無職転生 ~異世界行ったら本気だす~(2クール目) 感想
前回の記事はこちら↓↓↓
皆さん、こんばんは。ゼクショーです。
はじめましての方は、はじめまして。現役大学生でアニメブロガーをやっている者です。
冬休みが終わって、今週から学校が始まりましたが、オミクロン株感染者が地元に拡大してきた影響でオンライン+対面のハイブリッド授業になりました。
東京三ケタ台突破を始め、再び各地でリバウンドが起こっているので、皆さんも引き続き気を引き締めて、感染対策を徹底していきましょう。あと、新成人式がありましたが、この現状もありますし、参加必須でないイベントに人が集まるところに行くというのが、もともと性分ではないということもありますんで、僕は参加しませんでした。決して後悔はありません。
さてさて、今回の記事はこのブログを設けてから、僕が最初にレビューを書いた作品の続きの話を語っていこうかなと思います。
2021年冬に1クール目、同年秋に2クール目が放送された「無職転生~異世界行ったら本気だす~」です。
1クール目の記事↓ ↓ ↓
この作品の概要部分の説明は、2クール目が放送される前の記事でしているので、今回は割愛させて頂きます。とりあえずライトノベル原作の作品であることだけ、頭の片隅にでも入れて頂けると幸いです。
原作を敢えて読まずにアニメで観た男が、その媒体の特徴であろう部分が、アニメでどう映えたのかというところも軸にして語っていこうかなとも思いますので。
あと前回の内容がどこが良かったかどうかが分からない、そもそもこの作品しらねえよという方は、ぜひ前回の記事を読んでから、これから僕が語っていく話を、読んで頂きたいと思います。
1. シナリオ面
時系列的に言えばターニングポイント後の世界観になりますかね。
ルーデウス一行は当てもなく旅をして、ロキシー一行はフィットア領の手がかりをつかむための人探しをする旅に出ることになる。
突然始まったロードムービー風ファンタジーを見せられても~、何が何だかチンプンカンプンなのが最初に抱く印象で。
伏線が多く残してしまったからこそ、振りの取っ掛かりを長く作って話を無駄に長くして、展開を引き伸ばし中だるみさせるのが嫌な人は、早めかつ、腑に落ちる回答を求めてしまうし、僕はせっかちな性格だから尚更そういう風に思っています。
1クール目が終わった地点で気になってしまうところ。
まず一番大きい肝になってくる部分は、魔力災害の規模は、そして原因は何なのかということだと僕は思っている。
最終回で出てきたルディ達の敵になりそうな強者っぽいキャラクターのやり取りだとか、ヒトガミの目的だとか、他にもやることはたくさん残っているけれども。まずは魔力災害の話題を解決しなければ元も子もないと思います。あれだけ壮大なオチで視聴者に見せてきたんだから。
そして今回この2クール目がそれを成し遂げられたかというと、正直に言うと、注文通りのものが見られたとは思っていません。
色々と言いたいことはありますが、個人的に良かったなと思っているところを、いくつか話していこうと思います。一概にこれが飛び抜けて良かった~っていうのがなかったんでね。
~良かった所~
①ロキシーの家族描写
ロキシー視点の話もいくつか展開されているんですが、今回扱うのは、ロキシーが里帰りをするというもの。
知り合いに提案され、嫌々故郷に戻ってくる、リグルド族であるロキシー。彼女は一族の特徴である「念話」を使うことが出来ない体質だった。
どれだけ遠く離れていようとも、同族であればテレパシーのようなもので意思疎通ができるという能力ですね。これを、ロキシーは生まれつき出来なかったよと。
周囲の声が聴こえないことで激しいストレスに苛まれて、疎外感を覚える。その影響か、家族に何も言わずに抜け出してしまうという過去を持っていることから、故郷であるのにも関わらずあまり思い入れがない。
戻ってきたものの、すぐに帰ろうと思った矢先に家族と出会うことになる。
