ゼクショーのアニメブログ

主に深夜アニメ30分枠のレビューをしていきます。毎週金曜日20:30更新!!※2023年4月以降から第2金曜日の20:30に更新予定※

続編公開直前! 劇場版ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア  総評

前回の記事はこちら↓↓↓

 

 

 

 

xexiow06375.hatenablog.jp

 

 

 

 

 皆さん、こんばんは。はじめましての方は、はじめまして。

 

 

 

 

 現役大学生のゼクショーと申します。

 

 

 

 

 普段は30分枠アニメのレビューをしている者ですが、今回は少し毛色を変えて映画をレビューします。長時間の視聴に集中する事が苦手という理由であまりやってないのですが、僕が1番好きなシリーズ作品でもありますし、これは看過できないなというタイトルになりますし。

 

 

 

 

 いよいよ来週22日公開となる映画『劇場版ソードアートオンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のクラッツォ』の前日譚となる、『劇場版ソードアートオンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』をレビューしていきたいと思います。

 

 

 

 

タイトルロゴとキービジュアル ※「U-NEXT」配信ページより引用※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~作品概要~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 制作はTVシリーズと変わらず、A-1 Pictures。原作はKADOKAWAのレーベル、電撃文庫から出版されているライトノベル。2012年にTVアニメ化し、全世界売上3,000万部を売り上げてます。近年のライトノベルの中でもキラーコンテンツに位置づけられる作品の1つ。中学の頃からラノベ好きだった僕自身にとっても、かけがえのない作品でもある。

 

 

 

 

 物語の概要部分をまずお話しますと..............舞台はVRMMORPGのファンタジー世界。主人公を含めた全プレイヤー達は、ゲームマスター茅場晶彦からこの世界でのアバター(プレイヤーの分身)の死が、現実での死を意味する事、クリアする方法は第100層にいるラスボスを倒す事ただ1つであることを聞かされる。彼らは死に物狂いでクリアを目指していく....といった内容です。

 

 

 

 

 肝心の内容ですが.....結論として、初見さんが見ても全然問題ない位面白かった。

 

 

 

 

 ファン向け要素の強いオリ脚本の『オーディナル・スケール』と違って、こちらはTVアニメ第1作『ソードアート・オンライン』の序盤のアインクラッド篇になぞらえた内容になってますね。

 

 

 

 

 軽く300作品以上はアニメを観てきたつもりだけど、未だに深夜アニメでここまで冒頭から世界観の衝撃度で勝ち確してる作品観たことないです。死ぬ前に見たいエピソード集第1位。

 

 

 

 

 このアインクラッド篇は単体で何十巻でも引き伸ばせそうな強い世界観を持っていましたから、どっかの黒づくめの中坊のせいで第100層まで攻略されずにたった2巻で終了した事はファンとしては心残りだった。僕じゃない多くのSAOファンも思ったはず。

 この『プログレッシブ』は、原作者の川原先生がそんな淡い期待に応えるものとなってます。

 

 

 

 

 今回のリメイクとしての意味もしっかりあったと思うので、それも含めて語っていきたい。全部をネタバレするよりかは、特に印象に残った内容をかいつまんで語っていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナ視点の物語の魅せ方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キバオウとかディアベルのやり取りだったり、ゲームマスター茅場晶彦場の演出だったり.....良くも悪くも再放送に近い内容なんですよね。変わらない良さを生かして表現された衝撃的な世界観を生かしたストーリーの視点を、本編主人公のキリトではなくてアスナに重きを置いた事はかなり上手かったなと思います。

 

 

 

 

 キリトっていうのは、知識も反射神経の使い方も、ある程度コンピュータゲームに精通していた状態でSAOにダイブしてきた。生粋のゲーマーってやつです。行き当たりばったりで出会った仲間の死を見て罪悪感を感じてしまう展開はしっかりあります。そこも人間が危機的状況になった時の身勝手さだったりだとか、汚さみたいなもんが描かれてて良かったんですけども。

 

 

 

 

 そんでもある程度危機的状況になっても独力で何とかしてしまう所が......ゲームでの死が現実での死に直結する、実にスリルな舞台設定の良さをかき消してしまうガッカリ感は否めなかったんすよね。

 

 

 

 

 それに比べて、アスナはゲームとは無縁だった生活を送ってきた身。所謂お嬢様で、エリートな高校へ入学する為の英才教育を受ける日々。望まずしてやらされている。ストレスも溜まっていたのでしょう。ほんのちょっとした好奇心から、偶然兄が持ってきていたSAO用のデバイスとアプリを起動する訳です。

 

 

 

 

 右も左も分からないまま初めてやったゲームに取り残されて、仮初のはずだった現実世界でいきなり死と隣り合わせの状況。昨日いたはずの家族に会うことも叶わない非情な現実に、今更引き下がることのできないという緊張と恐怖。これがキリトみてえな、ドン引きモノの凄腕プレイヤー視点では描くことのできない、SAOの世界で生きていくうえで感じる恐怖の本来の魅せ方なんだなと感じました。

 

 

 

 

