<年末5日連続投稿企画②>異世界食堂2 七日に一度扉が開かれる異世界の定食屋、再び。
前回のレビュー記事はこちら↓↓↓
皆さん、こんばんは。
はじめましての方は、はじめまして。ゼクショーです。
普段は毎週金曜日、20時半に投稿している当ブログですが、年末の企画として昨日から大晦日にかけて、毎日更新するということを行っております。
学校の課題もやりながら徹夜で作業してますので、あまり睡眠はとれておりません。
まあ深夜アニメの視聴は、徹夜してなんぼですから、趣味のために時間をかけるならこれくらい覚悟しているつもりです。ましてや冬休みなんでね。
さてさてさ~て、今回のアニメは、食欲がそそられるあのアニメのご紹介といきましょう。
2021年秋アニメ、「異世界食堂2」です。
原作はライトノベルになります。第1期は、2017年冬アニメとして放送されたので、約4年半ぶりの続編になりますね。
今期のラノベ枠の一つ。「世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」だとか、「月とライカと吸血姫」だとかがありますが、本作品は飯テロアニメと、異彩を放っている作品ではあります。
ファンの方には大変失礼ながら、僕は、1期を観ずに2期からこの作品に入った者です。
なぜかっていうと、この作品の話がオムニバス形式で進める手法をとっていることから、僕が知っているアニオタの方々から2期から見ても全然大丈夫だよ~とゴーサインをいただきましたので。
まあ結論から申し上げますと、かなり面白かったですね。ラノベものだから、どうせ丁寧にやるべき描写をライトに描いて、奥深い面白さは出せていないんだろうと思ってなめてかかってました。
ファンの方々はもちろん、原作者ならびに制作陣の方々には、大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。
一期のほうにもあったのかはわかりませんが、この作品でよかったところをいくつかレビューしていきたいと思います。
0. あらすじ
猫の絵が描かれた看板が目印の、洋食のねこや。
日本のどこにでもある普通の食堂に見えるが、7日に一度のみ、特別営業であるドヨウの日になると、異世界のあらゆる場所と扉が繋がる。今日もまた、向こうの世界の客が絶品料理に舌鼓を打つ。
※「U-NEXT」より、引用※
1. シナリオ面
冒頭でも言った通り、この作品の物語は基本的にはオムニバス形式なので、単話ごとのつながりは基本的にはありません。
話の内容は、基本的には異世界にいる様々な時代、様々な国を生きている様々な異種族が、毎週土曜日に異世界の各地に現れる「定食のねこや」の扉を通して、「ねこや」に集まってくる。その異種族で賑わう特徴から、「異世界食堂」の異名があるんだよと。
印象深かったところを、色々と語っていこうと思います。
①料理を食べるときの感想の、事細かさ
各話のテーマごとに、出てくる料理というのは異なります。A、Bパートにも繋がりがないエピソードもあります。
異世界に住まう様々な種族たちが、ねこやの料理をみて驚き、その食べた感想を言っていくというのがこの作品のお約束シーンなんですが。
恐らく脚本家を含めたアニメ制作陣の皆さんは、プロの監修を受けているんでしょうかね?そう疑ってしまうほど、この異世界の住人たちは舌がなかなかの達者なようで。
料理の主菜のおいしさをただ単に言うのではなくて、副菜がどのような具材が入っていて、どのような食感が得られるのか、またその副菜が主菜に対してどのような効果をもたらしているのかを、冷静にそして事細かに、レビューしている様子、そのこだわり具合は毎話毎話驚かされるばかりでしたね。
ゴールデンタイムでやっている食レポ番組顔負けのっていうべきでしょうか。今まではそんなに細かくは気にしてなかったけど、この作品見たあとだと、とっても雑なんだなって思っちゃいましたね。
食レポが上手い芸能人、下手な芸能人って色々いると思います。
僕が真っ先に思いつくのがバナナマンの設楽さんと、日村さんですね~。あとは中山秀征さんだとか。