テレパシーなしで、「ゆっくりしていってくれ」と言われるが、「もう帰ることはないでしょう」とすぐに出かけようとするロキシー。
この振りを完璧に回収する、ロキシーの情に訴えかけるような母の一言が家族愛に満ちていて良かったんですよね。
「せめて20年経ったら、またこの家に帰ってきてね」
我々人間にとって20年とは長いうえに一気に老け込む年数といえる。でもリグルド族は我々人間の倍の寿命なので、短く感じるものなのかもしれない。
ただ子の無事を祈る親からすれば随分と長く、寂しい時間だとも限らないので、ロキシーが何をしてどうしているのか、念話で推測することはできない。そういう切なさもこの一言だけで想像できるでしょう。
無事を早く祈りたい。そういう気持ちも勿論あるのだろうが、親とは、子の精神的な成熟を祈り、見守る立場。
この期間を短すぎてしまうと、ロキシーの長く旅をして、様々な経験をしたいという開放感と好奇心に満ち溢れた我が子の希望を否定することになる。重みのある言葉でありながら、優しさも感じさせる。
だからこそ「たまにでも良いから家に帰ってきて欲しい」というメッセージ性の説得力が増すんですよね。
そっからのパパママとの抱擁シーンは、我々視聴者の情に訴えかけるには、良い流れを作れていたんじゃないですかね?
②魔力災害の規模の描写
冒頭の方でも述べましたが。
僕が今回の2クール目を見るにあたって、一番気になっていて、なおかつ核心的な真理を求めていた箇所は、魔力災害どうなってんだよ問題。
それについて少しヒントになっていたであろう描写が、いくつかありました。
まず語りたいのは、視聴者の間では、ネットでは評判の良かったパウロ回。
2話くらい続きましたけども、僕が良かったと思ったのは、その後半の部分ですね。
魔力災害による死者、そして行方不明者の情報がパウロの耳に報告される描写が後半の方でありました。具体的な惨状の描写が描かれなかったのは少し残念でしたが、今回のロードムービー的内容の回答が見つからず、本作が遠くのものに感じていた僕にとって、知りたかったことに少し近づけたな~という印象を受けました。
続いては、終盤。フィットア領があった場所にルディ達が戻ってくる場面ですね。
フィットア領があったとされる場所は仮設テントが多く建てられ、被災者がたくさんそこにいるという悲惨な光景を目にする。
部下にあたる人物から、エリスの家族たちがいなくなり、町は愚か国としてももはや成立できなくなった領地の惨状を知ることになる。この地点で魔力災害の規模の大きさ、悲惨さをより思い知ることになる。
付添人として、このことを隣で聞いていたルーデウス共々衝撃を受けるわけですよね。
日本でいうところの中学生くらいの若き年齢でありながら、一人のボレアス家の令嬢として部下に早く状況を伝えさせようとするところは、パウロに「お前は魔力災害のことそっちのけで旅行気分でもしてたのか」と怒られていたルーデウスと比べると、こういう状況になることをあらかじめ想定していて、相当な覚悟をしていたというエリスの、精神的な強さを感じるんですよね。
それを隠しきれずに一人で泣き出してしまうところは、彼女の年齢的な未熟さも描かれていて良いんだけれども、こういうところは非常に緊迫感を感じます。
こういう展開をするタイミングにしては若干遅すぎるとは思うんだけども、僕がこのクールが始まるにあたって大きく求めていたテーマ性の描写としては、とてもストレートにやっていて良かったと思いますし、今回の2クール目のベストハイライトだったのではないでしょうか。
~悪かった所~
1クール目の記事でもお話ししたことですが。
転生したばかりの頃に、「今度こそ本気で生きよう」と、自分が起こしてきた前世での過ちにも一切向き合おうとしない昨今のおバカな異世界系アニメの主人公が多いなか、模範とも言える台詞があったルーデウス。
不器用な足取りでも良い。彼が少しずつ精神的な成長をしていく過程を見せていこうという制作陣の気概を感じさせる素晴らしい序盤でしたが、この2クール目のルディはその本気度をあまり感じることはできなかった。
