不滅のあなたへ 感想
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皆さん、こんばんは。ゼクショーです。
8月も最後になりましたね。
今思えば夏休み、あと2週間切りました。
高校生の方とかはどうですかね、とっくに夏休み期間終わって学校に行かれてる方がほとんどなんじゃないでしょうか?コロナ禍でまだ行けてないけど、リモートで授業受けてんよ~ってなんて方もいらっしゃると思いますけどね。
まあ大学生にもなるとね、期末テスト日程が遅いってのもありますが、高校時代には8月終盤だったはずの夏休み最終日が、めちゃんこ遅くなるんですよね。僕の場合はそうです。他の大学は知りません。
PS4とPC持ってるんで新しいゲームとか、新しいアニメとか、色々拾っていきたい夏休みにしたかったのに、意外と最近きだるげで憂鬱な日々を過ごしてます。
まあ楽しい時間作るってね、難しいことなんですけど、なかなかハマるものに出会えてないですね。前期もそうだったんすけど、今期アニメに関してもね、正直めちゃくちゃ好きって言えるアニメには出会えてないです。強いて言えば1本くらいかな。それも後々レビュー記事載せていきたいとこではありますが。
さて前置きはここまでにして、8月最後のアニメレビューに行かせて頂きます。
今回は2021年夏アニメで、恐らく最初に最終回を迎えたアニメ作品をレビューしていきます。
週刊少年マガジン連載中の人気漫画原作、「不滅のあなたへ」です。
今は金欠気味でたまにしか読んでないのですが、実は僕、高校生の時から週マガの購読者でして、アニメ化する2年前くらいに、これの1巻だけ読んだことありますので、冒頭の話を知ったうえで視聴に臨みました。
制作は「ブレインズ・ベース」。前回レビューしました「夏目友人帳」と同じ制作会社になります。
全20話で、昨日の8月29日放送の最新話が最終回となっております。
僕も今朝に最終回を観たばかりなので、時期的にかなりタイムリーな感想になりますね。
あらすじはdアニメストアの配信ページから引用させて頂くと、
フシは最初、地上に投げ込まれた“球”だった。持っていたのは「刺激を受けた物の姿へ変化できる能力」と「死んでも再生できる能力」。球から石、オオカミ、そして少年へと姿を変化させていくが、赤子のように何も知らぬままさまよう。やがて出会う人々に生きる術を教えられ温かい感情を知り、人間を模して成長していくフシ。宿命の敵・ノッカーとの壮絶な闘い、大切な人との別れ…痛みに耐えながら自分の生き方を選びとり、力強く生きるフシの永遠の旅を描く。
こんな感じです。バトるよりかは、旅の要素が強めのファンタジーものですね。
それで面白かったか、面白くなかったか。個人的な結論を申し上げますと........................
「クオリティ」は高かったが、お勧めできるほど「シナリオ」は面白くはなかったですね。
というのも、これって不滅のあなたへの長所でもあり、短所でもあるんですが、シナリオ全体の構成がテーマやキャラ、舞台の毛色が異なる短編の章立てで成り立っていることが、展開の面白さを左右してる原因じゃないかなって思ってるんですよね。
一応、一旦ここでWikipediaを参考にして、今回アニメ化されているエピソードをおさらいしていくと。
冒頭から1クール目中盤辺りが、「大人になること」を夢見ていた少女とフシとの出会いから、罪人のピオランから人間特有の知識を獲得していくまでを描いた、二ナンナ篇とヤノメ篇。
1クール目中盤辺りから2クール目冒頭までの、元人間で、諸事情で自分の体で酒を作れる体になったグーグーと、王族のリーンなどの人物と、フシとの絡みを描いたタクナハ篇。
そしてそこから最終回まで描かれるのが、手違いで野蛮な監獄島のような所に連れていかれたフシが脱出を図ろうとする過程を描いた、ジャナンダ島篇になります。
このように、一つのテーマにこだわない物語だから違う軸で話を見て、違った面白さを感じることができる。物語としてもファンタジーの中に、心情を重視したシナリオがあって、不死身なだけの何もない「傍観者」であったフシが自分の生き方を模索する糧になる、それを俯瞰してる我々も様々な意味での共感を得ることができる。