 本編で描かれたキリト側の物語とクロスする繋がり方っていうのも、大筋としては問題なかったなと思います。本編で初登場した時のアスナってのは、ローブに身を隠してどちらかというと暗い印象を与える状態で出てきました。どういう成り行きでアスナがそんな感じで出てきたんだ~っていう疑問はあった訳です。その補足って意味でも、上手に物語を運べていたんじゃないかな~と。

 

 

 

 

 TVシリーズの第1話のキリトを思わせる場面もちょくちょくありましたね。もう後戻りできないから戦うしかないっていう決意表明の感情部分を、夕日が沈む背景をバックに第1層で狼狩る所で強く魅せてくる所。それと対比させるようにアスナ視点でもやってて、丁度10年前にオンエアされた本編に対するリスペクトを感じました。あれあっての第1話って所がありますから。あそこでビシッと引き込まれましたね。

 

 

 

 

 アリシゼーション作ってた辺りからそうなんだけど(アニメ化自体はこちらの方が後なので)、ここ10年で女性キャラのえちえち度が上がってきてますね。3クール辺りから作った、シノンの触手プレイなんかは個人的にお気に入りですが。この映像表現の進化の部分もしっかりと落とし込まれていた。

 

 

 

 

 あとはお嬢様気質があるのに、ミニスカ履いて動いてる所....良いっすね。思わぬギャップ萌えソース注入されちゃったというかね。そんなに誇張はされてないんだけど、動くとこれが意外とエロく見えるというかね。入浴シーンまで余分なく用意して頂いて、良かったんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②アニオリキャラ登場の意味 + その他

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんで今回で原作にはない、アニオリキャラの登場について語ります。『Re:ゼロから異世界生活』のレム役でもお馴染みの水瀬いのりさんが演じられた、ミトちゃん。

 アインクラッド篇を初見で観てた当時、シリカリズベットを差し置いて、ノーアスナノーライフを掲げてた私から言わせて頂くと、彼女の登場の意味の有無はノーと言わざるを得ない。

 

 

 

 

 一言で言うなら、拭いきれないポッと出感。原作を買ってた身なので突っ込めばキリないですが、これまでもどこか腑に落ちない設定改変、雑な尺のカットは多くされてきた。そんな制作陣だから何かやらかすってのは薄々察してはいたけど、まさかこんな形でやるなんて。

 

 

 

 

 SAOを始めるきっかけ、TVアニメ1期の本編とクロスしてキリトと出会うまでの道筋を作ってくれた重要なポジションで出してくる。言わば第2のヒロイン枠で、本編の大部分を担ってます。その道筋を繋ぐまでのナビゲーター的ポジションにしては、感情移入させるまでの尺がかなり足りなかったな。アスナ視点での物語の補完性の高さがあったからこそそれが際立つというかね。

 

 

 

 

 どうしてもああいうキャラを登場させたいのなら、1話限定のモブみたいな感じで出してくれや.....って感じでした。個人的に水瀬いのりさんは、ナイスガールで気の強いお姉さん系やらせるよりも、おしゃべりで我が儘なお嬢様やらせた方が持ち味出るんじゃないかな~って思ってますね。宮崎駿さんとか新海誠さんとかの映画で、畑違いの俳優さんを声優に起用しちゃったりとか.........そういう感じの空気を感じちゃいます。

 

 

 

 

 あと特に後半はキリト君の大車輪の活躍。

 我らがアスナ様が必死になって繋いで頂いたバトンを、彼はいとも簡単に踏みにじります。何回か出てるPVのサムネでアスナが中心に出てきたように、今回のメインはアスナであって君じゃないんよ。

 TVアニメ版の初期の彼っていうのは、前述の通り人間味がある一面を見せる一方でコミュ症で、人と一定の距離置いて話したりしてたんですが.........何を間違えたんでしょうね。

 

 

 

 

 ってか、冒頭のβテストのシーンからそもそもおかしい。タイムアタック的なダンジョンで最後の1人になった所で、親の涙より見てきた黒づくめのマントをなびかせ、透かした面でクリアしやがる。アインクラッド抜けた辺りから、あの舐めプを何回見せられたのだろうか。もはや通過儀礼と化してる地獄のショータイム。引っ込んでろよクソ中坊が。

 

 

 

 

 キリトアンチの方々にとっては悲報ですが、来週の映画では彼の独壇場が増える事が大いに予想されますね。

 

 

 

 

 まあそれらの短所を差し置いても、本編のアクションシーンは非常に素晴らしかったと思います。10年分の進化を感じただけでも、僕はそれだけで心臓止まりそうになりました。劇場で観てひしひしと感じたのですが、TVアニメ本編でもBGM担当だった梶浦由記さん(確かそうだったはず)担当のBGMも震える程カッコ良かったです。変わらないSAOを、上手くリブートして頂いた。総じて大満足です。来週の映画も素直に楽しみですね。

 

 

 

 

 シリーズ未視聴の方も、勿論すでに視聴済みの方も、ぜひ本編が始まる前にこの作品を観て、『冥き夕闇のクラッツォ』を観にお近くの劇場へ足を運んで頂きたいですね。