少女がエリオちゃん。肌も色白で神秘的な見た目だから、アイドル的魅力があって、主人公などを通してこの世界に入り込んでいる視聴者を翻弄してくれるのかと思いきや...........そんなことは全くなく、彼女は我々常人には理解しがたい奇行をとる訳です。

 

 

 

 

 どんくらいそれがぶっ飛んでいるのかと言いますと。

 

 

 

 

 普段はずっと家にいて、何故か分からんが布団を体に巻き付けて顔が見えない状態で佇んでいる。アホ毛だけちょこんと浮いて。一応真と同い年だそうだが、学校に行く気配も全くない。

 第1話で叔母と夕食を食っている時にも、夕食を一緒に食おうとはしない。その状態のまま距離を置き一人椅子に座って足をぶらんぶらんさせている。じゃあ何食うのかというと、ピザを通販で頼んで布団の上から食べる。

 真が彼女のことを詮索しようとすると、ゴニョゴニョと覇気のない声で「自分は宇宙人なんだ」等と意味不明な台詞を連発する。真になつく様子は見られるものの、2人きりになっても「地球は狙われている」だとか、中二病感極まりない発言を連発する。普通の会話は到底通用しないコミュ障なんですね。

 

 

 

 

 真と出会う以前にも、彼女は奇行を繰り返していた。一体何を間違えたのか自分を人間ではないと思い込んでいて、それを証明するために半年間行方不明になる。その後、川の上に浮かんだ状態で発見される。これを「宇宙人」のせいだと言い張る。

 

 

 

 

 OPだと可愛くはっちゃけてるのに、実際は馬鹿みてえな奇行を繰り返すヒキニートだったと裏切られる。そのギャップに唖然とすること間違いなし。この話に感情移入することよりも先に理解が追い付かない。追い付かないんだけど、彼女が第1話のラストで素顔を見せたあの神秘的で儚げな姿に自然と目が奪われていくのを感じる。

 ここまでほぼ第1話の話をしましたが、はっきり言って最後まで観てもその設定の全てが解明されたという印象はない。しかし、その全てを理解する必要はないと断言します。独特な作風なので好みが合わない人も少なくないでしょうが、僕はどっぷりハマりましたね。

 

 

 

 

 このエリオちゃんのトンデモ設定が存分に生かされた、独特で奇妙な雰囲気を作りだす会話劇や演出...........これがマジで最高なんで楽しんで頂きたいですし、夏らしさもしっかり感じられるからひと夏の思い出にして頂けると嬉しいです。

 

 

 

 

 エリオちゃんと絡み出すキャラも魅力的な人物ばかりです。

 例えば主人公のは、変わり者なキャラが揃ってる中でも比較的常識人的なポジションに当たります。普通の生活をしていくには問題ばかり残るエリオちゃんのこともきちんと気にかけてくれるし。

 そうなんだけども、彼もまた年相応の自意識過剰な.....オタク的なノリで言えば厨二病的な行動をしばしばとりがちな所が面白い。

 

 

 

 

 そんな彼のキャラクター性を語るうえで最たるものは、"青春ポイント"という独自に設けたポイントの獲得に命をかけているということ。単純に言えば充実したと感じられる学生生活を真っ当に行っていれば日常的に加算されていくポイントのことです。

 その生活をしてく過程でその場にあった雰囲気と状況の付与次第で更に印象度を変えれば、どんどん加点されていく。上手く人と関わることで多くの思い出を作ろうという強い思い込みを含んだ行動が結果的に無茶苦茶になったり、客観的に見てイタイ行動になってるのがコミカルな笑いにもなってて面白い。

 エリオちゃんの非常識な行動などの不確定要素が働いて、その青春ポイント獲得チャンスを逃してしまう所も良い雰囲気を持っている。

 

 

 

 

