憂国のモリアーティ 感想
前回のレビューはこちら
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
こんばんは。未だコロナワクチンの注射を1回も受けてない、ゼクショーです。
最近Twitterをみていると、ぼちぼちと「ワクチン接種行ってきたよ~」って報告を目にします。僕も来月に短期バイト控えてるんで、早くしたいんですけどね~。
早い方は、もう学校始まる時期かと思いますが、僕の学校はねもう少し休みあるんで、ゆったりとアニメを観させてもらっておりますよ。
さて、本題に移らせて頂きますが。
今回僕が取り扱う作品は、「憂国のモリアーティ」になります。
2020年秋に第1クール、そして前期に第2クールが放送されていました。特別旬の作品ではありませんが、原作がまだ連載中とのことで、一応語っておこうかと。
連載誌は「ジャンプSQ」とのこと。
そのさらなる原作、いや原典と呼ぶべきでしょうか。それは
かの著名な小説家コナン・ドイルが執筆した、「シャーロック・ホームズ」シリーズなんです。
原作だと、名探偵シャーロック・ホームズが主人公で、彼自身に舞い込んでくる難事件を解決するというのが、所謂正史の内容なのですが。
その一連の事件を起こすトリガーを作った、主な黒幕にあたる人物がジェームズ・モリアーティ。
今回取り扱う「憂国のモリアーティ」は、そのモリアーティ側が主人公。大革命が起こる前のイギリス、腐敗していた貴族社会に強い違和感を感じ、それを変えるために世界を暗躍していくという物語です。
原典をモチーフにしてはしていますが、独自な解釈を取り入れて展開が練り込まれています。
例えば、モリアーティは正史では一人だとされていますが、ここでは三人兄弟という設定です。
長男はアルバート(画像一番右)、次男はウィリアム(アルバートの左隣)、三男はルイス(ウィリアムの左隣)。
この中心となっているのがウィリアムなので、ウィリアムが「正史のモリアーティ」に一番近い存在と思って頂いて構いません。
この三人の成り立ちっていうのも特殊でして、冒頭で語られるんですが、まあそこはネタバレになるんで伏せましょう。
ところでゼクショーさん、肝心のこの作品、面白かったんか?って問われますと、忖度なくはっきり言いますと..........................................
人におすすめできる程度には、面白いとは思いませんでした。
悪かったところは、総括して言うのであれば、モリアーティ側を物語の軸とし捉えたときに冒頭で話したところの、モリアーティが自らの理想を貫く偽善の「悪」としてのバックボーンの描写の意味が、話が進むごとに薄れてしまったってことですかね。
これは、あとからもう少し触れますが。
それでもね、1クール目の前半のところは良かったんですよ。
下級の平民を蔑ろにする酷い扱い方をする当時の時代背景を思わせる描写だとか、モリアーティ側が彼ら被害者側と巧妙な交渉をして、その貴族を殺すまでのトリックのかけ方だとか、なんちゃって人殺しアニメがやるような意味の分からないファンタジックな殺し方じゃなくて、その貴族がやらかしてきたことの重みを、絶望を見せるような、そんな理にかなった殺し方をしている。
まるで、「DEATH NOTE」を思いださせてくれるような。
良い台詞もありましたよ。「たばこを吸ってる間に、(犯人を)始末しといてくれ」みたいなセリフとか~ね。最近のアニメにありがちな子供が背伸びしてイキってる感じの台詞じゃなくて、上品で、大人びたカッコよさがある。
まあ中盤になると、意外なタイミングで、意外な佇まいをした今作品のシャーロック・ホームズが出てくるわけですが。登場の仕方もカッコ良かったですね。
彼ら側の回想とかも入ったりして、ホームズ側の「探偵」としての生き様、ワトソンというこれも「正史」に登場した仲間との関係性、野望みたいなもののバックボーンをしっかりと描いてきて、モリアーティ側が悪を倒す「絶対悪」なら、ホームズ側はこれからの時代の表向きの「光」、「希望」のようなものになる..........この真逆性が良いですね。
この両者の関係がクロスする過程を上手く描いて、いずれモリアーティ側が討たれる、僕はね、そんな未来が見たかった。
2クール目で、その期待とは程遠いものになってしまった印象です。
1クール目のようなカッコいいモリアーティはいなくなりました。新キャラを結構出して、それを掘り下げていく描写が増えるんですよね。モリアーティ主導の貴族殺し~が主題ではなくなって、それを半分以上のボリュームでやってる。構成として間が悪いですし、もともとのテーマ性どこいったんやって話ですわ。
特に僕が気になったのは、ジャック・ザ・リッパーのキャラ設定として落とし込み方ですね。実在したとされる容姿、性別、職歴など、人物を特定する経歴が不明な連続殺人鬼ですが、フィクションで成り立っている世界観に、偶然同じ時代を生きていたとされているかといって、登場させられると思って出した。そんでこの作品独自の解釈を入れて、キャラを掘り下げる。多分これで1、2話ちょいくらい余計に消化してるわけです。
あのね~制作陣の皆さん、これはモリアーティ兄弟が中心となって、腐敗した貴族社会を変える物語ですよね?