勿論、旅先でデッドエンドとして街ゆく人々の問題、お悩みを解決したりというヒーロー的な役割は見られました。でも僕が思っている物語の主題は、この作品の登場人物が魔力災害に対してどう向き合ってるんかっていうこと。
特に、異世界転生人という特殊な境遇であり、物語の顔としての役目が求められる主人公であるルーデウスが、どうだったのかというのは、思い切り評価対象になってます。
パウロとの再会の回。2話あったうちの前半部分。
子供が攫われている様子を見て、人攫いの一味だと誤解し、パウロらのいた酒場を襲撃。この勘違い描写は目をつむるが、たまたまそこにあったパンツを被って興奮したり、酒場にいて相手をした女性キャラクターのエロ過ぎる衣装に興奮を覚えてムッツリ顔になるところ。
ひと騒ぎを起こしておいてこのタイミングで、下ネタ笑いを取ろうだなんてマジで不自然にもほどがある。魔力災害の手がかりを見つける云々の前になに浮かれてるんですか?(このあとパウロに指摘されますけど)なにパンツかぶってクソしょうもないヒーローごっこしてるんすか、旅行気分にでも浸っているんかこの野郎っていう印象しか感じませんね。
はっきり言ってギャグセンは全く感じない。まあギャグセンがなくても、タイミングをずらせば笑いを取れるっていう高等テクニックを使って笑いの部分を作っているアニメもあるけど、やるにしても完全にタイミングを間違えていると思います。
よくあるラノベアニメの悪い所が出ちゃったな~と。
そのことをパウロに指摘されながらも、その自分の旅行気分になっていたところを正当化しようとするのも、必死なアフレコでなんとかごまかそうとしてますけど、ディベート部分として何の面白さも感じることはできませんでした。
2. 演出面
OPの曲を流すとともに、ほぼキャラボイス無音で、これまでの時間経過を表す冒頭の魅せ方は、ロードムービー的な側面の強い今回のクールの話の取っ掛かりを作るには良い演出だと思いました。
あとはロキシー回のときに、ロキシー家にあったコーラっぽい飲み物の水の弾くアニメーションはきちんと炭酸味を感じられるものだったと思いますし、舞台背景の緻密さなど、深夜アニメ離れしたアニメーション部分の驚きは随所にありましたし、上品なファンタジー映画を観ているかのような気分を味わえてるものだったのではないでしょうか。
3. 音楽面
曲は全て、大原ゆい子さんが担当されています。シンガーソングライター恐るべしと言わんばかりに、作詞、作曲、歌唱ほぼ全てお一人でやられている。
「宝石の国」、「からかい上手の高木さん」の曲とかは非常に印象深いものがありましたが。
OPの演出は先ほど演出面で話した通りなんですが、EDの演出の部分も同様にアニメーションレベルの高さは感じられました。トマト投げつけるところだったりだとか、明暗の繊細な表現だったりだとか、まあ見たまんまの良いアニメーションだったんじゃないですか?ただ曲の整合性がどうだったかって言われると、微妙だったと思うし、物語がバシッと締まったかと言われればそれはちゃうでって思っちゃうかな。
~OP~
~ED~
最後に
皆さん、いかがでしたでしょうか。
今回はタイミング的には旬ではないかもしれませんが、このブログを始めるにあたって書いた記事である「無職転生」の2クール目の感想を書かせて頂きました。ファンの多い作品ではあるので、その方々にとっては少々きつい感想も書いてしまったかと思いますが、言いたいところは大体言わせて頂いたつもりです。
お知らせです。
次回の更新も金曜日です。レビュー記事を上げ続けてきましたが、来週は一旦お休みさせて頂いて、雑記形式の記事を上げていこうかと思います。
あとこれは余談ですが、このブログで語っていない作品についても、下記のTwitterアカウントで語っているので、もし興味のある方は覗いてみて下さい。
それでは、また次回お会いましょう。