ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 感想
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皆さん、こんばんは。はじめましての方ははじめまして。
現役大学生ブロガーのゼクショーです。
今週は久々にゲーセンに行く機会があったので、いろいろ遊んできました。5000円くらい課金したかな。
音ゲーで1000円近くぶっこんで、UFOキャッチャーは3000円近く使わせて頂きました。
バイトなどで結構お金が溜まってくると、ついつい多く使いたくなる時ってありますよね。
まあ、そんなことはともかく、今回は、この春に続編が放送されるあのアニメの第1期をレビューさせて頂きます。何気に僕がアイドルアニメを語るのは、このブログで初めてになりますかね。
2020年秋アニメ、「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」です。
制作会社は「機動戦士ガンダム」シリーズや「銀魂」など、幅広いジャンルの作品をこれまで多く手掛け、この春に「バンダイナムコピクチャーズ」へと改名予定の「サンライズ」です(ブランド名としては残る予定なので、制作表記はもしかしたらこのまま変化しない可能性も)。
2013年の無印版「ラブライブ!」登場以降、アニオタの中で爆発的なコンテンツとして成長を続けてきたアイドルアニメ、「ラブライブ!」シリーズ。無印版とその続編2作、登場人物を新たにした「サンシャイン」とその続編2作のオンエアを経て、完全新作としてこの作品は登場しました。
去年には、さらに設定やキャラを変えた「スーパースター!!」も放送されていますが、僕はこの作品が一番好きですし、約1週間後には2期が放送されるということもありますんで、すでに視聴されている方が、もう1度、観返す際の面白いポイントのおさらいの意味も込めて、色々語っていこうと思います。
「ラブライブ!」を観たことがない方も、この作品から入って頂いても構いません。新規の方にも配慮して書いていきますんで、宜しくお願いします。
0. あらすじ
東京・お台場にある、自由な校風と専攻の多様さで人気の高校「虹ヶ咲学園」。
スクールアイドルの魅力にときめいた普通科2年の高咲侑は、
幼馴染の上原歩夢とともに「スクールアイドル同好会」の門を叩く。
時にライバルとして、時に仲間として、
それぞれの想いを胸に日々活動するメンバーたち。
「夢を追いかけている人を応援できたら・・・・・・。」
12人と1人の少女たちが紡ぐ、初めての「みんなで叶える物語-スクールアイドルプロジェクト-」。
響け!ときめき――。
いままた夢を、追いかけていこう!
※ TVアニメ版「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」公式サイト ストーリー部分より引用。ハイフンで囲まれた部分は特殊ルビ※
1. シナリオ面
良かった所
今までのラブライブは、廃校の危機に瀕した学校に希望を与え、救い出すために、主人公を始めとする同志たちが、一つのアイドルグループを結成し、活動していくというものだった。
個人個人を掘り下げていく描写は僅かにあれど、物語の構成上、軸となるアイドルの存在意義が「グループ」に偏っていたんですよね。
こういうところは、僕はあまり好きではなくて、正直に言うとこれまでのシリーズにそんなにハマれなかった要因でもある。
全国のアイドルグループが集まる大会である「ラブライブ!」があるという点でも設定は共通している。無印版の劇場版であったのかな?そこに出場して、優秀なタイトルを狙っていく展開があった気がする。
グループ間における問題解決の描写も、個人個人の感情を深堀りしないせいで、キャラアニメとして見たときにあまり感情移入ができないというものだったんですよね。その解決の流れも、割と淡々と進んでいきますし、それが終わって主人公らがグループで集まって、ライブをしてそれが成功する。シンプルで見やすくしているベタなアニメだからこそ、最後に、視聴者の情に超ダイレクトに訴えて泣かせるべき展開だと思うんだけども、申し訳ないけど、あんまり泣けないんですよね。
