無職転生~異世界行ったら本気だす(1クール目)感想
こんにちは、ゼクショーです。
8月も終盤ですね、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回から不定期更新という形ではありますが、アニメレビューしていきたいと思います。
記念すべき1作目は、「無職転生~異世界行ったら本気だす」です。
来期に2クール目の放送を控えていますが、今回は1クール目の感想となります。
1作目は何にしようって、ずっと考えてました。
オタクになるきっかけになったアニメとか、最近観終わった新作アニメとかね。
でもいきなりマニアックすぎる作品を紹介するのもあれですよね。
ならば、流行りのジャンルで何かご紹介できないかと。
昨今のアニメの流行しているジャンルが、「異世界転生・召還モノ」。小説投稿サイト「小説家になろう」から書籍化された作品がアニメ化する、いわゆる「なろう系」がテレビで観られるようになってきてますよね(勿論、それ以外の作品もあります)
分からない方のためにざっくりと言うと、このジャンルは、ある人間が交通事故、あるいは過労死などの死因で別の人間に転生、またある場所に行ったら突然別の世界に召還されたりだとか、そういうものです。
じゃあその中で、自分の中で一目置いてる作品なんぞやと自問自答しました。そんでご紹介しようと思った候補いくつか作りました。その中で一番旬だなと思ったのが「無職転生」。
今回僕が取り扱う、「無職転生」はそのなろう系にあたる作品です。ジャンルもタイトル通り、異世界転生系。
ざっくりと冒頭の流れを言いますと。
主人公は34歳童貞。学生のときにいじめを受け、家族からも虐待をされ約20年もの間家で引きこもりニート生活を送っていた。
ある日、葬儀の日に家族から家を追い出され、行く当てもなく外を彷徨っていると、トラックに轢かれそうになった女の子を見つけた。急いで駆けつけると、その子の身を守るようにして、自分が轢かれて死亡。そして目が覚めると異世界で、赤ちゃんとして転生していることに気づく。
シナリオとして見るなら、ここまでは普通の異世界系アニメです。他の異世界系作品でもこんな展開はざらにあります。
そんで序盤で訳分からないチート能力発現して、その能力のインフレが止まらなくなって、気が付けばワールドクラスの無双状態、ついでに美少女ホイホイハーレム祭りの始まりーーー!!!が、大抵の異世界系作品の流れ。
言い方を変えれば、面白い取っ掛かりと振りもなく進む、物語の濃密性を感じない、ご都合主義的展開のオンパレードということでしょうか。
でも「無職転生」は違うんです。
色々と素晴らしい所がありますが。やはり根本的に、
前世の記憶を持つ主人公が、しっかりと過去の自分に向き合って、「今度こそ本気で生きよう」と決心し、そのために努力する過程が丁寧に描かれているとこですかね。
前世の過ちと向き合う。これをやってこなかったのが昨今の異世界系。この決心が描かれるシーン自体を第1話でやるんですが、この入りで、驚きと不思議さで心が掴まれるんですよね。1本とられましたわ。
とはいえ、1クール目は物語的にはプロローグで、あまり大きな展開はないですし、謎を残しつつ、スローテンポで話が進んでいきます。
テンポ遅いから面白くないとは全然思わないですね。壮大な人生を描く物語ですから、大地をしっかりと踏みしめながら、時を刻んでいく感じで、逆にスケールの大きな没入感を生んでいて僕は悪くないと思いますよ。
先述した通り派手な回は少なかったですが、2話で魔法を魔族のロキシーから教わりつつ、前世の酷い待遇を受けたことで生まれた、外に出ることのトラウマを、彼女と共に過ごす中で乗り越える過程だとか、3話で不倫という重たいテーマを扱って、その問題を鎮めるために主人公が奔走する中で、「家族愛」を再確認させる回は、キャラクターの思い悩む描写が丁寧にやられていて、良かったと思います。
大きなネタバレになるので端折りましたが、僕の中で印象に残っているシーンは、2話の主人公がロキシーのことを師匠と呼んだ場面で、それに対してロキシーが返答しているところですかね。
「その呼び方はやめて下さい。あなたは私のことを簡単に超えてしまうでしょうし、自分より劣るものを師匠と呼ぶのは嫌でしょう?」
前後の内容をざっくりと言うなら、主人公には魔法の才能がありました。まあこれは普通の作品ではないので、この段階で、いきなりチート化したりはしないのですが。
魔法を極める時に限界を早々に決めないで、たゆまぬ努力をしていけば、いずれはその師匠よりも素晴らしい才を手に入れるポテンシャルがあなたにはある。だから師匠だとか、そういうたいそうな敬称で呼ばなくていいんだと。
人間は、一人では生きていけない生き物なわけで。
僕達だってそうじゃないですか。生まれた瞬間から6か国語ぺらぺらに話せる子供とか、いないでしょう?
