進撃の巨人 The Final Season Part2(76~87話) 感想
前回の記事はこちら↓ ↓ ↓
皆さん、こんばんは。ゼクショーです。
春休みが終わって、今週から学校が始まりました。
学年が上がり、今は大学3年生です。来年は就活期間になるので、その前掛かりとなるインターンシップや企業説明会がある今年は、忙しくなりそうです。ブログ更新ももしかしたら長い休載期間を設けることになるかもしれません。
さて、今回は先日に放送が終わった、「進撃の巨人 The Final Season Part2」をレビューさせて頂きます。75話までを観ていることを前提として書いてるので、まだ観ていない方は、ブラウザバックされることを推奨致します。
作品の概要部分については、過去記事で触れているので、割愛させて頂きます。
~第75話までの過去記事~
~本題~
①両陣営の一触即発のバチバチ感
「The Final Season」にて、「人類VS巨人」の構図から、「人類VS人類」の構図になった。とはいえ、根本的に世界の命運を握るのは、「巨人」なのは変わりないです。
ヒロイック的な見せ方が強かった調査兵団が、罪のない子供相手にも臆せずクーデターを起こしにいく等の変化的な面白さがありました。
そんな彼らと相対するは、ライナー、ジーク、ガビ、ファルコなどが該当するマーレ陣営。エレンやミカサ、アルミン達エルディア陣営を「悪魔」と揶揄し、ここまで戦争を繰り広げてきました。
そんな彼らの意思を無視するように、無差別に人々を蹂躙していくエレン。立場的にはマーレ側にいながら、それを裏切るように独自に行動しているジーク。そして、この2大勢力にも積極的に肩入れしないイェレナ達のポジション、その意味というのが、このクールで明らかとなった。ネタバレになるので言及は控えますが。
その目的が遂行された結果、世界そのものが破滅しかねない未曽有の危機に両勢力は陥ることとなる。これを互いに止める為に、停戦に入る流れになる。普通のアニメであれば無理やりハッピーエンドに持っていくのだが、綺麗ごとで終わらせないのがこの作品。
「利害」が一致しているだけで、「信頼」による繋がりはそこにはない。そこんとこのバチバチ感というのが、今回のクールにおける「進撃の巨人」が面白かったところだと思っています。それを裏付ける展開の中で好きだったのは、76話のある場面。
前回のPart1でも、多くのエルディア兵たちにジークのせき髄液を入れたワインを飲ませるという場面がありました。彼が保有する獣の巨人の特性により、彼が雄叫びを上げると彼らを巨人化させることが出来る。
マーレ人でありながら、エルディアと共存する思想を持つ人々として登場した、イェレナ達。
ジーク(およびイェレナでもある)がその行為をしていると分からなかったので、エルディア側に知らせなかった。
2大勢力のどこにも該当しない中立的立場といえど、割と味方に近いポジションを取っていながら、それを行った。これを裏切りだと訴えるコニーの台詞が最高だったんだよね。
「もう…裏切られるのは飽きてんだぜ、俺は」
1期では訓練兵時代からの同期だったアニと敵対することになり、2期では同じく同期で兄貴分として慕っていたライナーやベルトルトと敵対した。コニーに限ったことではないが、いくつもの戦闘を潜り抜け、不毛な殺戮を繰り返してきた。そのために多くの大切なものを失った。コニーの場合は故郷を襲われ、自分の帰りを待っている家族を巨人化されている。もう精神的に俺はもう、こりごりだと。
このやり場のない気持ちを、ダイレクトに訴えるのが凄く自然的で良いですね。
進撃の巨人の登場人物って、常人と比べた時にイカレた考え方をしている人物が全体的に多いイメージ。巨人を全員駆逐することに何の恐怖も見せなかったエレンは勿論、リヴァイとかもそうですよね?
なんかシナリオの構成上、多くの犠牲が出ているんだけども、死に対する恐怖だったり、心の弱さがあまり見えないキャラが多い。そして結構あっさり人を消してしまうじゃないですか。死の重みを実感させるダイレクトな描写を入れないのは、少し短所でもあるのかなと思ったり。
コニーは訓練兵時代からサシャ共々ムードメーカー的な役割に回ることが多かったので、割とバカキャラとしてのイメージが大きく取られがちですが、僕は、一番人間的なリアクションを素直に表現してくれるキャラクターでもあると思っていて。
故郷の惨状を観た時も、進撃特有の線の重ね書きで、とてつもない戦慄を感じてる表情を見せる場面が用意されていたりだとか。
コニーのキャラクターとしての強さがそのまま出てて、良かったんじゃないですか?
