ゼクショーのアニメブログ

主に深夜アニメ30分枠のレビューをしていきます。毎週金曜日20:30更新!!※2023年4月以降から第2金曜日の20:30に更新予定※

ゴールデンカムイ 極寒の地で繰り広げられる、野生と狂気の金塊サバイバル劇!!!!

前回の記事はこちら↓↓↓

 

 

 

 

xexiow06375.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

 皆さん、こんばんは。

 

 

 

 

 現役大学生のゼクショーです。

 

 

 

 

 12月も2週目。カタールW杯は決勝トーナメントが始まりました。日本が負けてしまったのは非常に残念ですが、引き続き激闘の模様を見届けていただきたいと思います。 

 

 

 

 

 前回は冬らしい作品をご紹介できなかったのですが、今回は現在もオンエア中の冬が舞台の作品をレビューしていきたいと思ってます。

 

 

 

 

 2018年からオンエア中の、『ゴールデンカムイ』になります。

 

 

 

 

タイトルロゴとキービジュアル ※「dアニメストア」配信ページより引用※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~作品概要~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今年まで「週刊ヤングジャンプ」にて連載されていた青年漫画が原作。アニメーション制作はジェノスタジオ

 

 

 

 

 今年10月から第4期がオンエア中ですが、制作陣の中核を担うスタッフのうちの一人が亡くなられたという事で現在放送休止中でございます。

 

 

 

 

 時は、日露戦争終結後の明治末期。北海道の地に眠る金塊を巡って争いが繰り広げられるサバイバルストーリーです。

 

 

 

 

 結論から言えば、多くを語る必要がない位死ぬほど面白いです。良い所がありすぎて纏めきれない位。この記事を見た初見の方はこれを機に是非、4期に追いついて頂きたいっすね。今からでも間に合います!今回は第1期を語りますが、2期~3期も勢いそのままにペロっと見れると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①漢らしく、時に生々しい緊迫感漂うサバイバル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そもそもの大前提の話ですが、サバイバル要素の持たせ方が巧みですよね。

 

 

 

 

 アイヌ民族の少女であるアシリパと、日露戦争を戦った手練れの元兵隊である杉元佐一が物語上でメインで描かれる本作。特に"食"の部分と、金塊争いの"殺し合い"の描写は秀逸だったなと思ってます。

 

 

 

 

 アシリパは漢である杉元の前で弱さを見せるヒロイン力もしっかりとあるんだけども、極寒の地で生きる一族でもある故か凄くたくましいんですよね。アイヌ語を交えながら日本語を話してくるアシリパ。そのアイヌ語の発音の面白さもあるんですが、動物の狩猟からその資源としての活用法までかなり丁寧に描かれてるのがミソ。我々視聴者も、アイヌの事など全然知らぬ杉元の視点でしっかり見れるからこそ驚かされた。

 

 

 

 

 捕らえたリスの脳みそを「チタタプ」という魚のたたきのようにして生食したり、「くくり罠」等の戦術を使って熊を仕留めたり。鹿の腸を切って防寒に役立てたり、銃弾で木をこすって火をたかしたり。”食”以外にも様々なサバイバル術が盛り込まれていて色々な応用法があります。

 

 

 

 

 やけに専門的やなって感じるけど、それもそのはず。アニメやる以前から、原作者の野田サトル先生がすごく綿密なロケハンをされてるんですね。一応フィクション作品らしく、野田先生が愛読する古き良き文学の要素を色々取り入れているものの、社会的影響が大きいのはやはりアイヌ要素。

 

 

 

 

 WikiPediaとか見た限りだと、実際に北海道の平取町アイヌ文化情報センターや北海道アイヌ協会からも大絶賛の声が絶えないんだとか。地元の文化センターから太鼓判を押される程のお墨付きです。

 

 

 

 

 その中でもこのグルメ描写っていうのは、この壮絶なサバイバル生活の中で適度に挟むギャグ展開の良いネタにもなるし、極寒生活の重要なカギとなる事もあるんですよね。単純に勉強になるだけではない良さがあって。

 

 

 

 

 次に殺し合いについてですが、この作品の面白さっていうのは誰が裏切るかどうか分からない所にあると思いますね。本当に色々なキャラ出てきます。特別複雑なストーリーでもないんだけども、これが不思議と予想出来ないんすよね。

 

 

 

 

 ひょんな事で出会って、会食や与太話を共にしてきた人間であっても互いの素性が知れるとすぐ撃ちあったり、適当にコント繰り広げてた相手が次のカットに切り替わるとガチの殴り合いしてたり。普段はヘマかましてる白石も、実は常にどうやって逃げて生き延びるか考えてたりだとか。

