怪病医ラムネ 心につけこむ奇妙な病を治す、奇跡の芸術家
前回のレビュー記事はこちら ↓ ↓ ↓
皆さん、こんばんは。ゼクショーです。
バイト慣れてきたけど、マジできつい。
あ~ちなみに、農作業系のバイトです。
主にねぎを扱ってまして、っていうか僕は、ねぎしかやってないんですけど。
前にも言ったと思いますけど、これが結構きつくてですね~、
ただでさえ体力がないのに、90m以上あるねぎの畑を一人で掘り進んでいくっていうのを一昨日にやりまして、そのせいで利き腕の筋肉痛が激しいんですよ。やめてくれえよ。
収穫をしないときは楽かと言われればそうではなくて、人手が少ない時はねぎの皮をむいたり、ごみを回収したり、詰める用のねぎを束ねたりそれを入れる為の箱を作ったりと、このいくつかのパートを臨機応変に回らなくてはならないんですよね。
ねぎの皮があまりにも散乱しているようなら、掃除もやらなくてはならなくて、面倒くさいです。
そんな作業をかれこれ1か月やってきまして、待望の給料が来週に入るので、ドキドキワクワクであります。
何買うか迷ってますけど、とりあえず欲しいのは...........
2021年春アニメとして、放送されました。面白かったですよね、これも。
このすばの作者さんが書いているやつです。
この作品も本当は語りたいくらいなんですが、今回は別の作品を語らせて頂こうと思います。
皆さ~ん!!ついにきましたよ!!!ついに語るときがきました!!
あの作品ですよ、あの作品!!!!
はいは~い、今回は2021年冬アニメとして放送されました、「ウマ娘 プリティーダービー Season2」をご紹介s..........
とはいきませんでした~~~~~!!!!
2021年冬アニメ、「怪病医ラムネ」をレビューします。
原作は漫画。完結済みでございます。
まあウマ娘が人気になる理由も分かりますし、制作側の競馬に関するプライド、解釈の面白さが如実に表れたストーリーが世間の高評価に直結する理由もよく分かりますし、唯一無二の魅力を持った素晴らしい作品であることは、悔しいけれど僕も認めております。
ですがこの作品も、同時期に放送されたウマ娘ほど日を浴びるような作品ではないんだけれども、ウマ娘でも出せないような、唯一無二の引きつけ方があったのではないかな~と思っております。
ウマ娘だけではなくてですね、このクールというのはビッグタイトルの続編が相次いで出たクールでして、「約束のネバーランド 二期」、「Re:ゼロから始める異世界生活 2期」「進撃の巨人 The Final Season」、「BEASTERS 2nd Season」、「ゆるキャン△ Season2」、挙げられるだけでこんだけあります。
知名度的にはこれらの作品に隠れがちだった印象ですので、今回はご紹介しようかなと思い至った訳です。
第1話のネタバレ以外は、そんなに核心に触れるほど長くは語るつもりはないです。
1. シナリオ面
さきほどはウマ娘を引き合いに出して申し訳なかったのですが、はっきり言って、お勧めできるとは言えないアニメだな~と思いました。
前半だけみて切って頂くでも構わないってくらい、前半が面白過ぎたってことだけは言っておきますね。今から話しますが。
この作品は前半と後半で若干作風が異なりまして。
まあ、基本的なコンセプトとしては悩みや煩悩を持っている人々の心の中に入ってくる怪、それによって身体に引き起こされる奇怪な病気、普通の医者では治せないような「怪病」を持った人々と、主人公のラムネちぇんちぇーがその原因を突き止めていくっていうストーリーなのは変わりません。助手のクロ君も添えてね。
前半はそれを、基本的には一話完結型形式でやっていくんですよね。
まあ物語のとっかかりを作るために、まずは幻想的ともいえるような、怪病の設定の紹介から始めるんですが、その冒頭から掴まれるんですよね。
息子の部分がちくわになったり、耳が餃子になったりとかね。
この地点でぶっ飛んでるでしょう?なんてばかばかしいんだって思いませんか?