キャラクターは人気が出るのも頷けるくらい確かに可愛く思わせる見せ方になってんだけど、それ以前にキャラクターの内面をあまり愛せない。個々のキャラクターの気持ちの部分をもっと知りたかった願望の方が強くて、泣けるって言ってる人の気持ちがちょっと理解できなかったっすね。この手のアニメの暗黙の了解のように、平然とセンターポジションになっている主人公にも、あまり感情移入が出来なかった。
んで、今回の虹ヶ咲学園は、今までとは全く違った語り口で、アイドルアニメしてんな~~って思って観てました。いち視聴者側として、気持ちもなんか作品に自然に入っていったなって感じでした。
この作品が他のラブライブ作品と違うところを端的に言いますと。
アイドルとしてのアイデンティティを「グループ」及び「主人公」に依存させるのではなく、そのグループを構成する個々のキャラクターが各々思っている大好きな事、その延長線上にある「理想」を追いかけていく様子を、それぞれ掘り下げていっているってことですね。
そもそものテーマや設定自体も、全国のアイドルグループが日本一を競い合う大会があることは共通しているものの、廃校の危機に瀕した学校を救うためにグループアイドルやれという、グループものとして都合の良すぎる設定や、それを不必要なまでに正当化してキャラクター一人一人の表情を出しにくくしたような展開はこの作品にはない。アンナチュラル感がだいぶ抑えられているんですよね。
その流れを作っているのは、各キャラクターが目指している理想が異なるからこそ起こってしまう、個々の内部分裂と、それを解決する主人公の高咲侑ちゃんの、橋渡し的ポジションがミソとなっているストーリーにあるかと。
この作品がアイドルアニメとして目指している方向性は、「ひとつになろう」、「団結しよう」といったグループ本位の綺麗ごとを並べるのではなく、みんなが個性を大事に尊重し合い、支え合っていくことで、自然と輪は広がっていくんだということだと思ってます。
まあ基本的には話の展開自体はベタですし、キャラクターも9人と多いので、掘り下げられてない部分や、話が飛んでて尺の使い方が少し粗っぽいなと感じる所はあるんですが、特に良かったと思っているのは、中盤くらいにあった、近江彼方ちゃんの回と、終盤のクライマックスにあたる親友の歩夢ちゃんの回ですね。
まずは彼方ちゃんの回から。
彼方ちゃんが初登場して、視聴者が最初に描く印象は「おっとりとしていて、練習終わりには常に眠そうにしている女の子」。カットごとにキャラクターが変わっていくんですが、常に寝ているか、のんびりとしているかの二択。
その理由というのが紐解かれる回で。
一言で言うなら、家族を支える為に、無理をしているということですね。ネタバレになるのでそんなに深くは語りませんけども。
親が仕事で忙しくていなくて、妹と2人暮らし。家庭で生活していくための資金を稼ぐためにバイトで稼いだり、料理を作ったりしている。それは全て世界でたった1人の妹ちゃんの笑顔を見たいためだと。そんでも、スクールアイドルを楽しんでいる自分がいる。
妹の遥ちゃんも実は別の学校のスクールアイドルをやっていて、しかもセンターも務めている。それが妹が姉に喜んでもらうためにやっているのだと。けれど、彼方ちゃんが色々「無理」をしているのは承知だけども、それを中々言い出せない自分がいる。
この2人の衝突を通して、本当のやりたいことは何かを姉妹同士で確かめ合っていくお話でした。理想となっているものが理想になっているものを否定する、そしてそれを尊重し合っていくというのがこの作品のテーマでもある。
中須かすみちゃんだったり、優木せつ菜ちゃんだったり、他のキャラクターは割と自分が好きなことをやりたいというものだった。彼方ちゃん視点ではちょっと毛色が違くて、この自分の中の「トキメキ」とは何かの迷いとその答えを、家族という我々にも身近な存在を登場させて、実にシンプルな作りで見せて頂いた。
クライマックスとなる彼方ちゃんのライブシーンが終わった後の、遥ちゃんの反応とかも良かったっすね。スクールアイドルとして、そして家族として、お互いを尊重し合っていくという見せ方で。
彼方ちゃんを諭す決定打となった、侑ちゃんの「遥ちゃんはもう守ってもらうだけの人じゃない」という風な台詞を始め、流れがベタだったんで泣くことはできなかったですが、悪くはなかったし、しっとりとした良い回だったと思います。
次はまあ、歩夢ちゃん回のところですね。確か、第12話だったかな?