 

 

 

 

 キャラクター1人1人が凄く利己的で自分の裏を隠してる事が多いので、敵味方の構図が絶え間なく変わっていくんですね。衣食住の要素といい本当に武器が多い作品なんだけど、そういう所も展開1本道にならない意外性を凄く感じるし。

 

 

 

 

 杉元が、心臓打たれたり脳に傷を負っても尋常じゃない回復速度で立ち上がって敵を抹殺したり。老いを一切見せない元新選組のあのお方の戦いぶりだったり。意外と戦いの部分は、都合良くいくことが多い。

 

 

 

 

 それでも、どこか生々しくもある臨場感を感じられるのは、そういう巧妙な仕掛けが働いているとしか考えられないですね。金かかってんな~~って秒で分かるような作画でマウントとってくる訳でもないし、まさに生粋の面白さ。

 

 

 

 

 武器が多いと言いましたが、まぁこんだけではないんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野田サトル節!?奇妙で荒唐無稽な変人たち

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本当にキャラクターが濃過ぎるし、唐突に挟んでくるギャグシーンも荒唐無稽。野田先生が内に秘めているであろう狂気を感じさせる、ひと癖もふた癖もある者達揃いなんですよね。

 

 

 

 

 とりま何回下ネタをキャラに言わせれば気が済むんやねんと。

 

 

 

 

 杉元らと共に狩猟した動物を使った料理に、味噌を入れてはオソマ(日本語で言う所の"")を連呼してはしゃぐヒロイン。しかも普段のイメージとは余りにもかけ離れ過ぎている変顔で、拒否反応してくる。その度に「食べても良いうんこなんてねぇし!」と茶目っ気に突っ込む杉元。序盤は比較的シリアスシーンが多いですが、こういう下らないノリで気持ちが和むというかね。

 

 

 

 

 敵キャラもホンマに常軌を逸している。両目の周りの皮膚が破れてて、興奮すると頭から謎の液が出てくる敵。獣を撃つことに何故か性的興奮を覚えるエロジジイ、剥がされた耳を持ち歩きながら歩く第七師団の敵兵、性別は男だが女に近い肉体を宿している者。死んだ両親の皮を剥がしてはそれで剥製を作ってファッションショーやってる狂人。脳筋で強面で大木を殴ってはストレスを発散している怪力バカ...........語ればキリがないですが、1話限りで登場してくる敵キャラでさえもサイコパス変態揃いのオンパレード。

 

 

 

 

 特に彼らが飲酒したりで酔った時のハチャメチャっぷりは、もう他の少年誌ドン引きのクレイジーさ。

 

 

 

 

 僕が謎に印象に残ってんのは、互いに敵同士だと知らないままとある怪力バカと鉢合わせる杉元一行の場面。彼らと呑む下りになって、漢の器の大きさをチ〇ポの大きさに例える意味の分からない展開になったりする。「大事なのは大きさじゃないでしょ」とかハチャメチャな会話が繰り広げられる。そこでもアシリパが海で見た貝殻かなんかをチ〇ポに似てんな~~~って事を想像したり。深夜じゃなきゃ絶対許されないスレスレのノリがそこにはある。

 

 

 

 

 青年誌でこの作品が連載されてた事だけありますね。サバイバル要素とのバランスも持たせられてるし、しっかり笑わせて頂きましたよ。打ち切りを回避して安定した"人気"と"面白さ"を保つ為、外れ回を一切作らずに1話1話のボリュームの満足感を突き詰めていたんだな~~~っていうのを終始感じました。

 

 

 

 

 時に熱く、時にカッコ良く、ふざける時はなりふり構わず自分の性癖をさらけ出すクレイジーさもある。明治末期の歴史的な要素やあまり取り上げられなかったアイヌ要素も上手く物語に落とし込む事で、社会的価値をも高める素質が備わっている。

 

 

 

 

 アニメ化以前から着々と売上を伸ばし、現在に至るまで累計2000万部以上を売り上げて厚い支持層を獲得。1番面白いと言われる漫画を決めるマンガ大賞を受賞しており、評価も十分。男性作者にしか描けない生々しさを武器に、どこまでもセンスが突き抜けている。

 本当に売れるべくして売れた作品でしょうし、こんな素晴らしい作品を絵が苦手だから観てない人は非常にもったいないなと思いますね。

 

 

 

 

 繰り返しになるけど本当に観たら止まんなくなる位面白いんで、是非とも多くの方に観て頂きたいです。