他にもバチバチ感を感じる描写としては、共闘戦線に入るときに口論になって、その今までやってきたことからの後ろめたさから、罪悪感ある発言を連発するライナーを、ジャンがぶん殴るところとかもそうですね。
訓練兵時代には、内地に行って安泰な暮らしを手に入れるという自己中心的な願望を押し出すような嫌な奴だったのが、こんなにも仲間のために熱くなれる男になるのかと。彼の成長も実感しますね。
戦争があって頭がイカレてしまっている大人たち。子供のこと等、細かいことを考えている暇もない。頭のネジが一本でも抜ければ、戦争が起こりかねない状態が、ここ数話で続いている。そんな彼らが簡単に停戦など出来るはずがない。
カヤなどの出会いを通してエルディアに対する、ステレオタイプとも言える考え方を変えていったガビが、エルディア側に「私たちが悪かった、だから助けて下さい」と深く礼をして謝る構図の展開が、人間の悪の部分を出していて良かったですね。
戦争だったり、未曾有の大災害があった時に人間の本性が出てくるとかよく言うじゃないですか。心の余裕がなくなってね。
その謝罪や、仲裁の役目を大人たちにやらせるのではなくて、子供にやらせるんかい。しかもだよ、ジークの裏切りを知った時以降、戦慄感溢れる表情を見せるようになり、人間不信になった節すら見えたあのガビにやらせるって。当事者じゃないんで不謹慎な言い方になるが、あれは本当に、心の底から可哀想だと思いました。
②トップレベルのCGクオリティ
ぶっちゃけ、2022年冬アニメの中で、CGクオリティは一番高かったと思っています。
例を挙げるなら、76話開始冒頭の、雨が降ってきて、草むらの上に溜まるシーン。
人間の動きでは出来ない、自然現象だとか、魔法のような異端なものを表現する時に、CGは映えるものだと思っている。クオリティは高くても、これは動きとして人為的に計算され尽くされていると錯覚してしまうアニメーションは大抵CGなんじゃね?
こういう風に、自分の中では区別してるつもりなんです。
しかし、この作品の場合は、人為的に計算されている動きでなんか異質だけど、クオリティが少し高いから観れるアニメーションではなくて、CGと手描きの区別がつきにくい領域にまでなっている。
立体機動のアクションシーンも相変わらずカッコ良い。複数の兵士たちが上手く連携して、巨人にミサイルぶっ放すところ。作中でも時間がかなり進んで、武器が増えたということもありますけど、ミカサが敵の兵士を殺すバリエーションが幅広くなっていたりと、アクションは厚みがありました。
1期~3期の時の進撃の巨人のアクションが至高だってことは、自分の中で確固たるイメージとして持っていたんだけど、2クール目にしてそれにかなり近づいたんじゃないでしょうか。寄りの絵なのに、モブの巨人までCGでやり通すのはちょっと気になりましたけど、それを差しおいても圧巻だったのではないでしょうか。
③蘇る第1期の空気感(ネタバレ注意!)
面白い展開は本当に色々あるのですが、中でも、アニの再登場シーンは非常に衝撃的でした。
9つの巨人の中で、初めて本格的に敵対することになる女型の巨人。初登場時のインパクトは絶大だったが、彼女は、その正体でもある。第1期のラストで硬質化の能力を利用して、本体ごと閉じ込めて以降、音沙汰がなかった。
アニメだとこの展開まで来るのに9年くらいかかっているわけだから、アニメ勢からは、アニってキャラは記憶からも消えかけているところだ。だが、その恐ろしさは微かに覚えている。本当に絶妙なタイミングで復活させたな~~って思いましたね。
そのあとのヒッチに連れ出されて、彼女と会話する所も切なくて良かったんですが、硬質化が解かれて、蒸しパンを食っているところにたまたま出会うことになる、アルミンとコニー。
その時の彼らのリアクションもギャグとして面白かった。敵対関係にあるバチバチ感っていうのは変わらないんだけども、訓練兵時代のみんなのぎこちない空気感っていうのかな?アニが彼らに連れられて共同戦線に向かったシーンもそうですけど、あの1期のときに出ていた空気感が蘇っていたのは、素直に嬉しかった。
人類VS人類の、壮大な闘争を描くというテーマ上、その初期の頃の「進撃の巨人」の持っていた雰囲気ってあまり出てなかったんですよね。初期型の立体機動装置を装備した兵士たちが、巨人とバチバチ戦うシーンとか、キース元教官が最後の足搔きとして巨人倒していくシーンだとか。まさに最終決戦前の最後の晩餐と言わんばかりの、素晴らしい盛り上がりをこの目で見届けることが出来ました。
最後に
いかがでしたでしょうか。
Part1まで語ってんだから、語らんとアカンやろということで、語らせて頂きました。
来年が待ちきれません。テレビアニメ放送後10周年の節目でもあるのでね。
あとこれは余談になるのですが、下記のTwitterアカウントにてこのブログでまだ語っていないタイトルについても語っております。ご興味ある方は、ぜひチェックの方を宜しくお願いします。
次回更新も、金曜日の20:30になります。それでは、次回の記事でまたお会いしましょう。