こ~れもねぇ、この作品だと非常に盛り上がる所なので、あんまり語らないでおきます。まあベタと言われればベタだし、仕方はないけども、僕は本編中だと一番好きな回でしたね。
歩夢ちゃんは侑ちゃんの幼馴染。自己主張があまり強くない性格で、侑ちゃんがスクールアイドル同好会の同志たちと多く絡むようになってから、どんどん遠い存在になっていくように感じられた。回を増すごとに不自然な表情をすることが増え、素の笑顔を侑ちゃんに見せることが少なくなっていった。
こうした振りは多くあったし、歩夢ちゃんが起点となった大きな出番も特になかったことから、主人公との付き合いが一番長いポジションにいる彼女と侑ちゃんの関係性を深く掘り下げた回が後半のピークとして持ってくるのは分かっていた。
自分は侑ちゃんにとって、もう友達ではなくなってしまったのだろうか。気に病むモヤモヤ描写を2話ぐらい続けての、12話。
その侑ちゃんも、同好会のメンバーたちと絡んでいくことによって生じたアイドルへの思いは変わらないけれども、歩夢ちゃんとの友情は今も固いまま。これを、分かりやすく花言葉で示してくれた。
その後の彼方ちゃんのライブシーンも可愛かったし、その演出も花言葉通りの、1話での2人の関係性の対比表現にもなっていることを考えると、話の締めとしても体裁を保ってましたし、これは評価せざるを得ないと思いましたね。
悪かった所
ラブライブ作品は萌えアニメとして、そしてキャラアニメとして、視聴者の情に訴えなくてはならないアニメだと思ってます。
良かった所として挙げた2キャラクター以外のキャラは、アイドルを続けるうえでの理想と、それを抱く動機の描写というのは、その個人が深くピックアップされる回以外の回だと、足りていなかったなと思ってます。テレビドラマでもやっているわけではないんだから、繊細な理由は求めなくて良い。
優木せつ菜ちゃんがアイドル愛に満ちた「大好き」な気持ちを伝えることができなくて、一度アイドル活動を辞めるに至った理由だとか、中須かすみちゃんがアイドルになって「カワイイ」ことを追い求めたいと思える理由だとか、天王寺璃奈ちゃんが顔を隠して踊っている理由だとか。その他のキャラクターもそうですが、アイドルとしての動機がどれくらい大きいものなのか少々掴みづらい。
一応個別に描かれてはいるんだけど、個別にピックアップされないとそこのところが少々乱雑に感じるのは微妙だったなと。
この問題を解決するためにも、彼女たちが堂々と好きなことを理由付けて話す場面を、もっと入れて欲しかったですね。
これまでのラブライブ作品と比べても、個々のキャラクターに焦点を当てて、視聴者に、キャラクターを通して作品に感情移入しやすく出来る題材なのに、それはどうなのかと思いますよ。
また、こういう描写が足りないからこそ、最終回の全員集合のライブシーンとかもあんまり映えないと思うんですよね。あそこはOVA的な軽快なステップでアニメ1期としてのオチをつけているように思えちゃって。いやそこは最終回まで走り切ってくれた視聴者、そしてファンに情を訴えるところやろと思いました。
せっかく可愛いキャラ一杯いるんだから、そんな彼女たちに囲まれるクライマックスシーンは、正直泣きたかったで。
僕はそういう意味での頂点がアニメの無印版「アイドルマスター」だと思ってるんですよね。放送された年代的にもラブライブ作品より早いから、それを見ているからこそ、少し残念でした。あちらもアイドルものとしての方向性を「グループ」に縛らないというものに落ち着いてるんですけど、最高に面白かったです。
あちらの方も最終回で全員集合のライブシーンをやる訳ですけれども、キャラクターのアイドル像がはっきりしているからこそ、すごく感動できたんですよね。
