ゼクショーのアニメブログ

主に深夜アニメ30分枠のレビューをしていきます。毎週金曜日20:30更新!!※2023年4月以降から第2金曜日の20:30に更新予定※

異世界おじさん 総評

前回の記事はこちら↓↓↓

 

 

 

 

 

xexiow06375.hatenablog.jp

 

 

 

 

 皆さん、こんばんは。はじめましての方ははじめまして。

 

 

 

 

 今年から就活生になったゼクショーです。色々な企業がWebエントリーを開始してるんで数社ほどエントリーしてきました。エントリーシートの書き方や面接練習など、バイトと兼け持ちながら着々と準備を進めてる段階です。前回の記事でもお話させて頂いた通り来月以降は特に多忙になる事が懸念される為、更新ペースを下げざるを得ないのが心苦しいですが。

 

 

 

 

 そういや、2023年冬アニメも続々と最終回直前の段階に入ってきましたね。そうは言っても話題性が突き抜けてたり面白さで惹かれた作品少ないし、全体的に不作な印象。今回はそんな今季からの新作ではないんですが、以前から幾度の放送延期を重ねてようやく全話オンエア完了した『異世界おじさん』をレビューさせて頂きます。

 

 

 

 

タイトルロゴとキービジュアル ※「dアニメストア」配信ページより引用※



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~作品概要~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 元々は2022年夏アニメとしてオンエアされた作品。新型コロナウイルス感染者の拡大による制作作業の遅延が相次ぎ、今月完結に至りました。KADOKAWAで運営されているWebマンガサイト『ComicWalker』にて連載中の作品になります。制作はこの作品が初元請となるAtelier Pontdarcが担当。

 

 

 

 

 交通事故に遭って病院で寝たきりだったおじさんが17年ぶりに意識を取り戻すと、意味不明な言語や魔法が突然使えるようになっていた。世代の離れた甥に匿われて、その時の経験談を動画配信業への活用や溢れんばかりのSEGA愛を交えながら彼やその知り合いたちに語っていくコメディ。簡単にあらすじを話せばこのような感じでしょうか。

 

 

 

 

 所謂主人公が現代とは違う世界に召された後のテンプレ展開とは全く逆のことをする触れ込みで展開している、逆転生モノです。制作遅延の一件についてあれこれ言うのは置いておきまして、それで散々待たされた割には最後まで面白かったのか?.......................結論から言うと期待通りのものが出来上がってきたとは全く思えませんでしたね。

 

 

 

 

 これから、その理由について率直に語っていきますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本題

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕が冒頭で述べたあらすじはPVでも確認できる触れ込みだったんですけど、まぁ素直に面白い設定だな~~って思う訳ですよ。ある種テンプレにテンプレを重ねまくった様な異世界転生モノへの皮肉が効いててね。

 

 

 

 

 何のとりえもないヒキニートがVRMMO的な世界で偶然美少女プレイヤーを都合よく口説いて、分かり切ったかのようにハーレム展開かます。彼女と共にゲームクリアした後も、自由恋愛が続いてるみたいな出来過ぎた話が多いんすよね。自分がとりえのない事に怯えることもなく、何も苦労もせずに手に出来る勝ち組人生ほど安いものはない。

 

 

 

 

 そのテンプレが当たり前やと割り切ったかのように、くどくて臭い口調で会話のドッジボールみたいなのを延々と続ける作品なんて腐る程見てきた。アニメ化されたその原作の出自調べるうえで『小説家になろう』とKADOKAWAの名前がよく出てきますが、そのKADOKAWAさん自らその流れを否定する怪物を放ってきよったわってなりましたよ。それに今の流行りに乗っかってYouTuberやり出すって設定がもうキャッチーだし、新しいしね。

 

 

 

 

 その良さを活かした序盤はめちゃくちゃ面白かったですよ。特に秀逸だったのは第2話のジェネギャ描写。

 

 

 

 