 ただイキってるかと思えばそうでもない。第1話冒頭のモノローグもそうだけど自分で刺激ある青春を送りたい、そんな自立心を持って背伸びしたくなる年頃の感情表現が、厨二病的ながらもしっかりと小説的な言い回しで描かれてんのも良かったなと思いました。

 

 

 

 

 それで真のあのキャラクター性とエリオちゃんの関係性でどう良さが出るかなんだけど、まあネタバレになるんであんま語れんけども。

 彼女をヒキニート状態から立ち直らせるというテンプレ王道展開にはならず、その兆しを見せつつも半歩だけ進んで話を終わらせるっていうところが、彼女の非常識な設定の面白さを存分に生かす魅せ方として鮮やかで、非常に良かったなと思いました。そりゃあ現実的に考えれば彼女はさっさと社会復帰して頂くのが賢明かと思うのだけれども、この物語のウリっていうのはそういうアニメ的な良さにあるのだから、それを殺してしまうような魅せ方だと逆に冷めてしまうもんです。

 

 

 

 

 同じ引きこもりをメインに添えた『ローゼンメイデン』はオチはそういう王道系だけど、人間のようにふるまう人形との非日常を絡ませたアニメ的な長所を殺さなかったからこそ面白かったわけですし。意味不明なのが、逆に味のある雰囲気が出てるというかね。

 それに加え、更にこの雰囲気作りにアクセントをつけるこんな素晴らしいポイントもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②シャフト特有の演出のマッチ度

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『化物語』や『魔法少女まどか★マギカ』を観られている方であれば薄々気づいていることかと思うのですが、かなり特殊な演出手法がとられてるんですよね。特に監督が新房昭之氏である時にそれが顕著です。

 キャラクターが首をかしげる角度が約45度だったり、一つのレイアウトに立体感を演出するのではなくて複数の平面的なレイアウトを組み合わせた紙芝居調の演出を多用したり、低いアングルからのあおり構図を取り入れたり。

 

 

 

 

 これってね、何気ない一言や仕草を誇張しまくった奇抜な演出を多用してこれが面白いものだと錯覚させる手法なんですよね。勿論これを面白いと思う方はいるだろうし、独自性があってクオリティが高いことは認めます。

 ただまあ.....はっきりいって奥行きがないので無機質さが際立ちますし、あまり写実的で美しいものではないと思っててあまり好きではないんですよね。アニメに実写作品ほどのリアリティを求めろとまでとは言わないけど、やっぱり不自然に感じてしまうところはある。

 

 

 

 

 逆に言えば、その誇張される対象が無機質な雰囲気を内包しているもの程その演出は真価を発揮するってことでもある。この作品はエリオちゃんがアクセントとなって作られる雰囲気には無機質さがあるし、それで視覚的な効果を高める演出を多く取り入れることで怪しげな雰囲気がより強調されているように感じました。まさにベストマッチ。

 

 

 

 

 第1話のエリオちゃんが椅子に座って足を揺らしている所のローアングルだったりとか。前があまり見えないから、バランスを崩して椅子から転げ落ちる時に垣間見えるパンチラの角度だとか。他にもエリオちゃんの唇をドアップで映してきたりだとか、キャラクターに表面上でも不思議な魅力を出させて、本格的に内容に絡み出す期待感を煽るような魅せ方がすごい良かった。

 これは僕の語彙力では全てを語り切ることは難しいですし、視覚的な面白さだと思ってるのでぜひ観て楽しんで頂くしかないですね。本当に素晴らしいです。

 

 

 

 

 あとこれは余談ですけど、OPの「Os-宇宙人」も作曲者が元引きこもりであるというリンク性もありますし、切り絵風の平面レイアウトを多用しながらエリオちゃんをアクセントとなって奇妙な世界観を表現した映像も見事。EDの「ルル」も思わず眠くなるような、夜になるほど心が安らぐ深夜アニメらしいものになってます。ぜひ楽曲面でもお楽しみ頂きたいなと思います。

 

 

 

 


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