もうちょっとそこんとこ頑張って欲しかったかな~~~なんて思ってました。
2. 演出面
背景美術も凄く細かくしてましたし、引きの部分の作画はダンスシーン以外だと基本的には手描きで描かれていたのは好印象です。
1話冒頭の人影のシーンとかもそうですし。せつ菜ちゃんのライブシーンと、それを見ていた侑ちゃんをCGと手描きで使え分けていたり。そのせつ菜ちゃんもゴリゴリのCGで背景よりも浮かせて見せるのではなくて、自然と手描きに溶け込ませようという姿勢が見てとれました。
登場キャラクターそれぞれを軸にしたエピソードごとに、Bパートでそれぞれに合った挿入歌が入ってくるようになっている。
そこで描かれる肝心のダンスシーンとかは、以前のラブライブ作品では背景とのCG浮きの整合性に違和感があったのが、そこんとこは緩急がつけられていて、変化を感じさせるものでした。せつ菜ちゃんのところもクオリティは高かったと思ってますが、特に璃奈ちゃんのダンスシーンとかは、非常に可愛らしくて良かったと思います。
そこにオタクの情に訴えかけられるシナリオが乗っかれば、最終回の全員集合のダンスシーンとかで泣けたのにな~~とは思ってます。クオリティは普通に高い部類だと思いましたよ。
アフレコ面でも、他のラブライブ作品と比べると、棒読みなんかは目立ちませんでした。以前のラブライブシリーズというのは、新人オーディション企画のような感じでアマチュアの方々をオーディションとして応募しているんですよね。
この作品で主役を張るほとんどの人が無名な状態でスタートしている。
声優も、コンテンツの一部と捉え、作品の知名度、価値と共に成長させていくという意図なんでしょうが、金のために声優を売るようなビジネス臭がしますし僕は好きではない。
そしてその初めの段階ではどうしても、上質なクオリティは大いに期待はできない。最近だと「スーパースター!」とかもそうですね。
ただこの作品は、アニメ化以前からアプリ版のストーリー展開があって、CDデビューもしていて、ある程度キャリアを積んできてのアドバンテージがある声優の方々がほとんど。中にはまだ無名の方もいますが、「鬼滅の刃」が代表作となった鬼頭明里さん等を筆頭に、いちプロジェクトとしてある程度発展させた状態でアニメ化に至った作品なので、アフレコの強弱のつけ方が下手だとか、棒読みが目立つだとか、そんなことは全く感じなかったですね。
3. 音楽面
OPは先ほども言いましたが、ダンスシーン以外は基本的には手描きで描かれているということ、CGシーンはカメラを引いたときの部分と寄った時の部分で、背景が浮かないように出来ているということ。我が推しキャラ侑ちゃんを筆頭に、ミュージックビデオ風な構成で、虹学の聖地周辺の場所なんでしょうか、都会の風景を押し出しつつ、キャラクターの萌えを引け散らかしつつ、写してくる作りなのはストーリーをなぞらえていて非常に良かったなと思います。
EDに関しては特に響かなかったです。申し訳ない。
~最後に~
皆さん、いかがでしたでしょうか。
今回は、約1週間後に続編の放送を控えた、「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」について語らせて頂きました。
「ラブライブ!」は気になってるけど、まだ無印版を観ていないよ~~~という方でも、この作品からでも良いので、「ラブライブ!」に込められたキャラクターの可愛らしい空気感を味わって頂ければなと思います。
次回更新はまた今回と同じ、金曜日の20時半になると思います。
最後になりましたが、下記のTwitterアカウントにて、このブログでまだ語っていないタイトルについても語っていますので、興味のある方はぜひチェックして下さい。
それでは、また次回お会いしましょう。