でもこれって裏を返せば、一度話のバランスが崩れたり、急に毛色の違う展開になったりすると、この作品の色が見いだせにくいアンバランスすれすれの話の構成になってしまうってことでもあると思うんですよね。
冒頭の数話は我慢できる。だけどもし不吉なことが起きるとするなら、中盤以降の展開で新章に入ったりしたときにそれは起きるだろうと。
そして1クール目中盤辺りからそれは起きてしまい、目立つようになってきた。
色々と原因はあるんで、大きなネタバレはなしで、いくつか挙げていきましょう。
まず1つ目は、フシに対しての因縁となる敵勢力の登場と、その目的の意味が明確に描けていないということ。
先ほどの説明に沿って章ごとの話に触れていきますが、この敵自体は、タクナハ篇以前から出てきますが、タクナハ篇以降からこの綻びっていうのが垣間見えるようになった気がします。
ちなみにこの敵、作中では「ノッカー」と呼ばれてます。あらやる手段をこうじて、色々なものに刺激を受けて蓄積していく「フシ」の記憶を奪ってくる、そんな感じの敵です。
そんで、登場の仕方なんですが、本当にざっくりと言いますが、何の振りもなくフシ、あるいはフシの関係者に急に襲い掛かってくる。これはいかがなものかと思います。
ぶっちゃけ言ってしまうとこのアニメに関しては本編中、ノッカー自体が喋ることは一切ありません。
二ナンナ篇とヤノメ篇っていうのは、マーチの行く末とともに「大人とは何か」について問うような、それを傍観者であるフシと共に我々視聴者が共感を得ていく、そんなドラマ性が高いテーマだった。
ドラマチックなファンタジーものか、バトルごりごりアクションアニメなのか、そこらへんのバランスがイマイチだったように感じました。散々メディアで、てかそもそも本編の冒頭の雰囲気で旅を謡ってるアニメなんやってひしひしと伝わってくるんで、そこんとこはっきりしてくれよ。
次に2つ目。
フシを起点に起こる展開が、少し都合が良すぎたことです。
まあこれ全ての展開に対して言っちゃうと、バカみたいにこの作品そのものを否定してることになるんで、不死身である設定とか、得てして成り立ってないほんの一部のおかしい展開に関しては、目をつむっておきましょう。
冒頭で書いたあらすじ読んで頂いたら分かるかと思いますが、フシはワンピースのルフィや、キングダムの信みたいに、後先考えず前に前に出てきて戦ってしり上がりに強くなる王道タイプではなく、どちらかといえば傍観者的なポジションにいる主人公だと僕は推察しております。
例えば、フシがマーチやピオランから、人間の知識や考え方を学ぶ展開ってのがあるんですけど、まあ尺の都合もあるのか、原作がそうなのか分かりませんけど。
そういうのを習得していくスピードがね、早すぎるんですよね。つまりは我々が傍観者ポジを貫いてきたフシの面白さを感じてる時期を急激に短くしてる作りともいえるせいか、少し不自然に感じてしまう。
まあ具体的な展開を言うのもあれなんで、7割くらいのフィクションを交ぜて話しますと。
仮の仮で僕が「不滅のあなたへ」の世界にいたとして、まあマーチと仲良しっていう二次設定をつけた前提で、一緒に2話くらいで出てきたとします。
フシに言葉を教えることになったと。人から感謝を伝える時は「嬉しくねえから、このハゲー!!!」って言えという感じで教えたったと。
そんで展開が少し進んで4話へ。食料調達のために獣を狩りに行きました。ピンチに陥るフシとゼクショーとマーチ。
不死身の特徴を生かし、無意識ながらフシは身を挺して守ります。
彼が動きを止めている間に、僕とマーチは攻撃して獣を狩ったよと。
そのときに前触れもなく突然片言でフシが
「嬉しくねえから、このハゲー!!!」
いや、覚えるのはええよ。
少しふざけましたが、僕が伝えたかったのは。
言葉覚える過程の描写が本編中だと、ちょっと雑に感じてしまったかな~という印象を抱いたってことです。
まあそれこそ、フシの傍観者的ポジションとしての面白さが薄れるし、話の方向性どこ向いてるねんってなりかねないし、実際終盤にかけてそうなってます。
それこそ僕らが幼い頃にやってた読み書きみたいなね、ああいう方法で、フシに教えて少しずつ言葉を覚えさせるような感じの魅せ方の方が良かったんじゃないかと思います。