肝心の怪病を治す過程の話なんだけれども、第1話の内容を踏んだうえでどこが面白いと思ったかを話していこうと思います。
琴という名前の天才子役の女の子が、ある日突然目からマヨネーズが出てきた~っていう冒頭から始まるんですよね。
この地点で、奇想天外でなんて馬鹿馬鹿しい設定なんだっていう、視聴者の逆をついた面白さがあるんですが。
自分が厳しい子役のオーディションを受ける前までは、母親は大好きな鍋料理を振る舞ってくれたり、とにかく愛情を注がれて育ってきた琴。
ところが受かったあと、母親はあれこれ仕事をやれよと言わんがばかりに急かしてくるようになり、家には少し前まではなかったブランド品ばかりが増えだして、食事も手作り感のある鍋料理ではなく、スーパーの半額弁当になって、まともに食べれなったり、目が虚ろになるくらいにまで精神をすり減らしていくことになる。
もうこんな生活したくない、仕事を辞めて、あの時の鍋料理を食べているときのようなあの日々を過ごしていたい。でも、母親はステージママ化してるから、とても簡単には逆らえる状態ではない、そんな願望は抑えて従うしかない、それを我慢する代わりに目から調味料のように溢れる怪病にかかってしまう。
バックボーンとしては弱くないし、この喜怒哀楽の表現を調味料に例える表現が斬新で非現実要素を通していかに面白く魅せられるかを試せる利点があるアニメという媒体を通して、いかんなく表現していたのは面白かったですね。
で、ラムネ先生がそれを治す過程というのも、丁寧に治して無理やりきれいごとで終わらせようとしがちな安い作品と違って、患者やその付添人に怪病が起こったことによる絶望、事態の重みを知らしめて更生させていくっていう荒療治的な手法でやっていて、これが凄く爽快感が生まれているんですよね。
今回の第1話に関して、簡潔に言うならば、琴の母親が、琴を傷つけることで得たものを受け皿にして怪病を治すというものです。
琴がラムネ先生のところを訪れてもらったものは、調味料が出るかわりに本当に思ったことしか言えなくなるお茶と、調味料が出るのを一時的に止める代わりに身体に負荷をかけるコンタクトレンズ。
どういうことかというと。
いっそ覚悟を決めて「お母さんが作った料理が食べられる、あの温かい日常に戻りたい」という本音を言って母親を説得する道を選ぶか、母親を困らせないために調味料の蓋を閉じて自分を追い込んでいく道を選ぶか、この二択を迫られてるってわけです。
あんなひどいお母さんでも逆らうことは怖いから、後者を選ぶわけです。そして、ある番組の収録日。
体が重くなり、途中で倒れ込んでしまいます。
これも仕事による心のストレスが溜まっているっていうところを、大きなびんに入った調味料が増えて器が割れるっていう秀逸な演出を添えた比喩が使われていて、そこんとこがこの作品がもっているストイックさが感じられて、面白いんですよね。
娘さんの将来の夢は何かと、インタビューを聞かれているときに母親が「将来は子役の枠に囚われず、いずれは大女優になりたい」と琴が望んでいないことをマネージャー面して、実の子に愛情を向けずに金を優先したかのような、相変わらずの毒親の姿勢を崩さない。
このままではまずい。
怪病の原因は母親にあると踏んだラムネ先生と、その助手クロが現場に飛び入り参戦。
感情を隠して母親に従う道を選んだ琴に「同じ迷惑をかけるなら、感情を表を出すか出さないか、好きな方を選んで迷惑をかけろよ」と諭しつつ、怪になった原因になったのにも関わらずそれに向き合おうとしない琴の母親に対し、「琴には相当な量の調味料が溜まってる危険な状態だから、その受け皿を作るためにその代償を支払ってもらう」と要求する。
結果的には、琴の感情を犠牲にして得た道具の数々を犠牲にして調味料にする事で、怪病を治します。
一歩間違えれば患者の命を壊しかねない荒々しい方法なんだけれども、患者と医者、双方に精神的、肉体的な打撃を与えない理想的な治療じゃなくて、上辺だけの綺麗事を言わさせないような非常に清々しい治療法なんですよね。
患者やその付添人に病の要因になった絶望の重みを、ずっしりと受け止めさせて更生させるってところが良くて、昔小さいときに観てた、命と私欲を天秤にかけて大金を要求する某医者が出てくる「ブラックジャック」のような気持ちよさを感じましたし、そこが最高に面白かった。
前半は、まあパターンが一緒だから既視感はぬぐえないけど、また違ったテーマで怪病の設定で引き込ませてからの、その怪病の原因を突き止めていく気持ちいい流れを短編に集約させるっていう方式が凄いハマってましたね。
1~5話あたりまではこんな感じになります。
問題だと思っているのが、第6話からの後半戦でして。
手軽で見やすい短編形式でハマっていたラムネが、急に回を跨いで成立させた長編をやりだすんですよ。
これをやってしまうことの懸念材料って、前回レビューした「魔女の旅々」もそうなんですけど、短編で入れてきた情報量の入れ方、それが入ったシナリオの展開同士の化学反応の工夫だとかが通用しなくなるってことだと思うんですよね。
紙コップってある程度決められたサイズがあるんですけど、その規格が大きくなる当然ながら入れられる量が増えるじゃないですか。でもそれは逆に言うと、入れられるものが増えたことで、詰め込み過ぎて紙コップが形を保てなくなるほどにパンパンに入れちゃうと、その分の損が大きくなるって考えられるんですよ。
