魔女の旅々 これは、灰色の髪をなびかせた魅惑の魔女が綴るリテラチュア。
前回のアニメレビュー記事はこちら ↓ ↓ ↓
皆さん、こんばんは。ゼクショーです。
以前、ソードアートオンラインの記事にてゲームの話を軽くしたので、読んだ方は大体察しがついているかと思うのですが、僕はPlayStation4ユーザーであります。
オタクと呼べるほど家にあるゲームはそんなには多くないのですが、PlayStation Nowという過去のゲームが遊び放題の定額制サービスでよく遊んでるんですよ。
昔は最低でも年3本以上のペースで、少ないお小遣いを使ってゲームを買ってたんですが。
最近出たゲームが本当に似通ったものばかりでマジで興味が出なくてですね、年1本くらいのペースでしか遊ばなくなってしまいましたね。
先月に出た「テイルズオブアライズ」は買いましたが。SAOコラボのシナリオは、白目でやってましたが、本編自体は非常に楽しかったですよ。
今欲しいのは、しいて言うならファイナルファンタジーシリーズが好きなので、体験版が面白かった「Final Fantasy 7 REMAKE」の拡張版が欲しいとおもってるんですが、そのためだけにPlayStation5を買うというのもお金が勿体ないですし、過去のゲームやろうと思って色々やってるんですよ。
あとここらへんで迷ってます。
ちなみに、召喚獣バハムートは「5」が一番かっこいいと思ってる人間です。親がスーファミとこれを持っていたので、昔遊んでおりました。これも面白かったですよ。
まあ、ぐだぐだした語り口でゲームの話ばっかりしてても仕方がないですからね、本題に移りましょう。
原作勢および全話リアタイ勢として、語らせていただきます。ネタバレが少々含まれています。
2020年秋放送、「魔女の旅々」です。
原作はライトノベル。僕の高校時代からあるので、おそらくですが2017年あたりに出ていたと思います。
白石定規先生のドスの効いた語り口、あずーる先生のシャープながらもほんわかとした絵柄が特徴的なんですけれども、そこに心奪われまして、アニメ化以前からよく原作を買っておりました。
可愛い。
もう、可愛い。
やはり、可愛い。
どうあがいても、可愛い。
文面だと伝わりにくい動きを面白く魅せるのが、この手のアニメ作品の責務だと思ってますし、アニメ好きとしては純粋にそれを楽しみたい、そこに専念したいって気持ちがありますから、アニメになる前に原作購入するのは愚かだと思っていて、基本的にはしないんですけれども。
まあ、銀髪フェチとしては刺さってしまったってことですねぇ。
ゼクちゃんいつものやったげて!おう聞きたいか僕の矛盾点!その凄い矛盾点を言ったげて!僕のKYベストテン!レッツゴー!アニメ純粋に観たいから原作は~買わない!すごい!表紙に吊られてアニメ見る前に原作読んでる!はい!矛盾点!矛盾点!矛盾テンテンテテンテン!
まあなんとでも、どうぞご自由にいじりやがれですぅ。
まあさっさと、アニメ本編の話に移りましょうか。
ファンの僕が、本当にこのアニメが面白いと思っているのか気になっている方もいると思いますので。
0. あらすじ
魔法が高度に発達している世界。「ニケの冒険譚」という本を見て、旅をすることへの憧れを抱いた少女イレイナは、同時に、ニケのようにこの世界で数少ない存在である「魔女」になることを決意。
師匠にあたる魔女フランに師事して「魔女見習い」として、厳しい訓練に耐えたあと、若干15歳の若さで晴れて魔女になる。
これは、灰色の髪をなびかせた容姿端麗な「灰の魔女」が、様々な国、様々な人と出会う物語。そして、その記録を綴った旅の日誌である_______________________。
1. シナリオ面
あらすじにも述べた通り、ロードムービー的要素が強い作品になりますね。
「キノの旅」を知っている方は、そっちに近い内容であると思っておいたほうが良いです。Amazonのレビューを見ても、実際パクリ呼ばわりされてますしね。
つながりがある話もありますが、基本的に各話ごとにテーマ性は独立していて1話完結になっているので、手軽に見やすいものになっていると思います。
つながりを知らないとわかりづらいところもありますので、基本的には全話見ていたただくことをお勧めいたします。