これ以上は大きなネタバレになってしまうので触れませんが、他にも話の都合が良すぎて話をつまらなくしているところはあるんだよ、とは言っておきます。
最後に3つ目。
共感できないキャラクターが出てくると、一気につまらなくなるってことですね。
これも僕が推察しているシナリオ構成の話で言わせて頂いたような作りのせいで、如実に出てくるこの作品の綻びの一つだと思います。
このアニメの最終章にあたる「ジャナンダ島篇」でそれは出てきた。
その主な原因となっているのが、フシをこの話の舞台のジャナンダ島に連れてきた少女、この章のメインヒロイン枠の「トナリ」の存在ではないかと。
嫌いな人は凄い嫌いだと思います。僕も好きではないです。
一言で言ってしまえば、非常に自己中心的で、嘘を言って周りを振り回しては、非人道的な行為も必要とあらば平気でする性格です。
まあきちんとある程度の展開を持つ作品ですし、何故こういう性格になったかバックボーンも描かれるわけですが。トナリに感情移入させるには、筋の通っていない作りだったなと思います。彼女にも信念があって、言わんとしていることは分かるけど、自分の境遇で思い悩む描写とかもなんか捻りがなくて、綺麗ごとで片づけてしまったというようなのが僕の感想でした。
ドラマ仕立てでやるアニメなんなら、そこんとこもう少しうまく掘り下げて欲しかったな。
全くヒロインとしての華もなく、可愛くもなく、ただただ表面上のクズさを前面に押し出してきたようなキャラ設定と、キャラ描写だったかなと。
シナリオで言いたかったことは以上になりますが、続いては「クオリティは高かった」と言ったことについてお話していきたいと思います。
一言で言えば、「アニメーションの魅せ方」が高水準だったってことですね。
舞台背景がCG味がなく、キャラクターの柔らかいタッチも上品でしたし、その挙動を表現する際に用いられた線の揺れ方とか、凄い手描き感あって良かったと思います。温かみのある作風というかね。
ただの綺麗な作画アニメだと思いきやそういうことはなくて、tノッカーを始めとするフシとその仲間たちのアクションシーンも、日本トップクラスとまでは言うつもりないけど、まずまずの迫力はあったのではないでしょうか。
所々粗い部分は後半にいくほど見受けられましたが、平均以上のものではあったと思います。
演出は特別引き出しは多かったわけではありませんが、漫画をなぞってやっているのか分かりませんが、とあるキャラの死の演出がなんか悲しいけど、一定の温かみを持たせてて良いなと思いました。
音楽面では、オープニングは、最近のものだと「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」で主題歌を歌われた宇多田ヒカルさん、エンディングは、僕が死ぬほど聴きまくったファイナルファンタジー13の劇中曲を手掛けられた浜鍋正志さんが手掛けられています。
どちらも曲調が作品に合っているかと言われると、とっつきにくかったってのが正直な感想ですね。
映像はオープニングに関しては、フシが本編を通してしっかりと「自我」を持った器として徐々に完成していくような、本作の根底にあるストーリー性を凄い感じました。素晴らしかったと思います。ただ楽曲とは合ってはいなかったなと。
エンディングはね、オフボーカルだし、語れることが特にないんで触れません。すみませんが。
いかがでしたでしょうか。
拙い言葉ではありますが、ファンの方々には少しきつい感想になってしまったかもしれません。申し訳ない。
今朝知りましたが、どうやら続編の放送が決定しているようです。けれども、自分は特にこのアニメに思い入れはないですし、多分観ないと思います。
次回ブログ更新日に関して。
実は、全く次回レビューする予定のアニメのネタが決まっていない状態なので、来週以降の更新が今のところ濃厚で、前倒ししたとしても、今週の土曜日くらいになると思います。
気分屋な性格なんで、急に早くなったりとかもあると思いますが。
まあ、改めて更新日が決まり次第、下記のTwitterアカウントの方でお知らせしますので、宜しければ見て下さい。
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