中山さんはたまにテレビつければ食レポやってる様子を見させて頂きますけども、某鬼滅の刃の煉獄さん並みに「うまい!」としか言っていない。五感で微かに感じ取っているであろう食材の話は一切絡ませず、ただ単にその三文字を言っている。ワンパターンすぎて説得力がない。煉獄さんと違うのは、犬食いしてないところ。
設楽さんも同様にじっくり味わうタイプなのは伝わってくるけど、感想に幅がないですよね。「ジョブチューン」だとか、「バナナマンのせっかくグルメ」だとか、そういった番組で彼が食レポしているところを拝見しますけれども、あの人って肉を食べていても、おにぎりを食べていても、基本的に「うまっ」としか言っていない。野菜ならシャキシャキしているだとか、肉だったら油が〇〇みたいによく染みこんでいて、ジューシーで素晴らしいだとか、なんかこうワンクッション置いて欲しいかな~と思ってしまいますよね。
日村さんは、先ほどのお二方と比べると、食レポの感想の幅の効かせ方はしっかりとしていると思います。無理やり「うまい」という三文字に持って行って感想を自己完結しようとしないというか。
日村さんはよく「バナナマンのせっかくグルメ」でね、色々な店行って食レポしてるところは見かけます。家族が毎週夕方くらいにテレビつけて放送しているので。
野菜だったら、その野菜の特徴を絡めせてレビューしてくるし、肉だったら、肉に絡めせたレビューをしてくる。
だけど、足りないな~って思うのは、副菜と主菜の関係性と、それら二つを絡ませたときの効果や使われている香辛料の効果がどのようなものであるかという考察を落とし込めているようには見えないんですよね。
それでは、「異世界食堂2」だとどうなのでしょうか。
第7話のAパート、お好み焼きのレビューから行きましょう。
「このジュージューと唸る鉄板!食欲をかき立てるソースの香り!」
「木の屑のような見た目からは想像ができないほどの海の香りをまとった優雅に揺れる鰹節なるもの!」
まずは臭いの情報から感じ取る。第一印象はお好み焼きを食べ始めた瞬間に食感として広がるサクサク具合ではなくて、本格的な咀嚼に入る前に、香辛料の効果を感じ取るっていう見た目の部分から行くんだと。お腹が減っていると食欲が勝ってしまうが故に忘れがちな香辛料の偉大さをこの一言で表現しています。
「口の中いっぱいに広がるソースと鰹節の香り。生地の表面はカリッと香ばしく中はふんわりと柔らかい」
香辛料の効果を読み取った後で、いよいよ咀嚼開始というところ。どこの部分がカリカリしているのか(この場合は生地だけども、)どんな調味料が入っているのか正確に区別して伝えている。
「薄らとかけられた海藻の粉と鉋で削った木の屑のような鰹節!甘塩っぱいソースとまろやかな酸味を持ったマヨネーズの味!刻まれたタマナの甘みと肉の旨味が一度に襲い来る!たまらん!これぞお好み焼き!」
生地の中身の感想メインに置いてしまいがちですが、外見の部分の咀嚼の楽しさも忘れていない。そのうえで生地の味の部分と噛み合わせる楽しさも忘れていない。
この調味料、香辛料、中に含まれている食材の関係性や、それを咀嚼する楽しさを事細かに伝えている、まさしく素人顔負けの感想だと思いました。
プロではない僕が普通においしいお好み焼きに対するコメントをするのであれば、「焼き上がりがふんわりしてて、サクサクしてて美味しい」というのが感想です。
でもこれだけだと、お好み焼きの外見的特徴だったり、臭いといった情報や、どんな材料が含まれているのかが伝わりにくいと思います。これを「異世界食堂2」は細かくやっている。これもこの作品ならではのストロングポイントだと思いますね。
②料理によって出会いが広まる、歴史が紡がれる
ただ一人の異世界の住人たちが感想を言うだけではなくて、自分の好きな料理について様々な種族、時代の者たちがその魅力について語り合っているという描写もあるし、先述した通り、料理の素晴らしさは国境、種族、言語の壁をも越えていくんだな~っていうことを貫いていた描写も何点か入れていたのは好印象です。
例えば、客がにぎわってきて注文した商品が来ず、種族も境遇も異なる異世界の住民たちが相席になって、まだかまだかと目当てのものを待っているというシーンがあります。
その間に前菜として「キッシュ」を頼んでそれぞれの目当てのものを待つという展開になるんですが、それぞれに思った感想を言いあっていくんですよ。