シナリオはまあはっきり言いますと、オチはきれいに決まるし、一つ一つのエピソードで起こる展開同士の矛盾点は少ないんだけれども、あまりにわかりやすくしすぎて、そのほとんどのエピソードでAパート観た段階でオチがわかってしまうような作りなのはちょっと残念でしたね。
原作勢としてアニメ化して欲しかったけど、実際にはされなかったエピソードがありましたが、構成自体は悪かったとは思ってません。
あらすじに書いた内容である第1話「魔女見習いイレイナ」は、原作では第2話「魔法使いの国」の後に掲載されているものなんですが、主人公イレイナさんが魔女に至るまでの苦労を、現在のキャラクターが形成されるまでの流れを掘り下げるために時系列を逆にしたりとか。
後々出てくるメインキャラの師匠にあたる魔女も、ポッと出で終わらせるのではなくて過去回想でキャラクター描写に補足を入れる回を用意したりだとか。
時系列が異なっているものは視聴者に配慮して、必要に応じてあえて入れ替えて放送したりだとか、棘のある言葉はニュアンスを軽くしてアレンジしたりといった工夫がなされているのは好印象でした。
そんでどんな国の話があるかといいますとね。
嘘をつくことができない、正直者しか入れない国だとか。
かつてはどちらも葡萄酒が名産とされていた互いの村が、「あっちの村」、「こっちの村」と揶揄している村の対立模様をコミカルに描いたりだとか。
割合的には明るい話が占めていますが、割と暗めで攻めた話もあります。
とある立派な城に住んでいた記憶損失の女の人が復讐心を思い出すお話だとか、事故で亡くなった妹の真相を確かめるために協力者を雇って魔力を対価にタイムリープする魔女の話だとか。
あとおそらく、アニメおよび原作の「魔女の旅々」が賛否ある原因になっているだろう、主人公イレイナさんの存在なんですが。
物語に色を添えるといいますか、面白さの起点に直結する存在がイレイナさんの発言だったり、行動だと思うんですよね。魔女旅しんどいって思っている方はそこが嫌いっていう方たちなんでしょう。
15歳くらいの女の子なのに達観したものの見方をしているだとか、可愛い見た目なのに毒舌が過ぎるだとか、金欠になったときに依頼を受けるというときも、内容より利益に重きを置こうとする姿勢を貫こうとする守銭奴みたいな腹黒い一面が受け入れられないっていう人もいますね。
ファンとしては少々心が痛いですね。
僕は心が広いって自慢するつもりはないんですけれども、そんなネガティブにイレイナというキャラクターをとらえるんじゃなくてですね、どちらかといえば、変なきれいごとを並べるのではなくてとても自分に正直な、人間味あふれるキャラクターだということに重きを置いてるんですよね。
さすがにネタバレなしで話すのは難しいので、第1話のとこだけ、ちょっと話させて下さい。
魔女になる前のイレイナさんはね、魔女見習いになるための魔術試験というものに、史上最年少で受験して一発合格するほどの才を持っていたんですよね。
若さゆえの意地っ張りな部分があったのでしょう。「自分はなんでもできる、特別な人間なんだ」とやや自分を過信したような態度や行動をしていたんですね。ここまでは僕も快く思って観ていませんが、まあ目を瞑りましょう。
紆余曲折あって「星屑の魔女」と呼ばれるフラン先生に師事することになるのですが、魔女としての修行が早速行われると思いきや、雑用の仕事に回されるわけです。
こんなのやり続けてなんの意味があるんだよ~って呆気に取られてしまいます。
月日が流れ、フラン先生が戦闘試験をやろうと言い出します。
それでイレイナさんは、守りに徹するばかりで、結果的には負けてしまうんですよね。
フラン先生はイレイナさんに親にでも殺されたんかってくらいの勢いで、本気で殺しにかかるように攻めるんですよね。まあそこもちゃんとした修行回だな~って思うとところでして、面白いんですが。
そこでイレイナさんは溜まっていたものがあふれ出すように、大泣きをするんですよね。このときの本渡さんのアフレコも素晴らしいんですけどもね。
「なんでもできると思い込んでいたのは間違いだった。ただそれでも自分の才能を認めて欲しかった」という風な台詞を言う訳です。
フラン先生もさすがにやり過ぎたと反省したのか、試験の目的をイレイナさんに話します。この話の根幹にあるテーマにもなってくるんですけれども。