 おじさんが異世界にいた時の間に、現実で時間が進んで知らぬ間に色々な物事が日々変化していく。仏教の言葉で"盛者必衰"って言葉がありますけど、色々な新しいものが台頭してきて古いものはどんどん廃れていくもの。彼が異世界から帰ってくるまでの空白の17年間が生み出した、ある意味壮大なジェネレーションギャップをかます描写が凄く上手かった。

 

 

 

 

 当時20歳前後だったおじさんが昏睡状態に陥ったのは2000年。今回のジェネギャに使われた例は、大みそか枠になる前の『笑ってはいけない』、『こちら葛飾区亀有公園前派出所、『笑っていいとも!の3つ。

 

 

 

 

 それぞれの終了時の時期をしっかりと時系列上に並べ替えたうえで、おじさんがそれぞれの事実に驚く魅せ方をしたことがしっかりと辻褄が合っているんすよね。その中でも甥が言った『笑ってはいけない』ってワードを聞いて、「タモさんどうしちまったんだよ......!」って聞き返すおじさんに甥が「いや後番組の方じゃないよ」って返すすれ違いコントが秀逸。

 

 

 

 

 「笑ってはいけない」シリーズそのものが始まったのは2000年代前半以降だから、おじさんがそもそも知らないって事にも合点がいく。前述の2つを振りにしてるから、流れとして美しかった。しっかりと調べて魅せてくる笑いってやっぱええよなと。

 

 

 

 

 そのあともYouTuberとしてどんな事してるのか職質を受けるリアルな笑いもあったし、YouTubeで稼いだ金を使ってAmazonでお米を頼む下りみたいなシュールな笑いも適度に笑えました。エヴァのアスカネタを交えて恋愛ネタ話すのも鉄板ではあったけど、良かったっすね。SEGA公認のもと、がっつり本物の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(メガドライブ版)のプレイ画面流してくる等のSEGAネタもふんだんにあって、成る程成る程といった感じです。

 

 

 

 

 ただこの作品の最大の問題点は、異世界パートの使い方にあるんじゃないかなと。これを必要以上に長く取り過ぎている。

 

 

 

 

 おじさんが異世界で生活した体験談をモニターに投影して、それを観る甥とその知り合いのリアクションを我々が見せられるというもの。

 

 

 

 

 例えば、特徴的な顔面のせいで、オークの末裔と間違われて人々に蔑まれ処刑されかける下りがある。

 

 

 

 

 おじさんの顔芸も相まって最初は笑えるんですけど、第1話からこの下りをず~~っと繰り返すんで早いうちに飽きてしまった。エルフ、森の賢者、世界を救う勇者_____________この3人のヒロインから当たり前のように惚れられて。でもおじさんってめちゃくちゃ価値観ズレてる所あるから、恋が実りそうな良い感じの流れの後にナチュラルに振ってしまう。最初は異世界人と言語通じなかったけど、変な神様的なキャラが出てきてあっさり使えるようになる。

 

 

 

 

 一番つらいのがこれがず~~~っとワンパターンで続くって事なんですよね。そのハーレム展開もシナリオ的に大きくひねってくる訳でもなく、次第には頼みの綱である現代パートすら減らしていく。後半パートが特にそれが顕著だったかな。

 

 

 

 

 あれあれあれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?おっっかしいぞぉ~~~?異世界系のテンプレを逆手にとったはずの作品が、逆に延々とテンプレ見せられるようになるこの地獄絵図。実に滑稽だねぇ。結局糞みたいに量産されまくってるKADOKAWA系列の異世界作品と何も変わってねぇじゃねぇかよ。

 

 

 

 

 我々がPVから求めていたはずの"異世界から帰ってきたリアクション芸人"ではなく、『ソードアート・オンライン』に出てくる例のクソ女たらし主人公をセガおじさんに設定ごと当てはめただけの醜い代物が出てきただけ。

 

 

 

 

 長い時間をかけて出てきた肝心の最終回もほぼ丸々異世界パート。なんか続き匂わせるような終わり方してましたけど、延期してでもその作品が出せる最高クオリティで出してきた先人たちのアニメには及ばないでしょう。2期が来てこの調子のままだとしても、全く期待できないしついてけない。だって序盤で見せた設定の良さを自ら潰していってしまったもんね。