ただここで好みの食材を言うだけではなく、俺は私はこの食材が好きだけど、その食材のおいしさもこのキッシュのおいしさをより引き立てているっていう、平和的なディベートが見られたのは良かったと思います。戦争的な私情の話を持ち込んでいたとしても、その好きな食材のおいしさを優先してしまい、食べ残すことはできないといった趣旨の描写もあり、料理を食べることへのありがたみもしっかりと描いているのは素晴らしいと思いました。
あとはそうですね、第9話ではねこやの料理は美味しすぎて、その素晴らしさを自分たちの世界に広げたい、あるいはねこやの料理より美味しいものを作りたいという意思から、料理の伝統の文化が異世界に広まっていくという描写がありました。
本編ではマカロニグラタンとフルーツゼリーでしたが、僕は料理をあまりしたことがないので詳しいことは分からないですけども、ネットを調べるとマカロニグラタンはホワイトソースを作るのに時間がかかるだとか、フルーツゼリーはゼラチンやフルーツを上手い具合に混ぜ込んで型に嵌めないと作れないだとか、生半可な応用力では上手くは作れないらしいんですが、それでもそういう向上心をもって文化が広がっていくというのは、大変微笑ましいものですし、この作品の大きなメッセージ性にも関わってくると思いました。
11話では、ねこやを通じて一緒に料理を楽しむことで友情をはぐくんできた、コーヒーフロート王子とチョコパフェ皇女が、まさかまさかのカップル成立で。
ねこやにいた客たち全員と、ウェイトレスのお二方、そしてこの物語を俯瞰している視聴者に衝撃を与えるような展開もありました。
プロポーズのやり取りは少し単調だったなっていうツッコミもあるでしょうけど。まあ、この作品恋愛アニメじゃないし、そこに重点を置きすぎるのもかわいそうだな~って思うので、多めに見ましょうやって思いました。
いやあ、本当に驚いたんですが、この作品が一貫してやってきたこと、それと同時に伝えたかったことを汲み取ると、腑に落ちてしまったんだよね。おいしい料理は同志を生み、伝承を生み、それが受け継がれていく。何気なく食べていると気づかないことなんだけれども、カレーがインドから日本を始めとする色々な国に広まったように、これってすごく壮大なことで、全世界に共通することでもあるんじゃないかな~って考えさせられるんですよね。
すなわち、この作品が提示しているテーマは、「美味しい料理に対する喜びは、言語や文化の壁を越えて、世界中に広がっていくもの」ということではないかと。
出てくる料理は毎回異なるから、細かいテーマ性っていうのは各話ごとに設定されているけれども、最終回のラストでアレッタが、シェフに感謝を告げるシーンがまさにそれを一言で言い表していて、その大きなテーマ性をひたすら突き通していたのは、ただ楽しく飯テロしてるだけのアニメじゃねえなって感じがして、すごく好印象でしたね。
2. 演出面
飯テロアニメとして最大の見せ場でもある、飯作画も、本当に抜かりがなくて圧巻の一言でした。
ビフテキの肉汁の作画だとか。
ロースかつの油部分の作画だとか、サラダの質感だとかもおいしいレストランのものらしく、品の良さがにじみ出ていて良かったです。
3. 音楽面
ご興味あったら聴いてみて下さい。僕はあんまり響かなかったので、特に語れることはありません。申し訳ないですが。
OP映像なんかは、相変わらず飯作画は凄かったですよ。
いかがでしたでしょうか。
今回は、最近ではあまり観られなかった久々の飯テロアニメ、「異世界食堂2」をレビューさせて頂きました。
まだ観れていないという方でも、異世界食堂を観たことがないという方でも、ぜひこの2期から観て頂いても楽しめると思います。
あとこれは余談ですが、下記のTwitterアカウントでこのブログで語っていないタイトルについて語っています。ご興味があるようでしたら、フォローして頂けるととても喜びます。
最後にお知らせです。
この記事の冒頭でも言った通り、現在「年末5日連続投稿企画」というものをやっておりまして、明日も更新しようと思います。今日と同じ、20時30分頃になると思います。
それではまた、次回お会いしましょう。