「なんでもこなしてしまうがゆえに、なんでも抱え込んでしまう。自分が何でもできると思いこまずに、失敗や挫折を味わうことの大切さを味わって欲しかった」とイレイナさんの両親から頼まれたと言っておりました。
その後本格的に魔術の修行をして、イレイナさんは晴れて魔女になる訳です。
ベタだし分かりやすいとは思うんだけれども、これが凄く理にかなった修行なんですよね。
テストで100点をとるだとか、スポーツの大会で優勝するだとか、人間って何か大きなことをしようとするときに、自分の才能を認めてもらうために必死にそれに至るまでのスケジュールをこなすわけじゃないですか。
それを突き詰めて無理をしようとすると、まあ他のアニメでもよくありますけど、目に隈が出来たり授業中に眠くなったり、突然倒れたりとか、精神的にも肉体的にも追い込まれてしまう訳ですね。
それを溜め込もうとすると失敗や挫折をしたときに、その回り道が遠く感じるもんなんですよ。当たり前のことだけど、これがなかなか出来ないんですよね。
だから失敗や挫折を恐れるな、たまには思い切り回り道しても良いから自分が何でもできるとは思いこむなっていう結論に自然となる訳です。
こういう経験をするとね、自然と言いたいことを言えるようになる、より自分で正しいと思った欲望に忠実になるもんなんですよね。
事実、イレイナさんは吹っ切れて、現在の性格になります。
この第1話の内容があったからこそ、第2話でのイレイナさんの、15歳の少女とは思えない達観した台詞があるんですよね。
「本気で何かを成し遂げる時、人はいつだって一人です。一人でなければダメなんですよ」
第2話のある重要なシーンの台詞なんですが、先ほども言った通り、原作本来のエピソードの登場順で一番最初にあたるこの話と、アニメ版の第1話を敢えて入れ替えて放送された意味が出てくるんですよね。
イレイナさんは失敗や挫折をすることの大切さを学び、本気で魔女になることを決意した。フラン先生からの助言はあれど、魔女になれたのは自分の失敗を恐れない努力の塊であるともいえる。
第1話でやったテーマが、思い切り振りを効かせているんですよね。
それでも年相応らしく常識に欠けるところがあるから、あまり寛容ではないふるまいはするが、言いたいことはズバッとはっきりと言える。
説教臭いのは嫌いですが、これはあがり症、人見知り、コミュ症が多い日本人にとては、特に必要になってくる力なのではないでしょうか。それを示してくれるようなそんなキャラクターになってますし、その彼女と他キャラとの絡み合いが、僕は面白いと思ってますし好きなところですね。
悪かったところもないわけではなくて。
それは最終回のオチですね。
こちらに関しては見たまんまの面白さみたいな部分がありますから、多くはネタバレできませんけど、最終回はイレイナさん大量発生(すなわちほぼ主演一人アフレコ)回になってて、かなり攻めたものになってます。
原作勢としてはだいぶカットされてて少々寂しいものがあったのですが、「これで二期なかったらぶち殺すぞ」と視聴者に言わせているかのような終わり方になってて、謎めいた新キャラを振りもなく登場させてイレイナさんと出会わせる、そして新しい旅が始まる期待感を煽って終わらせたかったんでしょうけど...........体裁は保ってはいますが決まってるオチだとは全く思いませんでしたね。
あまりにも唐突すぎて、そういうとっかかりをつくるならいっそのことその話事全部やってほしいって気持ちが勝ってしまいましたね。僕は原作読んでるんで全部知ってるんですけど、新規ファンに近い視点で客観的に観たときに、そういうところは気になってしまいましたね。
あとは冒頭にも言った通り、話が少々ベタすぎるのはいかがなものかと思いました。
起承転結の「転」がまあ音楽でいうところのサビ部分になりますから、それにアクセントつけずにどっかの童話にでてくるような語り口と展開で、分かりやすくオチに持ってこようとするのは、もうちっと工夫できなかっただろうか。と思いました。
タイトル回収シーンなんかまさにそうで、理由が少々安直すぎるな~とはおもいましたし。
まあこれから話しますけど、アニメーションとしての「魔女の旅々」の良さはこの視覚的に感じない部分とは別に、非常によく出ていたと思っております。
2. 演出面