1クール目でそういう振りを散々見せてきましたよね?
こういうフィクションのうえに別次元のキャラを主題として登場させて面白くする工夫がなされてない以上、その尺をモリアーティ三兄弟の掘り下げに使って、貴族殺しの流れに持って行って欲しかったですね。バックボーンが薄れてしまっている気がしてならない。
殺し屋のプロが手下にいるって設定は、この手の作品にはどちらかといえばあった方が面白くなると思いますが、シャーロックホームズ未読の素人が言うのもありますが、この設定は明らかに筋が通っていないし、正史に対するリスペクトに欠ける展開の用意だったのではないかって思っちゃいますね。
多分調べていくとより一層違和感を感じていく気がする。
後半にもわけあって女装するキャラが出てくるところだとか、モリアーティ陣営とホームズ陣営と、今度は突拍子もなく別の陣営のキャラを「今更かよ」ってタイミングで登場させたりとか、展開が二転三転してて、話の方向性を見失っていった感が色濃く出てましたね。
はっきりいって、こういうのって意味を感じないですし、キャラバランスが悪くなるだけの自滅行為だと思いました。
オチも個人的にはあまり好きじゃないですね。わがままかもしれないけれど、モリアーティが影で起こした難事件をホームズに解決させ、彼が犯人に辿り着いたところでモリアーティを追い詰めながらも、モリアーティ側は最後まで悪役らしい野望を貫いたまま死ぬオチを求めてましたが、そうはならなかった。ネタバレになるんで言いませんが、ホームズはカッコ良かったけど、モリアーティ側は最悪にカッコ悪かったっすね。
キャラ男ばっか出る癖に、男臭くならんのかいって思っちゃった。おいモリアーティ(特にウィリアム)、お前ら、主人公やろがい!!!!!!!
これが原作通りに行われているのであれば、尚更酷いですね。
ここまで語彙力のない拙い批判をしてきましたが、良かった点もなくはなかったので、挙げていきます。
良かった点は一つは、ホームズ陣営のバックボーンの描写の意味がブレなかったこと。彼が主人公の方がまだ気持ちよく観れちゃうくらい。推理が上手くいかないと、ひねくれたり、いじけたりだとか人間っぽい反応をしますし。
「憂国のモリアーティ」原作者脚本で、この世界観そのままに、彼を主人公にしたスピンオフでも同じ制作会社でアニメ化したならば、ぜひ観たいものですね。
二つ目は1クール目もそうでしたが、作画が終始崩れなかったこと。
まあ、これは制作会社が「Production I.G」だから、の一言に尽きますかね。
代表的な物だと、最近だと「ハイキュー!!」が有名どころですかね。観たことのある方なら分かるかもしませんが、試合を行うための体育館の絵の作り込みだとか、ネットの作画と選手の動きとそれを俯瞰するカメラワークの滑らかな動きだったり、素晴らしいアニメーションが披露されています。
この他にも、これも別作品になりますが、「PSYCHO-PASS」で華麗な銃撃戦が描かれたりだとか。
京アニクラスに繊細な絵と多彩な遊び心で魅せる、アニメーションを披露するわけではないけれども、作画崩壊を気にする間もなく見られる分には高水準なアニメーションを魅せてくれる制作会社ですから、上品な絵柄で、今作品を楽しむことができました。
2クール目最初の1話の泥臭い川の描かれ方も、良かったと思います。個人的には好きですね。
皆さん、いかがでしたでしょうか。
今回は前回のレビューで尊敬と、賛辞を贈らせて頂いた「無職転生」とは異なり、今回の「憂国のモリアーティ」は辛口も入ったレビューとなってしまいましたが、僕は「ここつまらないよ」~って言いたいとこは、忖度なしでこのブログで語らせて頂きます。語彙力がない身ですので、全て伝えられているかは不安ですが。
次回は今週の木~土の間で、更新したいですね。最終的な更新のお知らせについては下記のTwitterのアカウントで投稿しますので、チェックして頂けると嬉しいです。アカウントを持っていない方は、ログインしてなくても、見れると思います。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