転生したらスライムだった件(1、2期) 総評 【~前編~】
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皆さん、こんばんは。
はじめましての方は、はじめまして。
現役大学生のゼクショーです。
今日は『すずめの戸締まり』の公開日ですね。週末に近い事もありここ何日かは映画館が混む事が予想されるんで、翌週以降の混みにくい時間を利用して行こうと思ってます。
さて今回は、同じく今月に劇場版の公開を控えた、あの異世界系ラノベ作品をレビューしていきます。
『転生したらスライムだった件』になります。
~作品概要~
原作はWEB小説投稿サイト「小説家になろう」発の、異世界転生系ラノベノベル作品。制作は今期だと『ブルーロック』や『ヤマノススメ Next Summit』を制作しているエイトビット。
2018年のアニメ化を皮切りに、現在第2期までオンエア済み。映像化する前から人気は高く、当時は全関連書籍売上300万部以上行っていた化け物。現在は、その15倍以上の売上結果を出しています(※ソースはWikiPediaより※)。関連書籍込みではあるが、原作付ラノベ作品としては非常に歴史的な記録だそうな。
スピンオフの『転スラ日記』については語らずに、本編の第1期までの内容について触れていこうと思います。2期に関しては来週語ろうかと思ってます。
先に結論から言うと、クオリティは決して悪くないけど話は結構ツッコミ所多い印象を受けました。
この作品に限ったことではないが、回を増すごとに展開のキレが落ちてスケールダウンする所があるのは否めない。ただ中々切るにも切れない魅力はしっかりある作品だと思うので、気になっている方に向けてそのポイントについても掘り下げていこうかなと。
①1クール目の印象について
はっきり言っとこう。1話の導入部分はマジで最悪です。
主人公は日本のサラリーマンで、ある日突然通り魔に刺されてスライムのリムル=テンペストに転生する。
その直後が問題で、主人公の心の中に語り掛けてくるナビゲーターみたいな奴が現れて、そいつに導かれて色々と能力を開花させていく流れになった中での事ね。
新しいスキルの入手時や主人公にヘルプを頼まれた時のナビの機械的な台詞もそうだけど(それが律義に文字で表示される所もやけに堅苦しい)、主人公が素材を採取してポーションを作り出す描写におけるリアクションの取り方が、いちいち解説口調なんですよね。
似たような事してるポンコツ異世界系モノ全部に言っておきたいけど、この手の展開って必要以上に設定を種明かしして、視聴者に展開を想像させる楽しみを奪ってるだけじゃん....って思っちゃったんですよね。物づくりの段階をあんま踏まない感じが逆にわざとらしく感じちゃったし、何より主人公の人間的な面が出にくくなってる(人じゃないけど、感情が抑制されるって設定も特に示されてないし)。こんなくっどい感じが24分間ずっと続いた訳。
放送当時高校生だった僕はあんな地億みてえな回見せられて、こんな調子で2クールも駆け抜けられっかよ.....とは正直思ってました。まぁ説明回だからもうちょい様子見よって感じで観てたら、これがガラリと印象変わったんすよね。
特に3話以降かな?リムルが回を増すごとに俺TUEEE描写が大げさになってく所があるのは仕方がないけど、知人や仲間を増やしていくんですよ。彼らと接していく展開の流れで、我々の感情を揺さぶるような描写が増えていくんですよね。
ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジが麦わらの一味に加わった後の『ONE PIECE』を思わせる、子供でも大人でも"少年の心"を呼び起こされるような展開がたまに出てくるのも熱い。
最近の異世界系アニメってどれもそうなんだけど、最弱の種族がスライムだったりゴブリンだったりでよく描かれたりすることが多いんすよ。この作品も例外ではなく、この2種族は特に低いランクで扱われているようです。彼らが足踏み揃えて成長していく描写やリムルとの掛け合いも印象深い。
特にそうだな。普段はヘタレだけど、決死の修行で強くなっていくゴブ太の戦闘シーンとかクソカッコ良くて個人的には好きなんすよね。成長の見込みを感じるって意味ではリムル以上に主人公感出てるから、彼単体でスピンオフ作品作って欲しい位まである。