アニメ化を待ち望んでいた原作勢が望んでいた、制作陣の力量部分ですね。
ライトノベルだけでは表現しにくい視覚的な面白さを100点満点中120点と言わせんがばかりに、素晴らしく表現されていたと思います。
背景美術のレベルの高さもそうなんですが、本当に毎話毎話、遊び心を感じさせてくれる演出ばかりで、本当は全部語りたいくらいなのですが、今回は特に良かったところを少しばかりピックアップしていこうと思います。
まずは飯作画。
良いアニメを、「良い」と判断する基準って各々あると思うんですが、僕個人としてはこの飯作画がどれだけ出来ているかにかかっていると思うんですよね。
Ufotableが作っている「衛宮さんちの今日のごはん」に出てくる魚料理だとか、スタジオジブリが作っている「崖の上のポニョ」に出てくる弁当の作画だとか、観ている方なら分かるかと思いますが、野菜の細かい断面だとか、肉汁の溢れ方の動き方だとか、瞬きをさせないほど「美味しそうに」それを当たり前に、自然にやってみせてるんですよね。
いかにおいしそうに、かつ綺麗な並べ方で描けるか。
これが視聴者に瞬きをさせない、よそ見をさせない、まさしく視聴者の裏をかく演出の面白い仕掛け方の一つになってくると思うんです。
では「魔女の旅々」ではどうか。第4話のシーンになります。
どうですか、皆さん!!!
食欲がそそられるでしょう?
今こうやって文章書いてる僕も腹が減ってきましたよ。
なんでか分からないけど、最近なかなか食べれてないななチキのことを思いだして食べてくなってきましたよ(聞いてないw)
まあ特にこの3枚目のね、パンをちぎるときのアニメーションが個人的に気に入っていて、しっかりと断面を見せるだけではなくて、ちぎれた部分が離れるふんわりとした動きをじっくりと流していただいてですね、柔らかくできている良いパンだな~、おいしそうだな~って思わせる芸の細かさをひしひしと感じるんですよ。非常に良かったと思います。
まあ「魔法」が存在していて、それを取り扱うファンタジー作品でもありますから、その演出というの、も素晴らしかったところはありました。
第5話で、魔法使いたちが活躍する国で、たまたま訪れた学校の授業でイレイナさんが特別講師として後進の指導にあたるっていうくだりがあるんですよね。
この部分はシナリオとして好きな回でして、全部語りたいくらいなのですが、ここで良かった演出を重点的に話したいと思います。
その学校の生徒たちと追いかけっこするというシーンがあるんですが、そのときのカメラワーク表現が素晴らしいんですよね。
街の建物より下を低空飛行している様子をハイアングルで映す。
上下左右に揺れるイレイナさんを、ドローンの動きのようにアングルを滑らかに切り替えてスムーズに動かしている。このときの動きがキャラクター含めて本当に早いんですけれども、この際のモーションを行うにあたってスピード感を表すために、原型をとどめつつ色調をぼかしていていることが分かりますね。
ここまで数十秒のシーンなんで分かりづらいとは思いますが、さりげなく水面に映る街の光の反射の表現も抜かりがなかったですね。
あとはこの他にも、イレイナさんがかごにありったけ詰め込まれた葡萄を、魔法で操ってまき散らす演出は、意外とド派手にかましていてですね、非常に良かったと思いますね。
アニメーション部分での演出はここらへんが、僕は素晴らしいと思いました。
続いては聴覚的な演出部分、アフレコ面ですね。
第11話の「二人の弟子」っていう話でですね、イレイナさんとあとここまでご消化していなかったんですが、同じくメインキャラの一人のサヤっていうキャラクターがいまして、二人の意識が某新海誠作品の如く入れ替わるっていう展開があるんですよね。
イレイナさんは守銭奴気質があって常識に疎い部分はあれど、基本的には割と冷静で、達観したものの見方をしていて、思ったことははっきりと言う大人タイプなんですけれども、サヤさんは全く正反対と言えるほどの、とにかく明るくて計算高くはないタイプのキャラクターになっています。
前提の話として。
お二人を担当している声優さんは、前者が「ゾンビランドサガ」で源さくらを演じていており、ゼクショーと誕生日が同じな本渡楓さん、後者が「宝石の国」でフォスフォフィライトを演じていた黒沢ともよさん。