つまりは与えられる情報量と、それを面白い方向に生かす仕掛けを多く入る作業が増える、なおかつ作品のバランスを成り立たせるそれぐらいのテーマ性を持った話を書かないといけなくなるってことだと思うんですよね。
短編に集約させてきたテンポの良さだとか、パターンが同じになってきたことによるマンネリ感だとか、怪病の原因を突き止めていくという爽快感が生まれるまでのスピードが遅くなったりしてどんどんつまらくなっていったので、残念でしたね。
ラムネが怪病医になるために何をしてきたかっていう過去回想だとか、クロにまつわるちょっとしたハプニングだとか、あるいはそんな二人が出会った頃からの関係性だとかを示していく展開があるんだけど、絆や友情を見せるには掘り下げが足りず、打ち切り漫画のような終わり方にしたのは気に入らなかったですね。
ラムネ先生を中心としたギャグシーンの掛け合いは、ポップすぎてあまり面白くなかったけど、まあそこは目を瞑りましょう。
2. 演出面
時間がなくて、実際のカットの画像は一部しか用意できず、文面だけでの語りになっでしまうんですが、僕が良かったと思ったところを少し語っていこうと思います。
原作の漫画だとどこまでが本当なのかがわからないんですけれども、この怪病の設定だけでなくて、その奇怪さを如実に表現した演出が、良い意味でアニメらしくて、ユニークで面白かったですね。
さきほど紹介した第1話で、母親にあーだこーだ言われて、琴の体の中に溜まってくる心のストレスを様々な調味料で表してみたりだとか。
また、第5話と第6話で回を跨いで展開される「餃子の耳」というお話。
時間がなくて画像をご用意できなかったんですが、聞いてもよい声と、聞かれたくない声とで分かれ、後者であると判断されると閉じて人の声が届かなくなる餃子の耳の怪病にかかってしまった母親と、その問題に奮闘する息子の話なんですが、これは先ほど紹介した演出よりもわかりやすいとは思うんですが、呼びかけてくる人の声を文字の羅列にして画面に表示させて、彼女の耳にぶつかったときに反射するっていう演出が、現代的でポップなオカルティズムを感じさせるものになっていて、個人的には高評価でしたね。
アフレコ面は、可も不可もなくって感想になります。
ただね、ラムネ先生の中の人が内田雄馬さんだったことは、最近のアニメキャラによくいがちな反抗心剥き出しのガキらしさ、常人には分からない美学を貫こうとするキザっぽさ、そういう男が嫌がる様なウザさっぽいキャラクターでない、言いかえれば掴みどころがないラムネというキャラクターの特徴を掴んだアフレコを実現させるには納得の配役だったんじゃないかなと思っております。
3. キャラクター面
登場回数が少ないキャラクターが多いので、ほんの一部だけご紹介します。
ラムネ先生。
普段はズボラで、人の気分を損ねる発言を連発しているお調子者ですが、怪病に対する原因を突き抜ける才がある。患者の情に入れ込む医師らしい一面もある反面、命と私欲を天秤にかけたうえで私欲を優先する者、怪を軽視し、それに向き合おうとしない者は激しく𠮟ろうとする一面もある、アニメらしい綺麗事は並べないようなキャラクターです。
この作品の面白さは、ほぼ全て彼の一言にかかっているといっても過言ではないといえるでしょう。
続いて、クロ。
冷静沈着、無表情のキャラクターです。
まあいわゆるツンデレ枠で、自分の感情をあまり表には出さないけれども、ラムネの医者としての素質は信頼しているところがあります。おやおや、人間性についてはどう思ってるんだろう?そこんとこを話すと重大なネタバレになりますから、ぜひ本編を観て楽しみにして頂きたいですね。
4. 音楽面
特別、音楽面で心に響いたところはなかったですね。
OPはラムネ先生の中の人である内田雄馬さんが歌われていますが、僕はファンではないですし詳しいことは分からないけども、ラムネ先生がカラオケで歌われているかのような声で歌われている姿勢は、そこはかとなく感じさせるものだったと思います。
EDはsajiさん。最近このアニメを観返して気づいたんですが、「かげきしょうじょ!!」のOPを歌われていた方だったんですね!びっくりドンキホーテ激安の天丼ですわ。
ベタベタに解釈するなら、ストレートなラブソングってことになると思うけど、完全にこれはクロ目線の歌詞だとしか思えません。
印象に残るほど良い曲だったとは思わなかったけど、歌詞はクロのツンデレっぽさを分かりやすく表現していたものだったと思います。
「言葉はいつも不器用だから」「夢が醒めないように なんて言ってみただけ」
こういうフレーズはクロを感じちゃいますね。誰がホモだこの野郎。
いかがでしたでしょうか。
前回のレビュー記事は1万文字以上の、行数多めな記事だったんですが、ラムネはぶっちゃけ語れることが少ないので、短めになってしまいました。
来週もこの時間に更新します。次回はロボットアニメ尽くしの「2021年秋アニメ」、その中で僕が最も興奮したあの作品の第1話をピックアップして語りたいと思います。
それではまた、次回お会いしましょう。
Twitterもやっております、ブログで触れていない作品についても語っております。
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