必ず誰か自分より大きな人から、様々な知恵や考え方を教わって育つんだと。それが言葉だったり、計算だったり、家事だったり、色々ね。
いわゆるそういう人たちが親だったり、先生だったり、師匠なわけで。
でもそういう人たちも年老いてきて、できることにも、ある程度制約がかかってくる。
そんななかで様々な環境で色々なことの経験を積んでいった若手が、その「師匠」だと思っていた人たちよりも超えてしまうこともあるかもしれないってことじゃないですか。
いやあ、なんて素晴らしいセリフなんだ..................
上手くまとまらなくて話がこんな長くなってしまいましたが、
主人公が前世で人間として「本気で」生きていけば、本来当たり前に得られるものだったものを、「前向きに生きていけ」ということを促す周囲のキャラクター達と過ごしていく中で、気づいていく。
繰り返しになりますが、これを異世界系の作品のアニメで出来ているのが「無職転生」なのです。先人の異世界系作品がやってこなかったことを、添削と模範解答つきで示してくれるアニメ。
2話と3話だけ少し触れましたけど、シナリオ的にはこのあとツンデレキャラとかも出てくるのですが、熱く語るほど感想がないので、これくらいで。
あ~、あと、作画、それを動かすアニメとしてのレベルも高かった。
魔法の演出だったり、何より背景作画のレベルの高さがえげつないですね。
ついつい見入ってしまうだけじゃなくて、実際にあったら、歩いてみたくなってしまうんですよ。これはほんの一部。
こういう抜かりのない描写もあって、作品の没入感も高いものとなっているんですよね。
あとは、主人公のアフレコも良かった。
実は主人公の声を務める声優さんは、2人ほどいます。
前世の声(心の中の声、天の声みたいな認識で良いです)を務められる方と、転生後の生の声を務められる方がいるんですね。
そのうち、前者を務められる杉田智和さんのアフレコが、もう本当に良くて。
前世の記憶とファンタジー現象を照らし合わせたボケを言うときのアフレコだとか、女の子のフェチズム溢れる状況になったときの、興奮を隠せないアフレコだとか、本当に良いですね。勿論、物語を振り返る語り手のようなアフレコが作品の雰囲気に合ってて、第三者目線である我々も、自然とこの世界になじんでくるというか。そんな感じがしましたね。
異世界系を見るうえで大事なポイントになってるとこですが、女性キャラが可愛いです。
先述したロキシーは、ロリッ娘にして、アホの娘属性を秘めた青髪美少女。主人公と幼馴染設定のシルフィエットもいますし、乱暴だけど繊細さも兼ね備えるエリスもいます。もしかしたらこの先、2クール目でまた可愛いキャラが増えるかもしれません。
悪かったところは明確にはなかったですが、強いて言えば盛り上がる展開が少なかったところですかね。これも繰り返しになるんだけど、展開自体もスローテンポなんで、派手な回がなかった。
詳しいことはこの場では言いませんが、終わり方も、2クール目以降ありきってことを明らかに想定したかのような、風呂敷をかなり広げた印象の残る終わり方でしたね。伏線と思われるものは張りつつも、すぐには片づけない。他にやることあるからそのうちやっていくね~ってイメージ。
2クール目であっと驚く展開があるか、期待しています。
さて、いかがでしたでしょうか。
もっと短く書くつもりでしたが、ブログでのアニメレビュー自体が初めてだったもので、話がまとまらず、少し長くなってしまいました。
実は私、Twitterもやっておりまして、そこでアニメについても簡単に語っています。宜しければ見て頂けると嬉しいです。次回のブログの更新日もここでツイートする予定です。
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