お二人も本当に素晴らしい声優さんなんですが、もしもの話でお二人ともそれぞれ違うオーディションを入れ違いで受けて合格してたってことがあったとしても、おかしくねえんじゃねえかなってレベルの掛け合いを表現しておりまして、そこは見事だな~と思いました。
本渡さんはサヤさんのバカっぽくはっちゃけたような、飾り気のない砕けた感じのアフレコをされていましたし、黒沢さんは本渡さんが普段イレイナを演じているときのような知的で堅苦しいながらも、どこか若さゆえの無垢な少女っぽさを残しているようなアフレコをされていましたし、キャラクター表現にアクセントをつけるものとしてはそん色ないクオリティだったのではないでしょうか。
また、イレイナさんの師匠のフラン役を務められた花澤香菜さんのアフレコも非常に良かったですね。
その透明感のあるボイスを武器に「化物語」の千石撫子など、少女役を多く務めていることから、そのイメージが強い花澤さんでしたが。
大人の色気をむんむんに感じつつ、耳の奥まで澄み渡るようなアフレコでした。他の作品でもそうですが、地声をほとんど変えずに多数のキャラを演じ分けている花澤さん。息遣い一つで雰囲気をガラリと変えられる力量は、本当に感無量ですね。
他にも、日高里菜さん、上田麗奈さん、楠木ともりさんといった素晴らしいキャストの方々もぽっと出で出てくるので、ここらへんの方々のアフレコも十二分にお楽しみいただけるものになっているのではないでしょうか。
まあ一つ欲を言うとするならね、もっと不可思議でド派手にやってくれる魔法演出が欲しかったな~とは思っています。
言い方を変えれば、現実に近づきすぎている、現実的視点から離れるようにして書かれたその数ミリの補助線のような、スケールの小さい魔法演出は求めていないっていうことですね。
特にイレイナさんを起点として起こるようなものが欲しかったかな~って思ってますね。
まあ、具体的に挙げるとするなら、このシーン。4話にこういう土工事しているようなシーンがあるんですよ。
色々な小道具を使って、それぞれ違う動きをとるように、マリオネットのようにして操ってるんですけど。
なんかこういう地味な作業をなんとか誇張してファンタジー感出してみました感が凄いしましたね。
工事現場に勤めている人間が切磋琢磨して行っているような、しっかりと現実世界にある流れ作業のようなものなので、こういう描写はなんというかファンタジーならではの非現実感、神秘的な芸術点は低いかな~と思ってしまいましたね。
3. キャラクター
公式サイトに載ってあるもののみ、取り扱います。
キャラクターははっきり言って、癖強いキャラクターがいるとは思わないです。
話の性質上、イレイナさんのロードムービー中心のお話の為、イレイナさん以外のメインキャラは、はっきり言って登場シーンはほとんどありません。
まずはイレイナさん。
主人公は、一体誰でしょう。そう彼女です。
先ほどのシナリオ面の話でもしたんですが、とにかく達観的な物の考え方をしていて、自分の利益のために動くずる賢さもあるけど、言いたいことははっきりと言うような性格です。
冗談めかした刺がある言動も多いですが、それが時に我々オタクにも刺さるような誰かを諭すような台詞だったりします。
また、古き良きアニメキャラとは違って、必ずしもすべての人間を助けるとは限らないという現実チックなキャラクターなのは賛否があるかと思いますが、このイレイナさんが起点となって紡いでいく、優しくも時につらく、そしてほんの少しの毒がある物語は、色落ちなしの味があるロードムービーになっているのではないでしょうか。
声優さんは先ほども話した通り、本渡楓さんになります。
アフレコの感想については、「演出面」の項にて先述した通りになりますね。個人的には納得のキャスティングだったと思います。
続いて、サヤさん。
第2話以降に登場します。
ぼくっ娘属性持ち。イレイナさんとは対照的で、猪突猛進的で無鉄砲な性格。
東の国出身とのことですが、土下座文化があることから恐らくは日本にちなんだ国と予想。
ある展開を機に、イレイナさんに強いあこがれを抱くことになります。その後は百合好き必見のボンバー展開がありますので、百合好きは楽しみにしといてください。
声優は黒沢ともよさん。アフレコの感想は先述した通りです。
あ~フィギュア欲しかったんじゃ。金欠で逃してしまったのは痛いな。