そのゴブリンが序盤で仲間になる訳だけど、彼らのリムルまでの異常なまでの忠誠心がギャグテイストで成立してんのも和む。リムルが魔力切れで寝込む時は神社の神みたいに祀られてる光景とかシュールです。キムタクのパロをやって大人を笑わせる展開もあるし。
この他にもドワーフとか、オークだとか、RPG世界の定番となってる様々な種族が仲間になっていきます。ドワーフ回の話だったり、6話のシズさん回とか単純に泣けます!シズさん自体クソ可愛いし、その意外な過去含めて感情移入がえげつない。
閑話休題的な日常回を唐突に挟んで中だるみ起きてんぞ~~とか、転生後最初に出会ったとある重要人物とリンクする描写をもっと増やして欲しかったとか...........まぁ色々言いたい所あるけど、総じて面白かったと思いますよ。
...................................ここまでは、ね。
②2クール目の印象について
またもはっきり言わせて頂きますね。総じて、個人的に感情が入っていける回が少なかったって意味では落差は凄かったなと。結局1クール目がピークやったんやと、正直に思いました。改めて見返しても思ってたけど、特に序盤の1~6話あたりが素晴らしかったんだなって。
リムルってのは転生したての頃は立派な目標なんて持ってなかったけど、シズさんはそういった意味で彼がこの世界で生き抜く指標を見つけるきっかけをくれた。彼女との出会いそのものが、凄い重い意味のある展開だった訳です。
重大なネタバレになるからあまり話せんけど、リムルをそこまで変えさせる程の大事な人だったんですよ。きっと、原作者の伏瀬先生もそこの思い入れが強すぎたのが災いしたんでしょう。
1クール目とは違った種族とまた戦っていったりすんだけど、そこのアクションだけでは盛り上がらない。戦闘力的にもかなりの上位種のモンスターがリムル達の前に現れたりとか、2期以降で掘り下げられそうな展開はちょくちょくあれど。
結局最後の最後までそのシズさん回の地続きでしかない魅せ方で、あれ以上のワクワク感や感動を味わえなかったっていうのが正直なところですね。
終盤に出てくるある登場人物たちも、シズさんの形見みたいな存在って所があるし。彼らにリムルが接して感動を味わえっつっても、1、2話で終わらせたはずのシズさん回の設定の後付け感は否めないんで感情が引っ張られないし。
勿論、良い所はありますよ。
波がしぶく時のアニメーションの動きだったりとか、アクションだと敵を血しぶき浴びせて爽快に切り刻むところとか、CGに頼らずにほとんど手描きでやれている所は非常に熱量を感じます。
この手の作品って、キャラクターが剣で切られてんのを描きたがらないうえに、コスパと効率の面を考えて面倒なもんはCGに逃げようとする制作会社が多いですから。2クール観れたのは単純に話のテンポが意外と悪くならなかったってのもあるけど、こういうアニメーションが比較的好きだったってのが1番でかいかもしれないですね。ゴブ太が戦う所とか、相変わらずアツいしカッコ良いし。
あとは出てくる女性キャラクターが意外と可愛かった事も地味にでかいですかね。後半にいくにつれて女性キャラ増えて、日常回でも彼女たちのお色気シーンが観れたりとか、アフレコに入られている方々も実力派が脇を固めてて大変良かったなと思うし。話は面白くなかったとしても、そこで癒されていた部分は確かにあります。
特別嫌悪感ないし、内容的にも深く語る所が特にないからこんなざっくりとした感じになっちゃったけど、まぁ異世界転生系の作品を押さえておくうえでは外せない1作だとは思います。面白いものを観たいって場合は別だけど。
多少の粗は感じるけど、視聴者のタイプを問わない親しみやすい雰囲気はあったんじゃないかと。人気が急激に高まってんのも頷ける位、万人に愛されるポテンシャルはあると感じました。
最後に1つお知らせです。
本当は2期の分まで語ろうと思ったんですが、さすがにキリ悪くなるので次回の火曜日にその分を投稿しようと思います。通常の更新は金曜日ですが、これだけの人気作の長編ともなると語らないのも勿体ないので。
劇場版公開を機に観て観ようと思っている方はね、ぜひこれを機に2期も含めて見返して頂きたいと思います。