そして、イレイナさんの師匠にあたるフラン先生。
第1話からすでに登場します。
雰囲気はおっとりとしていて天然っぽい言動や行動はあるけど、イレイナさんとは明確なキャラクターの差別化がなされています。
それは、割と大人びているイレイナさんの前でも、師匠として貫いている考え方があって、イレイナさんを諭すような、価値観を変えてしまうような存在であり続けているということ。これは原作でもちょくちょく表現されてきましたが、アニメ版でも、そういう描写を多く入れてる回を映像化してくれたのは、ファンとしても大変嬉しい限りです。
推しキャラではないですが、そんなキャラクターとして描かれているフラン先生と、イレイナさんとの掛け合いは大変微笑ましいものがありますので、観ていない方はそういったところにも着目して楽しんでいただければなと思います。
先ほども言いましたが、声優は花澤香菜さん。
彼女のアフレコの素晴らしさは、まあ見て頂ければ、観たまんまの凄さだと思いますので、多くを語る必要はないでしょう。
最後に後半部分で登場してくる、シーラさんをご紹介します。
ぶっちゃけ出番は少ないので、軽めに。
「夜闇の魔女」と呼ばれています。公式サイトでメインキャラとして紹介されているということは、先ほどご紹介してきたキャラクターたちと何らかの縁があるということです。
キセルから紫煙を臭わせているアウトローな雰囲気でして、なんだかそこはかとなく「BLACK LAGOON」のメンツを思いだしますね。
声優は、日笠陽子さん。「けいおん!」の秋山澪役が有名ですかね。今放送中の「SHAMAN KING」で、麻倉葉役に抜擢されたのも記憶に新しいですね。
4. 音楽面
まあ圧巻の一言でしたね。
OPは上田麗奈さんの「リテラチュア」。
放送中は、彼女はいつ本編に出演されるのだろうと、期待して待っておりました。
まあイレイナさんは、放送当時は「なんだこの性悪美少女は!」「イキリ魔女」とネット中のいたるところで書き込まれていたわけですけれども、この曲とOP映像を見た瞬間ね、開始数秒で様々な憂鬱がぶっ飛ぶんですよ。
上田麗奈さんの、声を思い切り張り上げて激しく歌うというよりかは、優しく囁くような歌声。
階段をせっせと降りていくイレイナさんのアニメーションが少し不自然に感じるくらいでですね、街ゆくモブだったり、植物の描き込み量、建物の色彩の鮮やかさ、サビで箒に乗って空に飛び立っていくイレイナさんでの気分のブチ上がり方、終盤にイレイナさんと深く関わることになるキャラクターを絡ませて、夢落ちからの朝に目覚める演出を最後に持ってくる流れ。構成としては限りなく100点満点の出来だったと思います。
個人的には、ってかYouTubeの動画で皆言ってたけど、指揮棒振るっているイレイナさんでご飯10杯分いきました。ごっつぁんでした。
ボーカルの相乗効果もあんなにもあると、「エモいOP」だと言わざるを得ないですね。
歌詞はこの記事のタイトルにもなっていますが、イレイナさんの旅路の出会いと別れを描いた、旅の日記をなぞる様なものになっています。この作品における「リテラチュア」とはそういうことではないでしょうか。
EDは、ChouChoさんの「灰色のサーガ」。
四拍子、あるいは三拍子のアニソンが多い昨今のなかで、この曲は不規則なリズムが刻まれる変拍子の曲になります。
AメロとBメロで6拍子だったり、5拍子だったりとコロコロ変わっていますが。ピアノを主体にはしつつ、民族音楽のような曲調も相まって、異国のロードムービー感が上手く演出されている楽曲になります。
イレイナさんの旅路、出会いと別れをポップに描いてきたOPとは打って変わって、明暗の変化がほとんどない、旅の困難さを描いてはいるけれどもかといってネガティブすぎることもなく、むしろ前向きに押していく楽曲になっています。
楽曲としてはこちらの方が、僕は好みです。
いかがでしたでしょうか。
ハロウィンといえば、「魔女」。
「魔女」を主人公にしたライトノベル原作アニメといえば、「魔女の旅々」。
丁度良いタイミングだったので、ご紹介させて頂きました。
次回の更新は、前回の記事でも言った通り、金曜日になります。
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